「ず」の検索結果
全体で56,224件見つかりました。
戦争を繰り返してきたルヴェリア王国。
幼くして王女としての責務を背負わされたアリスティア・ルヴェリアは、父王に代わり国政を支えていた。
眠る時間すら削り、感情を押し殺しながら働き続ける日々。
そんなある日。
父である国王リュシアンは、前世の記憶を思い出す。
ここは前世で読んだ小説『愛されない王女とだめ王』の世界。
そして物語の結末で、自分は娘に殺される運命だった。
けれど実際に出会ったアリスティアは、小説の中よりずっと幼く、優しく、壊れそうな少女だった。
「せめて今度こそ、父親になりたい」
これは、愛を知らずに育った王女と、不器用にやり直そう
とする父王が、少しずつ家族になっていく物語。
文字数 102,706
最終更新日 2026.07.12
登録日 2026.05.15
前魔王が夜逃げしたんだが!? 50歳のおっさん、異世界での国再建譚
「ふぅ~。今日も一日お疲れさん!」狭い賃貸アパートの湯船で安物の入浴剤に癒やされていたはずが、耳元で響いた投げやりな声。――「あとは、よろしく」直後、激しい湯気に包まれ、気がつけば一糸まとわぬ【全裸】の状態で、禍々しい彫刻が施された玉座の間に座っていた!?目の前には顔を林檎のように真っ赤にして絶句する美女秘書官と、魂の抜けた顔の軍師。どうやら傲慢な前魔王が禁忌の召喚術を使い、俺と入れ替わりで現代日本へ逃亡しやがったらしい。ベテラン何でも屋・七転 八起(ななころび やおき)50歳、独身。怒り狂った秘書官に投げつけられた『魔銀の壺』を何でも屋の反射神経でキャッチし、シュールに股間を防衛したおっさんは、なし崩し的に【魔王代行】の座に座らされることに!だが、引き継いだ魔王国は貯金ゼロ、深刻な食糧難という超ブラックなダメ現場だった!「飢えて死ぬか、人間界を侵略するか」の二択を迫られる中、おっさんが頼ったのは――規格外の無自覚な魔力(気合)と、長年培った「何でも屋の現場知識」だった!「油と卵と発酵ワイン……。これ、マヨネーズが作れるな」「伝説の武具? ただの頑丈な規格外パーツだろ。トラクターの部品にするぞ」・主の行動をすべて深読みして涙ぐむ、勘違い超絶イケメン軍師・至高の美容液をプレゼントされてチョロく沼に落ちる、ツンデレ秘書官・上半身は少女で下半身は蜘蛛、鼻血を出しながら妄想を爆走させる使用人お騒がせな魔族の部下たちを「おすわり」「おあずけ」で完璧に飼い慣らし、おっさんの泥臭い職人知識が、魔界の常識を胃袋から次々と塗り替えていく!おっさんは異世界に行ってもおっさん。飯の美味さと大人の商売で世界を骨抜きにする、アットホームな魔王国再建インフラファンタジー、ここに開幕!
文字数 236,211
最終更新日 2026.07.13
登録日 2026.05.24
俺が死んだ時、神は泣かなかった。
事故で命を落とした青年・悠真が死後に出会ったのは、人を救う存在ではなく、死んだ魂を世界へ還すだけの無感情な観測者だった。
神は善でも悪でもない。
人の死も、村が焼かれることも、子供が泣くことも、ただ世界に起きる変化として見ているだけ。
本来なら悠真の魂も消えるはずだった。
だが、悠真の放った一言が、神の中に初めて小さな揺らぎを生む。
「それなら、あんたは誰にも覚えられないんだな」
その言葉に興味を持った神は、悠真を異世界へ転生させる。
ただし、チート能力はない。
魔力もない。
剣の才能もない。
知識無双できる環境もない。
あるのは、前世と変わらない普通の心だけ。
そして神は、美しい人間の姿を作り、リィアと名乗って悠真のそばを歩き始める。
けれど、その神は悠真以外を救わない。
村が襲われても。
奴隷商に人が売られても。
仲間が傷ついても。
理不尽に命が奪われても。
神はただ、悠真だけを見ている。
「私の興味は、お前だけだ」
何の力も持たない悠真は、それでも目の前の誰かを見捨てられない。
救えない。
守れない。
届かない。
何度も失い、何度も神を憎み、何度も自分の無力さに膝をつく。
それでも、彼は立ち上がる。
これは、無力な人間が救われない世界で、それでも誰かの名前を忘れまいと抗う物語。
そして、感情を持たない神が、たった一人の人間と旅をする中で、初めて“友達”を知るまでの物語。
文字数 40,007
最終更新日 2026.07.13
登録日 2026.07.09
語られるたびに“何か”が近づく――。
封じられた恐怖、禁断の百話。
古びた洋館、途絶えた村、忘れられた学校……
語り部たちが集い、次々と語る怪異譚(かいいたん)。
一話、また一話と進むごとに、部屋の明かりがひとつずつ消えていく。
やがて百話目――最後の「最恐の話」が始まるとき、
“本物”が現れるという伝承があった。
そのとき語られるのは「作り話」か「実話」か――
そして語り終えた者たちに待つ運命とは……。
文字数 50,836
最終更新日 2026.07.12
登録日 2025.06.11
外資系コンサルティングファームで「鉄の女」と畏怖されるエリートマネージャー、一ノ瀬遥(28歳・年収1500万)。 完璧なロジックを至上命題として生きてきた彼女は、ある日コンペに敗北し、絶望の淵に立たされる。 泥酔し、夜の街で路地裏に引きずり込まれそうになったところを救ってくれたのは、冴えない二十歳の男子大学生……ではなく、裏で世界の資本を操る天才相場師であり、北欧の巨大投資一族の血を引くバケモノ・佐藤通(トール)だった。
「俺の前では、そんな鎧、いらないでしょ」
その夜を境に、彼女の「無敵のロジック」は彼によって根本から再定義(ハック)されていく。 日中のオフィスでは、彼が裏で操る資本の力を用いて、かつて自分を見下した元恋人や老害役員たちを容赦なく「ざまぁ」し、日本の血流を支配する女王として君臨。 しかしその服の下には『遠隔操作ローター』を仕込まれ、白昼の重要会議中であろうと、大勢の部下の前であろうと、青年の指先一つの操作で絶頂へと突き落とされていく。
自立の象徴だったマンションを勝手に解約され、個人資産も信託に組み込まれて、すべての退路を焼き払われた遥。 さらには彼と同じ時間を生きるため「未承認の遺伝子治療(若返り)」に手を染め、一族の血脈を宿す「永遠の揺り籠(産む機械)」として、心身ともに完全降伏(サレンダー)していく――。
社会の頂点で戦う無敵のエリート女性が、激重な愛と資本の暴力で退路を断たれ、究極の甘やかしの中で「ただの極上の雌」へとメルトダウンしていく、狂おしくも美しい隷属の記録。
「※本編はハッピーエンドです(そのつもりです)」
「※年下スパダリによる激重な溺愛とざまぁが含まれます」
【重複投稿のお知らせ】
本作は「小説家になろう」に以前掲載したものです。すべてトール本人による公式な重複投稿であり、無断転載ではありません。
文字数 25,276
最終更新日 2026.07.12
登録日 2026.07.05
異様な風格(自覚なし)だけを持つ転生者、テス・カイダは考えた。
――今世では村でも作って早めに隠居したい、と。
その資金作りのためにギルドを設立するのだが、
「お名前をうかがっても?」
「テス・カイダだ」
「……で、デス・カイザー様……」
「ぎ、ギルド名は……?」
「――『幸せの森』だな」
「し……死合わせの森……!?」
「あぁ、幸せの森。良い響きだろう?」
風格スキルのデメリットのせいで、知らずのうちに勘違いされてしまう。
さらに、ギルド加入者も死の奴隷商人、元魔王軍幹部の暗黒騎士、妖しい忍に呪いの姉妹と癖のある者ばかり。
やることなすこと全てが勘違いされていくなか、自らを慕うメンバー達はテスの偉大さを世に知らしめようと行動し始めて……?
文字数 79,211
最終更新日 2026.07.13
登録日 2025.12.08
溺愛系ドS秘書×不器用な医学生。 その優しさは愛か、それとも執着か。 孤独を抱えた二人が紡ぐ、ほのぼの&切ない物語。
医学生の朝陽は、かつてアルバイトをしていたアパレルブランド企業・プラセルコーポレーションの社長秘書、六槍から想いを寄せられている。六槍は、献身的な朝陽の優しさに惹かれ、告白した。しかし朝陽は、生まれ育った家庭環境から「幸せな人間関係はいつか壊れるもの」だと信じている。人と深く関わることを恐れ、何事も諦めようとしてしまう朝陽は、六槍の気持ちを受け止められずにいた。
そんな六槍には秘密があった。クレアという星に祖先を持つ「レプ」という種族の末裔であり、人間のエネルギーを取り込まなければ生きていけない存在だった。かつては「鬼」と呼ばれたこともあるという。その秘密を打ち明けられた朝陽は、六槍に信頼されたことを喜び、彼の特別な友人になれたと思っていた。
一方、朝陽自身も大きな問題を抱えていた。親子鑑定によって、自分を育ててくれた父・倉口と血の繋がりがないことが判明したのだ。本当の父親である谷本から面会を求められる。母と兄は対立し、倉口は酒に溺れ、家族は壊れていく。朝陽は深く傷つきながらも、それでも前を向こうとしていた。
そんなある日、六槍に連れられて訪れた占いの館で、朝陽は不思議な予言を受ける。引き当てたタロットカードは「魔術師」。似た人に助けられると言われ、朝陽の前に現れたのは、プラセルコーポレーションの社長・黒崎一貴だった。朝陽はモデルの仕事が決定し、再びプラセルに関わることになった。そこで六槍との距離も少しずつ縮まっていく。
人を愛する資格などないと思っていた六槍は、朝陽と出会い、初めて恋を知る。朝陽もまた、血の繋がりだけではない関係を知る。孤独と秘密を抱えた二人は、本当の意味で心を通わせることができるのか。傷つくことを恐れる医学生と、恋を知らない“鬼”の末裔が紡ぐ、優しく切ないヒューマンラブストーリー。
「鳴弦の天使~あの日に出会った旋律」「森林の星空少年~あの日のメエメエ」「クリスタルアイズ~君に溺れて眠る~」「クロス・クローズ~ほどけない視線~」にも登場しています。
文字数 169,185
最終更新日 2026.07.12
登録日 2026.06.04
トラックから猫を助けて死んだ俺は、『白い部屋の管理者』に、「このままだと『命』が世界を蝕むので、異世界転生して『命』を消費してもらう」と転生させられた。
転生特典として、魔物を殺すと魔素を奪いレベルアップするチート能力をもらい、レベルアップのないリアル世界で無双する予定が、レベルアップで得た身体能力の異常さから、この世界にはいないはずの『魔王』と呼ばれて手配されてしまう。
レベルアップの副作用か誤動作か、二人のケモ耳娘を子育てしながら、住む場所を開拓しつつ、のんびりスローライフ満喫のはずが、『魔王』として、異世界は許してくれなかった。
【読んで騙されたにならないために】
・転生した異世界は、魔物はいますが、(主人公以外に)レベルアップ・(「人」の)魔法・冒険者ギルドなどはなく、よくあるゲームっぽい世界観ではありません(それを転生特典のレベルアップとその副作用?で、どう切り開いていくか、という展開です)
・エルフや獣人族などは滅亡していて基本いるのは、「人」か「(野生動物もすべて)魔物」です(なのに、ケモ耳の娘たちができます)
「魔王国滅亡編」「神と魔王編」に続く「魔王戦編(仮」は現在、連載中です。
連載中は、短時間で読める文書量で公開された後、誤字脱字修正や辻褄合わせが行われて、合成された1話分にタイトルをつけ再公開されます。
物語の細部は連載時と変わることが多いので、二度三度と読むのが通です。
(伏線・設定に関する修正がされた際には「r(Revision)」を付記するようにしました)
お気に入り登録していただける、と連載更新の通知が行って、意外とウザいかもしれません。
表紙イラストは、AI作成です。
(アニメ調 狐耳 銀髪 長髪 幼女 一人 ファンタジー 赤目 服が中世の村娘で白基調)
「中身は男子高校生が全寮制女子魔法学園初等部に入学した」エンディングD
文字数 261,188
最終更新日 2026.07.13
登録日 2021.08.31
FPSゲームとアニメ、推し活だけを心の支えに生きていた、少し人付き合いが苦手なオタク女子高生・時任昇華。
ある日、事故に遭った彼女は、魔法と信仰が息づく異世界で、名門貴族の令嬢・クロノ・ソーカとして転生する。
貴族なら魔法が使えて当たり前、学院では魔法と信仰、礼儀作法を学ぶのが当然。だが、クロノには致命的な問題があった。
『魔法がまったく使えない』
頼れるのは、前世で知っている物を呼び出せる謎の力、|限界具現《ゲンカイ・マテリアライズ》だけ。
現代アイテムを魔法に見せかけ、今日も必死に学院生活を乗り切るクロノ。けれど、ごまかせばごまかすほど、周囲の勘違いはどこまでも加速していく。
ただし、限界具現も万能ではない。呼び出せるのは前世で詳しく知っているものだけ。使える回数にも限りがあり、失敗すれば魔法を使えないことが露見する危険もある。
それでもクロノは、ライターやプラネタリウムのような平和なものから、閃光手榴弾や火炎放射器のような物騒すぎるものまで、あらゆる現代アイテムを駆使して窮地を切り抜けていく。
ただ必死にごまかしてきただけなのに、いつの間にか「魔法の天才」「女神の奇跡」「聖女の再来」と呼ばれる始末。
……ほんっと、なんでこうなったのよ!
すごいのは私じゃなくて、地球の文明なのに!
最初は、自分の秘密を隠すためだけだった。
けれど、弟マークやクセの強い同級生たちと、勘違いだらけの騒動を乗り越えるうちに、クロノは少しずつ変わっていく。
前世では得られなかった友達ができ、同級生たちとの絆も深まっていく。魔法が使えない自分でも、誰かの力になれるのだと知っていく。
だが、栄都を揺るがす大事件で、クロノは人々の前で限界具現を使ってしまう。
その日を境に、クロノが呼び出す道具は女神の“祭具”と崇められ、彼女は“祭具の聖女”と呼ばれるようになる。
しかし、その噂が法国西方の聖都――国の信仰を司る大神殿へ届いた時、彼女に与えられた呼び名は、まったく別のものだった。
――“災具の魔女”。
魔法が使えない転生令嬢が、オタク知識と現代アイテムで今日も必死にごまかす!
これは、信仰と勘違いに振り回される世界で、魔法ゼロの令嬢が自分の居場所を探していく、勘違い異世界ファンタジー。
文字数 175,312
最終更新日 2026.07.13
登録日 2026.06.13
宇宙を漂う民間旅行船、ピア・オデッセイ号。救援物資を待つ船で、主人公の長尾玖真(ナガオ キュウマ)は一人きり、毎日船のメンテナンスを行っていた。
食糧事情から、他の乗員達は全員コールドスリープしている。
船で3年半の月日を過ごした長尾が、もう半年で地球に戻れるという頃、劣悪な通信環境と情報規制の中で毎日コツコツ進めていたゲーム『ロボティクスワールド』のサービス終了のメールが届く。
地球に戻ればようやく俺も人並みにロボワ(※ロボティクスワールドの略)ができると思っていたのに。
俺だって、他の奴みたいに、ロボワでチーム組んで仲間とロボットバトルがやりたかったのに。
それだけを楽しみに過ごしていたのに……。
失意の底に沈む長尾に、船の管理AIであるピアリスは4年前への回帰を提案する。
「シミュレーションによりますと、長尾様が取得なさったゲーム情報により歴史改変が行われる可能性は0.001%以下です」
ロボワが4年で終わるゲームだって構わない。
その間、今までできなかったパーティープレイやPvP、ギルド戦も思いっきり楽しむぞ!
目指すはロボティクスワールドチャンピオンシップの優勝だ!
意気込む長尾の周りには個性派プレイヤーがいつの間にやら集まって、みんなで力を合わせてステージ攻略、巨大な敵に挑むボスバトル戦、息もつかせぬハイスピードPvP、夢中で仲間達と戦場を駆け抜けるうち、少しずつ現実は長尾の知る未来とはズレてきて……。
なあピアリス。
お前の計算にはどの程度バタフライエフェクトってのが含まれてたんだ?
お前の言った0.001%以下ってのを、俺は信じていいんだよな……?
「ご安心ください、長尾さん。私はずっと、長尾さんの側にいますから」
レーザー砲大好き主人公が、縦横無尽に焼き尽くす。
疾風怒濤の鮮烈ロボバトルアクションSF、いざ開幕!!
文字数 110,170
最終更新日 2026.07.13
登録日 2026.06.02
最強すぎる力を持ちながら、それを「普通」だと信じて疑わない第一王子ナイツ・アルヴェリア。
全属性魔法、精霊魔法、治癒魔法――そして転移魔法すら扱う彼は、その規格外の力ゆえに周囲から恐れられ、ついには王国から追放されてしまう。
「静かに暮らしたいだけなんだけどな……」
そうして辿り着いたのは、辺境の小さな村。
そこで出会ったのは、彼を“普通の人”として扱う少女リリアだった。
穏やかな日常、少しずつ築かれる人との繋がり。
だがその裏で、王国の陰謀と魔王軍の影が静かに動き出していた――。
これは、無自覚最強の王子が“平穏”を求めながらも、家族と仲間を守るために戦う物語。
文字数 101,087
最終更新日 2026.07.12
登録日 2026.05.04
人類が環境汚染で住めなくしてしまった地球、その地球を捨ててから、百年あまりの年月が過ぎた。宇宙船団“バース・テラ”で生まれ育った遺伝学者アリス・メグレンは、人工生態系しか知らない世代の一人。彼女は、祖母から聞いた“緑の地球”の印象に強く惹かれ、本物の自然環境を求めて地球調査隊に志願する。環境汚染されて死の星となったはずの地球だが、アリスにとって地球はいつも神話のような存在だったからだ。 地球調査隊には、生態工学者のジョン・ハーツ、護衛官のミラン・エヴァンス、AI分析官のオルガ・ゴーツなどが参加し地球へ降下する。しかし、帰還した地球の自然環境は予想を裏切る姿を見せ、調査中、アリスたちは地球を支配するヒューマノイドと遭遇する。彼らは人類の遺伝子を基にAIが創り出した地球適応型生命体であり、独自の進化をしていた。ヒューマノイドたちは地球を統括する中枢AI〈ガイア・コア〉の命令を絶対とする存在でもあった。アリスたち調査隊はヒューマノイド社会への受け入れを拒まれ、地球での居場所をなくす。この物語は、地球へ帰還した人類の子孫が受け入れられるために努力する様子を描く話です。
文字数 7,828
最終更新日 2026.07.13
登録日 2026.06.30
ここは居酒屋「むすび屋」。
変哲のない、よくある居酒屋だ。
きり盛りするのは、女亭主と、若い娘の二人。
女亭主は三十路くらいか。年増と言っていいが、独り身らしい。名をおえんと言う。
顔立ちが整っており、言い寄る男の一人ふたりいてもおかしくないのだが、浮いた気配はなさそうだ。
それもそのはず、なにせ気性が荒いのである。
蓮っ葉とはおえんのためにあつらえた言葉と思うほどで、口が悪い、あしらいが雑。手が離せないときは、銚子の片付けを客にやらせるほどである。もちろん酌なんてするはずもない。
こんな店では、とっとと客が離れていきそうなものだが、妙に賑わっている。
おえんの啖呵がくせになると言うものもあれば、料理が案外悪くないんだと言うものもいる。
そう。むすび屋の料理は、たしかに旨いのだ。手がこんでいるというより、心がこもっている。決まった料理帳はなく、おえんの気まぐれ次第。頼めば茶漬けくらい出してもくれる。
ただ、唯一出さないのが握り飯だ。
なによりたやすい料理のはずだが、「そんな面倒なことやってられるかい」と頑として出してはくれない。
そんな偏屈な店のくせに、今日も客が訪れる。
おえんの口の悪さも、奥底に人の良さが見え隠れする。すべては照れ隠しの裏返しだと、常連は分かっているのだ。
おえんを手伝う娘、おはるの手助けも大きい。ちょこまかとよく動き、目端が利く。愛嬌よくころころ笑い、客をまぁまぁとなだめる。その塩梅がちょうどいいのだ。
おはるが店を手伝うようになってから、結び屋の客が増えたともっぱらの噂だ。
むすび屋の客は、いろいろだ。
風呂上がりのご隠居もいるし、身分を隠しているような二本差がいれば、泣きながら酒を飲む身重の女もいる。
誰かに連れられて訪れることもあれば、ふらりと入る一見もいる。
どうしてこの店に来たのか、と尋ねると、「さぁどうしてだろうねぇ」と誰もが口をそろえる。まるで手招きされたように、つい暖簾をくぐってしまうのだ。
多くの客に通じるのは、「会いたい人」がいること。いまや会えない、「この世から旅立たった人」。
不思議なことに、その願いはいつしか叶っているようでもある。
当人に尋ねても、はぐらかされるか、要を得ない言葉を返すばかり。
むすび屋に関わりがあるようだが、それについて確かな答えを述べる人は誰もいない……
文字数 8,155
最終更新日 2026.07.12
登録日 2026.07.05
医薬品卸会社で在庫管理を担当する明日葉護(30)は、終わりの見えない棚卸と返品処理、急配対応に追われる毎日を送っていた。自分のことは後回し。寝る時間も食べる時間も惜しんで働き続ける、絵に描いたような社畜だった。
そんな職場に、一人の新人社員・亜笠誠一郎(25)が配属される。
仕事は完璧、容姿端麗。しかし、なぜか明日葉にだけ異常なほど世話を焼き、無茶な働き方を見れば本気で怒る、不思議な男だった。
明日葉はまだ知らない。
この新人が、一年前から自分に恋をしていたことを。
そして、この出会いが、止まっていた自分の人生を少しずつ動かしていくことをーーーー
押しかけ女房世話焼き攻(年下)×自己肯定感低め天然社畜受(年上)の泣いて笑ってドタバタBLコメディです。仕事描写多め、全年齢向けですが下ネタありますのでご注意ください。何度も言いますが、BLコメディです。最初から最後までドタバタしています。第一章全十話予定。カクヨム、小説家になろうでも公開中。
文字数 73,790
最終更新日 2026.07.13
登録日 2026.06.30
倒叙形式ミステリー:犯行シーンから始まる、追い詰め型の快感
「文字は人を殺す。読み書きができることは一生隠せ」
没落した下級官吏の父が遺した呪いのような言葉を守り、漣(れん)は後宮の片隅にある「遺棄書庫」で、無知で無害な下女を演じていた。
しかし、そんな彼女の正体を見抜いたのは、後宮の秩序を司る監察官・公孫(こうそん)だった。
慈悲深い聖人のような貌(かお)の下に、底なしの野心と毒を隠し持つ公孫。
彼は、漣の圧倒的な事務処理能力と「記録の矛盾」を見抜く観察眼を、自らの出世のための「道具」として利用しようと画策する。
「君の頭脳を私に貸せ。代わりに、君が何より欲しがるものを用意する」
拒否権のない契約。こうして、後宮で起きる数々の醜聞を「片付ける」二人の共犯関係が始まった。
アリバイを作る妃、存在しない花瓶で人を殺める侍女――。
犯人たちが完璧に仕立て上げたはずの謎は、漣の知恵の前に、無残にも瓦解していく。
お互いに相手を「腹黒い」と罵り合いながら、二人はやがて、漣の父を死に追いやった後宮最大の禁忌へと近づいていくことになる。
知略と毒舌が交錯する、本格中華後宮ミステリ、開幕。
文字数 74,951
最終更新日 2026.07.13
登録日 2026.04.26
『あんたの音は安っぽくて不快だ』
――女慣れした微笑は、初対面の少女に一刀両断された。
歳の市で賑わう江戸の街。
試衛館の若き剣客・藤堂平助が出会ったのは、三味線屋「弦月屋」の頑固な次女・鈴音。
誰にでも甘いマスクで上手く立ち回ってきた平助だったが、鈴音にだけは「耳に障る」と一蹴されてしまう。
最悪の出会いを果たし、最初は反発ばかりの二人。
けれど、鈴音の飾らない真っ直ぐな瞳に触れるうち、平助の心にはいつしか、これまで知らなかった本気の感情が芽生え始め……。
少しずつ縮まっていく、もどかしくも甘酸っぱい距離。
幕末の動乱に巻き込まれる初恋の行方は――。
新選組・藤堂平助のもう一つの青春奇譚。
文字数 225,057
最終更新日 2026.07.13
登録日 2026.02.05