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第9回ライト文芸大賞 参加作品
世の中には、「父親になること」が当たり前のように語られる。
家族を守り、子どもを愛し、立派に振る舞う存在――それが理想とされている。
だがもし、自分がその“理想の父親”になれなかったとしたら?
本作は、「父になれない」と苦しみ続けた一人の男、山下徹の物語である。
結婚を機に妻の実家での同居生活を始め、二人の娘を育てながら働く徹。
周囲から見れば、どこにでもいる普通の父親。
だがその内側では、誰にも言えない葛藤と孤独が静かに積み重なっていた。
子育てが苦しい。
家族を愛しているのに、心がついていかない。
理想の父親像に追いつけない自分に、嫌悪と罪悪感を抱き続ける日々。
それでも徹は、働き、耐え、笑い、「良い父親」を演じ続ける。
誰にも弱音を吐けないまま、心は少しずつ壊れていく。
やがて訪れる限界。
怒り、不安、絶望、そして――死。
すべてを終わらせようとしたその夜、彼を引き止めたのは、ほんの些細な「家族の声」だった。
本作は、ただの感動物語ではない。
理想と現実の間で引き裂かれ、何度も壊れかけながら、それでも生きることを選び続けた男の、あまりにもリアルな記録である。
「父親とは何か」
「家族とは何か」
そして、「自分とは何者なのか」
その問いに、明確な答えは提示されない。
だが読み終えたとき、きっとあなたの中にも、静かな変化が訪れるだろう。
完璧でなくていい。
強くなくていい。
それでも人は、誰かにとってかけがえのない存在になれる。
この物語は、苦しみを抱えながら生きるすべての人へ贈る、
不器用で、それでも確かな「再生」の物語である。
――あなたはきっと、この男を他人事だとは思えない。
文字数 54,275
最終更新日 2024.05.01
登録日 2024.04.08
「間違いだったのか、それとも――まだ間に合うのか。」
夢を追いかけるということは、何かを手に入れることではない。
それは同時に、何かを失っていくことでもある――。
かつて、何も持たなかった五人は、ただ音楽が好きだという理由だけで集まり、「another5」というバンドを結成した。小さなライブハウス、わずかな観客、思うようにいかない日々。それでも彼らは信じていた。いつか、この五人で大きなステージに立つと。
しかし、十年という時間は、夢と現実の境界線を容赦なく浮き彫りにする。
圧倒的な才能を持つベーシスト・梨々香は、成功への扉を開き、人気ガールズバンド「チェリープラネット」へ。
ボーカルの直斗もまた、大手事務所スターミュージックに見出され、華やかな世界へと足を踏み入れる。
それは、彼らが望んだ“成功”のはずだった。
だが――。
スポットライトの中心に立ちながら、胸の奥に残り続ける違和感。
数万人の歓声の中でさえ埋まらない、たった四人分の空白。
「楽しくない」
その一言が、すべてを壊し、そして動かし始める。
選ばなかった道。
置いてきた仲間。
言えなかった想い。
それぞれが別々の場所で“正解”を掴みかけたとき、彼らはようやく気づく。
本当に欲しかったものは、成功そのものではなかったのだと。
ぶつかり、すれ違い、離れ離れになった五人が、もう一度同じ場所に立つために選んだ道は――あまりにも不器用で、あまりにも真っ直ぐだった。
「一度きりの人生だ。やりたいことのために生きろ」
その言葉を胸に、彼らはもう一度、音を鳴らす。
これは、夢を叶える物語ではない。
夢の“意味”を取り戻す物語だ。
もし、あの時違う選択をしていたら。
そんな“もう一つの人生”を胸に抱えながら、それでも前へ進むすべての人へ。
胸の奥にしまっていた何かが、きっと音を立てて動き出す。
文字数 55,145
最終更新日 2025.02.13
登録日 2025.02.08
「その夜、俺は“ちゃんと生きる”のをやめた。」 全話書き換え完了!
眠れない夜は、誰にでもある。
けれど、その夜が――人生を変えてしまうことがあると、あなたは知っているだろうか。
三十歳を目前に控えた男、佐藤正樹。
ラーメン屋での過酷な労働、理不尽な叱責、積み重なる失敗。
気がつけば彼は、自分の人生を“やり過ごすだけのもの”にしていた。
何も望まず、何も選ばず、ただ今日を終わらせるために生きる日々。
そんなある夏の夜、彼は眠れずに部屋を飛び出す。
行き先のない散歩。
意味のない時間。
――そのはずだった。
だが、真夜中の街で出会ったのは、“どこかおかしな人たち”だった。
常識を軽々と踏み越え、自分の欲に忠実に生きる男。
心に嘘をつくなと、乱暴に真実を叩きつけてくる女。
日常を“戦場”と呼び、狂気じみた熱で仕事に没頭する店員。
彼らは皆、どこか壊れている。
けれど同時に、誰よりも“自分の人生を生きている”。
その異質な出会いは、正樹の心に小さな火を灯していく。
ずっと押し殺してきた本音。
ずっと見ないふりをしてきた違和感。
ずっと諦めていた“自分自身”。
――お前は、本当にそれでいいのか?
問いかけるのは、他人ではない。
彼自身の心だった。
そして迎える、決定的な朝。
恐怖に縛られていた男が、初めて“自分の意思”で選択をする瞬間。
それは決して、正しくも美しくもない。
誰かに褒められるような行動でもない。
それでも彼は、確かに一歩を踏み出す。
誰のためでもない。
評価のためでもない。
ただ、“自分の人生”を取り戻すために。
これは、特別な才能を持たない男が、
ほんの一晩で“生き方”を変えていく物語。
そしてきっと、読み終えたとき、あなたも気づくはずだ。
人生は、いつだって変えられる。
それは大きな決断じゃなくてもいい。
たった一度、“自分の心に従う”だけでいいのだと。
――さあ、真夜中へ出よう。
少しだけ変な人たちが、あなたを待っている。
文字数 15,131
最終更新日 2025.05.04
登録日 2025.04.30
もうすぐ、夏休みを迎えようとする時期。
神鳥谷高校の一年生、庭山徹は、学業に部活にも何一つ没頭することのなく、ただ漠然と学校と家との往復する日々を過ごしていた。
そんなある日、クラスメイトの相馬貴美子から話しかけられ、放課後此処に来てほしいとメモを渡される。
ろくに話もした事もない彼女から誘いの話を受け、少し淡い期待をしてその場所に向かった先は、美術部の名を借りたTRPG同好会だった。
TRPGがまだこれ程知られていなかった頃に、体験した事を少し含めて、ゲームの面白さと楽しさを少しでも味わえたらと思っております。
文字数 26,982
最終更新日 2019.11.10
登録日 2019.11.04
サークル「笑かせ屋」で活動する大学生、高野陽(ヨウ)が主人公。
ヘアサロンを訪れ、ヘアスタイリストの霧島すみれと出会う。
彼女は、不運な事故で両親を亡くし、心の底から笑うことができなくなってしまった。ヨウは、あの手この手でスミレの笑顔を取り戻そうと尽くすが、なかなかうまくいかない。
スミレの年齢逆行現象、家出娘とスミレの共同生活などを経て、ついに彼女は微笑みを取り戻す。その先には、小さな奇跡が。
ほんとうに心から笑える、とはどういうことか?
If you don't cry, you can't smile.
泣かなければ、笑えない。
ヨウとスミレがそれを身をもって体験し、愛を育んでいく物語です。
※表紙画像は、niji・journey で作成しました。
文字数 100,092
最終更新日 2025.04.27
登録日 2025.04.27
何でもない毎日に投げ込まれた、折り畳まれた誰かの想い。それはイタズラか間違いか。
・・・私に向けられた、それは何と呼べば良いのだろう。
文字数 15,678
最終更新日 2021.06.28
登録日 2020.12.31
文字数 200,683
最終更新日 2025.12.25
登録日 2025.08.16
伝統あるカトリック男子校にかつて掲げられた美しい少女の絵にまつわる学校怪談。
学校の卒業生であり、今は教頭を務める小林が、日展にも入賞した絵に隠された秘密を、絵のモデルとなった同級生に導かれてたどり着く物語。
登録日 2026.04.08
ナズナが主人公の物語。少女は何故売春に手を染め、孤独になり、仲間を裏切ったのか_逝き場所をさがしての裏側のサイドストーリー。(多少の性描写ありです)
文字数 8,566
最終更新日 2026.03.26
登録日 2026.03.13
生まれつき生きたい人間ばかりとは限らない。生まれつき死にたい人間も居るのだ。そんな恋人を持ってしまった僕の話。
文字数 1,835
最終更新日 2024.10.19
登録日 2024.10.19
文字数 30,884
最終更新日 2025.04.13
登録日 2025.04.13
碧色(へきいろ)。それは表面は澄んでいながら最奥までは見通すことのできない深い碧。毎日のように級友たちと顔を合わせているにも拘わらず、気心の知れた友達ですら、その心の奥底までは見透かすことができない。でも一瞬だけ、ほんの一瞬だけ、それは深海の底から沸き上がる気泡のように目視できることがある。主人公わたしは電車内で不意に唇を奪われた。それも同じ学校の女生徒に。彼女の名前は瀬名舞子。今日転校してきたばかりの同級生。それ以後、わたしの受験生としての日常は彼女に翻弄されることになる。碧春(へきしゅん)。それはきらめく青春の断片。碧春。それは誰もが抱く永遠の思い出の欠片。
文字数 26,950
最終更新日 2022.07.09
登録日 2022.06.27
新生活のはじまりとともに、中学生になる娘・夏音は、伝統あるバスケ部で「ショートカット」にしなければいけないプレッシャーに揺れていた。
自分らしさの象徴であるロングヘアを守りたい気持ちと、部活に懸ける想い。その間で悩む娘を見守る母・瑞希もまた、かつて部活で髪を切った経験を胸に葛藤していた。
やがて瑞希は、自らショートカットにし、娘へ覚悟とエールを託すことを決意する。親子の想いが重なり合い、やがて新しい春、新しい自分へと一歩を踏み出す――。
母と娘、そして理容師の青年・湊人が織りなす、優しさと成長の物語。
髪を切ることで生まれる小さな勇気と、家族の絆を描くハートフル・ロングストーリー。
文字数 21,450
最終更新日 2025.11.30
登録日 2025.11.23
駅前の小さなたこ焼き屋「まる福」。
鉄道好きの女性・りん(25歳)は、ひょんな出会いから店で働き始め、やがて店長を任されることになった。
灼熱の鉄板の前で奮闘するのは、彼女と十人のアルバイトの女の子たち。
汗と熱気に追われる中、高校生のひとことから飛び出した「丸坊主にしたら涼しいのでは?」という冗談が、やがて全員の本気の決意に変わっていく。
床屋「理容ミヤザキ」で響くバリカンの唸り、蒸しタオルの温もり、剃刀の静かな呼吸。
長い髪が床に降り積もるたびに、彼女たちの迷いは消え、丸刈りやスキンヘッドへと変わっていく。
“清潔宣言”を掲げてスキンヘッドで立つ十人の女子店員と店長。
その姿はSNSで拡散され、行列は絶えず、売上は全国一位を記録。
だが本当に変わったのは、数字ではなく――自分で選んだ姿で働く勇気だった。
髪を落とす過程を通じて描かれる、友情・努力・成長の物語。
ソースの香りと鉄板の熱気の中で、光る頭たちが照らし出すのは、働くことの誇りと未来への希望。
文字数 13,912
最終更新日 2025.12.13
登録日 2025.12.07
幼い頃から伸ばし続けてきた長い髪は、主人公・渡辺遥にとって大切な宝物だった。亡き父との思い出が詰まったその髪は、いわば彼女の“分身”のような存在。しかし、ある日突然、校則を巡る行き過ぎた指導によって強制的に切り落とされる。
自分の一部を奪われた喪失感と、周囲の視線に苦しみながらも、遥は「髪を失っても自分であり続ける」という新たな一歩を踏み出す決断をする。そして、仲間たちの思いやりや支えが、彼女の心を少しずつ癒やしていく。
「髪」はただの外見的な要素ではなく、時には思い出やアイデンティティを宿す特別な存在――本作は、髪を失うことから始まる少女の喪失と再生の物語であり、理不尽な環境の中でも揺るがない自分自身の尊厳や強さを描いた青春小説である。
文字数 29,850
最終更新日 2025.10.05
登録日 2025.10.05
不倫の果てにすべてを失った女子大生・咲良(さくら)。
彼女を待っていたのは、愛した男・優人(ゆうと)の妻から突きつけられた理不尽な選択——「300万円を払うか、頭を丸めるか」。
逃げ場を失った咲良は、自らの罪を償うために髪を剃ることを決意する。
鋏の音、バリカンの振動、剃刀が頭皮を滑る感触——
髪を失うことで、彼女は”女”であることさえも奪われていく。
それでも咲良はその罰を受け入れる。
喪失の果てに見えた新しい自分の姿——
そして、すべてを失った彼女が最後に手にした”再生”とは——
罪と罰、そして赦しを描いた、衝撃と感動の物語。
文字数 10,540
最終更新日 2025.09.29
登録日 2025.09.29
10年ぶりに再会した幼なじみの美咲と玲奈。
同窓会での再会をきっかけに、二人は手紙のやり取りを始める。
美咲は仕事に追われる日々の中で「自分らしさ」を見失い、玲奈は過去の結婚生活で「普通の女性であること」を求められていた。
そんな中、玲奈が髪を剃ったことを打ち明けたことで、美咲は自分自身と向き合い始める。
「本当の自分に戻るために」
「新しい自分になるために」
髪を剃るという選択を通じて、二人は自分自身を取り戻していく。
やがて、互いの髪を剃り合うことで深まっていく絆。
——髪を手放した時、
彼女たちは「素のままの自分」になれるのか?
坊主になることが「特別」なのではない。
互いを受け入れ、支え合うことで「本当の自分」になる物語。
「どんな姿でも、私たちは私たちだから——」
剃ることで始まる、ふたりの再生の物語。
文字数 10,894
最終更新日 2025.08.18
登録日 2025.08.18
広告代理店で「美しさ」を武器に成功していた彩夏(あやか)は、自分が評価される理由が外見だけであることに苦しみ、虚しさを感じていた。そんなある日、彩夏はこれまでの自分を捨て去る決意を固め、長かった髪をバリカンでスポーツ刈りにする。美しさを手放したことで、本当の自分を見つけようと模索し始める彩夏。新たに介護助手として働き始めた彼女は、患者との触れ合いを通じて「見た目」ではなく「心」で人と向き合うことの意味を知っていく——。髪を刈り取り、人生をリセットした彩夏が、新しい自分と未来を切り開いていく再生の物語。
文字数 10,865
最終更新日 2025.04.30
登録日 2025.04.30
都会の喧騒に疲れ、自分の生き方に疑問を感じた28歳のOL・沙織。偶然訪れた山間の修道院で「剃髪の儀式」を目撃し、その衝撃をきっかけに彼女は修道院での生活を決意する。髪を剃り、世俗を断ち切った沙織は、静かな祈りと労働の日々の中で自分自身を見つけ出していく。しかし、かつての友人から届いた手紙が彼女の心を揺らし、再び過去との葛藤が生まれる。迷いを越えて成長し、やがて新たな志願者を導く立場となった沙織の心には、神への感謝と深い平安が満ちていく。自分自身を見つけ、新たな人生を歩む女性の静かな再生の物語。
プロローグから終章まで、繊細な心理描写と丁寧な情景描写で紡がれた感動のヒューマンドラマ。
文字数 15,877
最終更新日 2025.04.30
登録日 2025.04.30
バスケットボール部の厳しい規則により、髪を短く切ることを強いられる少女たち。
「勝利のため」という名のもとで繰り返されるバリカンの音が、彼女たちの心を徐々に追いつめていく。
髪が失われるたびに湧き上がる葛藤と喪失感、そして揺れ動くアイデンティティ。
それでもチームメイトとともに大会を目指して走り続ける中で、彼女たちは何を守り、何を捨てるのか。
“切る”という行為を通して浮かび上がる、少女たちの強さと儚さを描く物語。
文字数 12,372
最終更新日 2025.04.30
登録日 2025.04.30
成人式を迎え、過去の自分との決別としてロングヘアを手に入れたゆめは、やがて愛する人・真野と新たな家族を築く決意をします。母となるために髪をスキンヘッドにし、新しい命と向き合うことで、彼女は自分の強さと愛情の深さに気づき始める。初めての育児に奮闘しながらも、夫と共に絆を深め、親としての成長を感じる日々。家族の温かさや愛情に満ちた新しい生活を通して、ゆめは「母」として、そして「自分」として生きることの意味を再発見していく。
文字数 11,530
最終更新日 2024.11.21
登録日 2024.11.21
人気バラエティ番組「最後のスタイルチェンジ」は、美とプライドをかけた熾烈なバトルが展開される。10人の女性が集い、挑戦と敗北を経て、運命のルーレットによって髪を失う罰を受ける過酷な試練が彼女たちを待ち受ける。ロングヘアを守り抜いた勝者と、スキンヘッドとなっても新たな強さを手に入れた敗者たち。外見の美しさと心の強さ、その本当の意味を見つめ直す彼女たちの姿を描く。敗者が味わう屈辱の中で、新しい自分を見つけるまでの過程と、それぞれの人生が新たに始まる瞬間を捉えた物語。
文字数 17,029
最終更新日 2025.03.11
登録日 2025.03.11
古びた商店街の一角にある、小さな床屋「高橋」。目立たないその場所に、さまざまな想いを抱えた女性たちが静かに足を運ぶ。恋人との別れを乗り越えるため、スポーツのために強くなるため、親の期待から解放されるため、人生をリセットするため、そして自分のために生きるため——。それぞれの人生の岐路に立つ彼女たちは、髪を切ることで新しい一歩を踏み出そうとしていた。店主の高橋は、彼女たちの想いを静かに受け止め、一房一房を切り落としながら、その心の重荷を解き放っていく。小さな床屋を舞台に、髪に込められた人々の人生の断片を描く心温まる連作短編小説。
文字数 15,714
最終更新日 2025.02.06
登録日 2025.02.06