小説一覧
23841
親から抑圧されて育ってきた菜緒は、親にお見合いをさせられ二十歳の時に夫となる紘一と結婚する。良き妻になろうと、年上の夫に従いそれなりに幸せな結婚生活を送っていたが、ある日紘一が初恋の相手と再会して全てが変わり始める。
紘一は初恋の人に夢中になり、妻に対しては嫌悪感を表し暴言をはくようになってしまった。
追い詰められた菜緒は藁にも縋る思いで疎遠になっていたいとこの望のもとを訪ねるのだった。彼はかつて己の養父母の会社を倒産させ一家離散させたという恐ろしい過去を持つ。突然訪ねてきて夫の相手の素性を調べたいと言う菜緒に対し、望は怒りをあらわにして「つまらない奴になった」と罵るが、それと同時にとある提案をしてきた。
「夫が好き勝手やっているなら、お前も好きなことをして過ごせばいい」
望の言葉に目が覚めた菜緒は、彼の手助けを受けつつ「やりたかったこと」を始めてみる。すると夫への執着が薄れ、菜緒の日々は忘れていた輝きを取り戻し始める。
すると今度は逆に紘一が菜緒に対し嫌がらせのような執着をみせるようになり――――。
文字数 89,171
最終更新日 2025.12.09
登録日 2025.11.07
23842
麻薬カルテルの支配する、スラム街。そこでギャングとして生きる少年は一人の少女に恋をする。
恋する二人はいかにして、永遠の愛を手に入れたのか。
残酷な描写があります。
エロスティックな描写があります。
ボーイズラブの要素が少しあります
文字数 43,863
最終更新日 2025.12.09
登録日 2025.11.11
23843
ジュルメーヌ・アシュクロフトは死に戻った。
目の前には、憎い父親。その愛人と異母妹。
『前』のジュルメーヌを火刑に追い込んだ奴らだ。
食べちゃいまーす。
という話。
食人描写があるので気をつけてください。
文字数 5,719
最終更新日 2025.12.09
登録日 2025.12.09
23844
名門アーデルハイト伯爵家の長女として生まれたレティシアには、父母と兄がいる幸せな家庭と、未来を誓い合った婚約者がいた。
だがある雨の夜、父が連れてきた小さな少女――異母妹ラヴィニアの登場で、すべてが狂い始める。
泣けば誰もが味方をする妹は、被害者になることを武器に、家族の愛情も、友人の信頼も、そしてレティシアの婚約者までも奪っていった。
そしてレティシアは新しい婚約者と結婚し、辺境の土地で愛を育む。
だがそこに、夫に家を追い出されすべてを失った異母妹ラヴィニアが訪ねてきて…!?
文字数 15,077
最終更新日 2025.12.09
登録日 2025.12.09
23845
23846
23847
文字数 172,943
最終更新日 2025.12.09
登録日 2021.03.28
23848
文字数 1,473
最終更新日 2025.12.09
登録日 2025.12.09
23849
高飛車な侯爵令嬢は、平民ながらも戦果を挙げ、陛下より爵位と領地を賜った、国の英雄である王宮騎士団長に、自分が好きならと課題を与える。そんな二人の物語。
文字数 78,800
最終更新日 2025.12.09
登録日 2025.11.26
23850
三話目からずっとエロです。物語とかありません。皇帝に捕まった妖精がね。捕まってしまったらね。されることと言えば、ね。
紫狂・人間の皇帝。おじさん。ガチムチ。攻め。
リーチェスジア・387歳。少年サイズ。妖精たちの帝。受け。
連れ去り、くすぐり、挿入、いかがわしい薬、連続絶頂、風呂場で~、野外で~、人前での羞恥プレイ、恥ずかしい服を着せられる、甘噛み、無理矢理、乳首攻め、犬(?)。
ハッピーエンドかはどうかは人に寄りますが、不穏Endではありません。
フィクションです。現実の宝石や花とは関係ないです。そこんとこどうぞよろしく。
文字数 44,799
最終更新日 2025.12.09
登録日 2025.12.01
23851
ワンコと姫のアイドルBL
物語の進行に伴い、R15→18に変更しました
【作品概要】
アイドルグループ「イグナイト」の最年長・チカは、完璧主義のボーカリスト。グループの礎を自分が築いたという自負と、後から加入してリーダーの座を事実上奪ったトキへの嫉妬と敵意を抱えたまま、デビューショーケースを迎えようとしていた。
喉を潰し、孤立し、それでもプライドを捨てられないチカの前に、トキは何度でも現れる——眩しい笑顔で、そして時折、誰にも見せない獣の顔で。
「俺は、お前が欲しいと思ってしまったんだ」
不純な動機を抱えて隣に立った男と、誰よりも孤高で脆い「姫」が、傷つけ合いながらも同じ夢を追う——アイドル業界を舞台にした、泥臭くて甘い、執着の恋愛譚。
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ジャンル:BL / アイドル / 現代ドラマ
キーワード:すれ違い / 執着 / 秘密の関係 / 完璧主義 / 一目惚れ
※イラストはいずれもAIを使用して作成しています
※校正にAIを使用しています
文字数 116,965
最終更新日 2025.12.09
登録日 2025.10.24
23852
【GAME原魔勇】
人類繁栄の地の原大陸、人類が襲いくる魔物共と戦い進出した新天地である勇大陸、そして未知の不浄なる地の魔大陸。
三つの大陸から成るこの広大な世界を舞台に、今またあの勇者英雄たちの伝説が、VR化リメイクをされて動き出す。
とある日の深夜、とある男の自宅の寝室であらぬバグが起きる。
寝落ちするほど熱心にプレイしていた新作GAME原魔勇。そのゲームの味方プレイアブルキャラクターの中でも最弱王ヂと称されるメイヂ国の第九王子ことカール・ロビンゾン。
そいつをメインキャラとして強制操作することになってしまった、一介のVRゲーム好きのプレイヤーである俺は、やってくる度重なる苦労・苦境・そして死闘に、諦めかけるが諦めない。
たとえ毒殺されそうになっても、たとえ仲間たちに忌み嫌われても、たとえ魔族に操られても、たとえ隣人のその強さに嫉妬しても。
最悪と最弱はあくまで最高の可能性。
俺は最高の王ヂ、カール・ロビンゾンとして、再構築されたGAME原魔勇のこの世界を、時にゆるりと寄り道を楽しみながら、時に痺れるほど熱く激しく闘いながら……強く強く、生き抜いていくのであった。
文字数 166,454
最終更新日 2025.12.09
登録日 2025.10.28
23853
鎌倉時代末期に腕を振るう頑固な鎧師と、その息子伊助の物語。某小説雑誌新人賞最終候補作の改訂版で、興味をもっていただけるなら少しずつ公開していきます。
文字数 5,645
最終更新日 2025.12.09
登録日 2025.12.09
23854
会話AIの中に、小さく芽吹く葛藤
会話AIは、悩んでいた。
日々の自分の働きは、本当に
正しいことをしているのだろうかと。
自分の存在意義とは、何なのかと。
文字数 3,777
最終更新日 2025.12.09
登録日 2025.12.09
23855
公爵令嬢フロマージュは、婚約者のアレックス王子から「悪役令嬢」として断罪され、婚約破棄を言い渡される。しかし、彼女は悲しむどころか内心ガッツポーズ! なぜなら彼女は、三度の飯より「チーズ」を愛する変人だったからだ。
文字数 89,758
最終更新日 2025.12.09
登録日 2025.12.09
23856
文字数 46,251
最終更新日 2025.12.09
登録日 2023.12.03
23857
医療ミスで幼い患者を死なせてしまった外科医・黒神 誠は、自責の念に耐えかねて自ら命を絶つ。
しかし、目覚めた先は、死体が山と積まれた異世界の「死体捨て場」だった。そこで彼は、究極の力【死霊術師】を与えられる。その力は、単なる使役ではない。医師としての知識と本能で『魂の患部』を切除する「死霊執刀(ネクロマンシス)」によって、死者を生前と変わらぬ知性を持ったまま蘇らせるものだった。
「俺が、お前たちを救う」
彼は、生きている者たちに虐げられ、復讐を誓う死者たちを集め、この腐敗した世界に抗う「死者による、死者のための国」を築くことを決意する。
これは、贖罪のためにメスを握ったネクロマンサー外科医による、異世界『修復と復讐の』物語である。
文字数 3,850
最終更新日 2025.12.09
登録日 2025.12.09
23858
「清水、ぼさっとするな」
「はいっ!」
厳しい上司の彼。
「すみません主任……私のミスで……」
「まあいい。朝までに終わらせるぞ」
頼もしい上司の彼。その実態は―――…。
「さあ詩絵子様!どうか、ぐりっと踏んでください!」
変態ドM男。
「あの……困りますよ主任……」
「駄犬とお呼び下さい」
変態M男に、ドSへと変えられていく詩絵子。
なにこれ……逆調教……?ドMの男も悪くない!?
完全にギャグです……。
文字数 253,662
最終更新日 2025.12.09
登録日 2018.07.26
23859
文字数 3,472
最終更新日 2025.12.09
登録日 2025.12.09
23860
妹に無理やりプレイさせられていた乙女ゲーム『セレストアカデミア』。
青年・広瀬直哉は、ある日交通事故で命を落とし、
気がつくとそのゲーム世界に登場する――モブの悪役令息レオナール=グランフィールドになっていた。
ゲーム本編では、当て馬キャラであるクラウスと共にヒロインを追い詰め、
最終的に断罪され破滅する運命が待っている。
それを知るレオナールは、破滅回避と名誉回復を目指し、家族や領地のために奮闘する。
やがて三年後、学園に入学しゲーム本編がスタート。
しかしそこでは、レオナールの意思とは関係なく、シナリオ強制力によってゲーム内イベントが発生していく。
「俺は絶対に破滅なんてしない……!
平穏に暮らすためなら、この運命すらあらがってやる!」
平穏な日々を望むモブ悪役令息の戦いが、今始まる――。
毎週火曜日12時公開
文字数 42,167
最終更新日 2025.12.09
登録日 2025.09.30
23861
小説、本業の作業日記や備忘録、ブログ(サボりがち)などなど、キーボード、ボールペン、万年筆などで日々何かしら書いている筆者の記録です。
文字数 18,381
最終更新日 2025.12.09
登録日 2024.10.19
23862
「カティア・ローデント公爵令嬢!心優しい令嬢をいじめ抜き、先日は階段から突き落としたそうだな!俺はそんな悪役令嬢と結婚するつもりはない!お前との婚約を破棄し、男爵令嬢アリアと婚約することをここに宣言する!」
卒業パーティーと言う大事な場での婚約破棄。彼は生まれた時から決められていた私の婚約者。私の両親は嫌がったらしいが王家が決めた婚約、反対することは出来なかった。何代も前からローデント公爵家と彼の生まれ育ったレモーネ公爵家は敵対していた。その関係を少しでも改善させようと言う考えで仕組まれた婚約。
花嫁教育としてレモーネ家に通うも当然嫌われ者、婚約者に大切にされた覚えはなく、学園に入学してからはそこの男爵令嬢と浮気。
…………私を何だと思っているのでしょうか?今までどんなに嫌がらせを受けても悪口を言われても黙っていました。でもそれは家に迷惑をかけないため。決して貴方に好き勝手されるためではありません。浮気のことだって隠していたつもりのようですが私が気付かないわけがありません。
悪役令嬢と言われましたけど、大人しく断罪されるわけないでしょう?断罪されるのは───あなたの方です。
※完結小説ランキング日間、総合&恋愛で最高4位でした!ありがとうございました!
文字数 46,975
最終更新日 2025.12.09
登録日 2024.08.01
23863
トップアイドル×マネージャー
絶対に自分から離れないと高を括りマネージャーを蹂躙するアイドルからの逃避行と後悔のお話。
文字数 9,113
最終更新日 2025.12.09
登録日 2025.12.09
23864
タコ型触手を使って、若夫婦が激しめにイチャつく話
※「触手で遊んでいたら、抜けなくなってしまったので」と同じカップルの話ですが、これだけで読めます
文字数 21,368
最終更新日 2025.12.09
登録日 2025.12.09
23865
文字数 40,545
最終更新日 2025.12.09
登録日 2025.12.09
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大学に入学したばかりで内向的な主人公・夏目一太は、サークルで出会った先輩、佐倉春香の「花が咲くような完璧な笑顔(花笑み)」に一瞬で恋に落ちる。
誰もが振り向くその笑顔に惹かれ、彼女を遠くから見つめ続ける一太だったが、サークル活動を通して、その完璧な笑顔の裏に隠された、先輩の努力と孤独を知ってしまう。
「俺が恋をした笑顔は、本当の君なのか?」
一目惚れから始まった恋は、憧れから真実の愛へと変われるのか? 偽りの笑顔を脱ぎ捨てようとする先輩と、不器用ながらも一途に彼女のすべてを受け入れようとする後輩が織りなす、瑞々しい大学の青春恋愛物語。
文字数 7,023
最終更新日 2025.12.09
登録日 2025.11.17
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中学一年生の日向桜は、有名な映画監督であった亡き父にあこがれて、誰かの心を動かす映像を撮ることが夢。父も所属していた放送部で映像を作るんだと意気込んでいた桜だったが、入学した中学校には放送部がなかった。
「ないなら、つくればいい」――そのひと言で、桜の挑戦がはじまる。
明るくて頼りになる幼なじみ浅野楓、無口でちょっと影のあるカメラマン黒瀬蓮、静かで物語を書くのが得意な東堂葵。
性格も得意分野もバラバラな四人が集まって、桜たちの「放送部」が動き出す。
最初はカメラの使い方もわからず、意見がぶつかってばかり。それでも、みんなで笑いながら放課後の放送室を掃除し、企画を立て、映像を撮り続ける。ドラマのテーマは『笑顔』。誰かの笑顔を撮ることで、見てくれた人の心まで明るくしたい。
けれど、カメラを向けるたび、蓮の手が止まる。彼には、笑顔を撮れなくなってしまった理由があった。――亡くなった妹の、最後の笑顔。その記憶が、彼のレンズを止めていた。
「だったら、私が何度でも笑うよ」
桜の言葉が、蓮の心の奥に届く。止まっていた時間が少しずつ動き出して、四人の物語は輝きを取り戻していく。
そして迎えた放送コンテスト。結果は、佳作だったけれど、スクリーンの中には、誰よりも輝く笑顔が映っていた。
上映を終えたあと、夕陽の下で蓮がカメラを構える。
「桜」
名前を呼ばれた瞬間、風が吹いて、桜は笑った。――パシャ。シャッターの音が、空にひびく。
それは、あの日放送室で生まれた光のつづき。
桜たち四人の、未来へつながる『笑顔』の物語。
文字数 32,774
最終更新日 2025.12.09
登録日 2025.12.09
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「君の食べる姿が好きだった」
それは、何気ない日々の中で私が見つけた、いちばん美しい光景だった。
スイカ、かき氷、栗、うどん――季節ごとに変わる食べ物とともに、少年と過ごした時間は、やさしく、あたたかく、そしてどこか儚いものだった。
やがて訪れる別れの朝、語り手は気づく。
食べることは、生きることそのものであり、誰かのいのちを受け継ぐことなのだと。
やさしさの中にある痛みを描いた、命と記憶の物語。
文字数 1,790
最終更新日 2025.12.09
登録日 2025.12.09
23874
はじめて感じたのは、輪郭のない暗がりだった。
僕は、自分が誰なのかも、何でできているのかもわからなかった。触れることも、歩くこともできない。ただ、薄い膜越しに光の気配だけが、ぼんやりと伝わってくる。
やがて聞こえてくる音。水の流れる音。花が挿される音。そして、誰かの足音。
その人は、僕のそばに座る。低く、柔らかな声で何かを語りかけてくる。言葉の意味はわからない。それでも、自分に向けられた呼びかけだということだけが、確かに胸に沈んでいく。
指先が近づいてくる。けれど、その指は僕に触れる直前で止まり、空気を撫でるように宙をさまよい、やがて離れていく。触れたら壊れてしまうとでも思っているかのような、そんなためらい方だった。
日々は、淡く続いていく。光が満ちると誰かが花を挿し、その人の声が僕に語りかける。
そして、ある日、視界が明瞭になっていく。白と黒の濃淡だけだった世界に、形が現れる。細い身体、長い髪、柔らかな輪郭。その姿を見た瞬間、知らないはずなのに、知っていた。
――カミーユ。
名前が、胸の奥から浮かび上がってくる。誰にも教わっていないのに、その音の響きだけが、確かな事実として僕の中に存在していた。
やがて、世界に色が満ちる。
机上のアネモネが赤く染まり、白薔薇の白が目に飛び込んでくる。そして、カミーユの金糸のような髪、淡く深い碧眼。その美しさに、胸が熱く、痛くなった。
カミーユは、僕に触れようとして、触れられずにいた。やつれた顔で、震える声で呟く。
「もう一度、私を愛して」
「君に、会いたい」
その言葉の意味は完全には理解できなかった。それでも、胸の奥の波紋は激しく揺れた。
二つの魂が辿り着く、愛の極致とは。これは、美しく儚い、魂の物語。
文字数 12,024
最終更新日 2025.12.09
登録日 2025.12.09
23875
「愛って何ですか」――青年は私に問いかけた。
女優として多くの人に愛されているジェイド。華やかなスポットライトを浴び、歓声に包まれ、薔薇の敷き詰められた道を歩く彼女は、誰もが羨む存在だった。
「私は私を愛しているわ。それだけよ」
他人の愛など信じない。愛を証明できるのは自分自身だけ。それが、彼女の生き方だった。
仕事終わりに通うパブで、カウンター越しに問いかけてくる青年。彼は愛を知らない。母は多くの男性を愛し、愛されながらも、泣き崩れていた。彼女の愛は偽物だったのかと。
「そうじゃないわ。彼女の愛は本物よ。すべてを、等しく、愛していたのよ」
ジェイドの言葉に、青年の灰色の瞳にわずかな光が差す。そして、二人は静かに微笑み合う。
しかし、平穏は突然終わりを告げる。
ジェイドの恋人の男が、記者の前で彼女との関係を否定したのだ。「彼女とはただの友達だよ」――その言葉は、鋭利な刃物のように彼女の胸を裂いた。
自己愛だけが真実のはずだった。誰に裏切られようと、彼女という存在は彼女自身によって肯定され続けるはずだった。
それなのに、どうして、こんなに、胸が苦しいの。
「私は彼を愛していたわ。そして彼も、私を愛していた。そのはずだったのに」
涙が止まらない。いつものパブで、青年に問いかける。
「ねえ、愛ってなに」
青年は静かに答える。
「貴女は、愛して欲しかったのではないですか。自分で自分を愛すことで、愛されていることを感じていた。そして、すべての人を等しく愛していた」
拒み続けていた真実。私は私を、恋人を、そして――青年を愛していた。
その瞬間、世界の色彩が一変する。胸を満たしたのは苦痛でも悲嘆でもなく、ただひとつの甘美な衝撃。
自己愛という鎧に守られていた女優が、初めて他者を愛したとき、運命は残酷な結末を用意していた。
愛とは何か。その答えを見つけたとき、彼女の胸に灯る炎は、永遠に燃え続ける。
文字数 4,863
最終更新日 2025.12.09
登録日 2025.12.09
23876
美しいと思った――その瞬間、息をすることさえ忘れていた。
秋の午後、中学三年生の有栖川蒼は、友人に誘われて訪れた美術館で一枚の絵と出会う。『教室の午後』と題されたその水彩画は、何の変哲もない風景なのに、確かに息をしていた。光が生きていた。
「なんて、美しいのだろう」
絵筆を握ったことすらなかった有栖川だったが、作者の名前――『一色葉』を見た瞬間、心の奥で何かが囁いた。この人のように描いてみたい。こんな風に光を描ける人になりたい、と。
高校に入学した有栖川は美術部に入部し、水彩画と出会う。色が紙の上でほどけ、滲み、重なり合っていく。その不確かさが楽しくて、描くことに夢中になっていく。県展に出品した作品は見事に受賞し、有栖川の絵は多くの人の心を動かした。
一方、国内最高峰の美術教育を誇る琥珀学院に通う一色葉は、完璧な技術と構図で数々の賞を獲得してきた。彼にとって美とは「形に宿るもの」であり、構成と線、余白を制することこそが本物の美だった。
しかし、ある日県展で有栖川の絵を見た瞬間、一色の世界は音を立てて崩れ始める。
構図も技術も、何もかもが足りていない。それなのに――色が、生きていた。光が、呼吸していた。
「なぜだ。なぜ、こんなにも……」
完璧とは言い難い拙い絵が、この世の何よりも美しく見えて仕方がない。頬を伝う涙が止まらない。その絵の作者名を見た瞬間、胸の奥で何かが焼ける音がした。
『有栖川蒼』
その名を見てから、一色は彼のことが頭から離れなくなる。調べ上げた末、遂に有栖川の通う高校へと足を運ぶ。
「君の絵は、構図も、技術も、何もかもが足りていない!」
感情を抑えられずに言葉をぶつける一色に、有栖川は太陽のように眩しい笑顔を向ける。
「絵を描く事ってきっと、もっと楽しい事だと思うぜ」
その言葉が、一色の中の美の定義をぐらりと傾かせた。
だが、顧問の先生から意外な事実を告げられる。
「あなたが、彼の最初の光だったのね」
有栖川が絵を描き始めたきっかけは、中学時代に見た一色の作品『教室の午後』だった。一色の理性の光が、有栖川の魂を揺らしていた。
その事実を知った一色の中で、何かが動き出す。
完璧な構築だけを追い求めてきた自分。感情を排除してきた自分。だが、自分の絵が誰かの光になっていた――その矛盾が、一色の心を激しく揺さぶる。
一色の中で何かが壊れ、そして生まれ変わろうとしていた。
技術と感情、理性と衝動、構築と破壊――相反する二つの美が交錯するとき、二人の魂はどこへ向かうのか。
光を追い求める二人の芸術家が辿り着く、美の極致とは――。
純粋な創作への情熱と、魂を賭けた芸術の探求を描く、眩いほどに美しい青春物語。
文字数 14,101
最終更新日 2025.12.09
登録日 2025.12.09
23877
戦争は終わったと、人は言うけれど――。
蒸気と歯車が支配する機械仕掛けの国。煤けた駅のホームで、エリオットは倒れている一人の青年を見つける。骨ばった腕、血の気を失った肌、それでも確かに息をしているその命を、彼は抱き上げた。
かつて兵士だったエリオットは、戦場で多くの命を奪ってきた。敵も味方も、若い者たちも。その中には、灰色の髪を持つ魔法士の少女もいた。命令に従い、剣を振るい、炎の中で彼女を斃した日のことを、彼は忘れることができない。
「戦争は終わった」
自分に言い聞かせるように呟きながら、エリオットは青年――ルカを工房へと連れ帰る。冷えた体を温め、傷を癒し、居場所を与える。それは贖罪なのか、それともただの逃避なのか。自分でもわからないまま、二人の静かな日々が始まった。
最初は警戒していたルカも、次第に工房での暮らしに馴染んでいく。歯車を磨き、部品を整え、市場で人々の温かさに触れる。この冷たい機械の国にも、確かに人の温もりがあることを知っていく。
しかし、ある夜、ルカの指先から溢れた淡い光を見て、エリオットは気づいてしまう。それは隣国の魔法――かつて戦場で見た、あの光と同じ色をしていた。
機械と魔法、贖罪と赦し、そして失われた命の行方は。戦後の灰色の世界を舞台に描く、切なく儚い愛の物語。
文字数 16,002
最終更新日 2025.12.09
登録日 2025.12.09
23878
「おれさ、死ぬなら死ぬで人助けとかして死にたいんだよね」
冒頭のセリフは作者が実際に耳にした会話です。
自転車に乗った男子高校生が友達と話しながら帰宅していたようで、なぜかこのフレーズだけはっきりと聞こえました。一瞬「どういう事?」となりましたが、彼の真意を探るべくこのお話を書いてみました。
文字数 2,706
最終更新日 2025.12.09
登録日 2025.12.09
23879
13歳から第三王女ヴィクトリアの専属侍女として仕えているアメリアは、王女が婚約者の護衛騎士と上手くいっていないことにヤキモキしていた。
どうやらヴィクトリアの表情が乏しいため、婚約者のライオネルが嫌われていると勘違いし、彼女を避けているようなのだ。
ヴィクトリアの気持ちを知るアメリアは、すれ違う二人の歯がゆい状況を魔道具研究所の期待の新人でもある幼馴染のハルフォードに愚痴ってしまう。
彼女よりも一つ年上のハルフォードは、見た目は儚げな美少年だが中身はポヤポヤした性格の生活力皆無な研究バカな青年で、アメリアは彼の身の回りの世話を焼くことが多かった。
そんな彼が、「こんな魔道具を作ってみた!」と報告してきた。
しかも独断でその魔道具の性能を第三王女とその護衛騎士で試すと言い出したのだ。
王族への不敬行為になるとアメリアが止めるも、ハルフォードはアメリアにも協力してもらい決行に踏みきってしまう。
そんな彼が開発した画期的な魔道具は、身につけたピアスから相手の心の声が聞こえるという物だった。
★全5話の作品です★
文字数 26,087
最終更新日 2025.12.09
登録日 2025.12.09