恋愛 異世界小説一覧

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1881
恋愛 完結 長編 R15
 辺境伯令嬢に転生した前世ヤンキーだったグレース。生まれ変わった世界は前世で憧れていたおとぎ話の様な世界。グレースは豪華なドレスに身を包み、甘く優しい王子様とベタな童話の様な恋をするべく、令嬢らしく立ち振る舞う。  が、しかし、意中のフランソワ王太子に、傲慢令嬢をシメあげているところを見られてしまい、そしてなぜか近衛師団の目つきも口も悪い男ビリーに目をつけられ、執着されて溺愛されてしまう。 違う! 貴方みたいなガラの悪い男じゃなくて、激甘な王子様と恋がしたいの!! そんなグレースは目つきの悪い男の秘密をまだ知らない……。 ※「小説家になろう」様にも投稿作品です
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小説 9,496 位 / 185,525件 恋愛 4,594 位 / 56,295件
文字数 83,226 最終更新日 2023.12.30 登録日 2023.12.28
1882
恋愛 完結 短編
今は訳あって、貧乏男爵家の居候になっている。 悪役令嬢としての知識を使って、貴族社会で成り上がるか? そう思っていたのだが……。 「あなた、どうしてそんな格好でいるの? そんな格好ではご令嬢と呼べないわ」 私は鏡に映る自分を見た。 寝巻きに使っているネグリジェを身につけた姿だ。 ……なるほど。確かにこれは令嬢の姿ではない。 「……一張羅なんだけどなあ」 「ドレスを買いなさい!」 貧乏だから買えないのだ。 「お金は……あるよ。私も一緒に行ってあげるから、ドレスを買いに行きましょう!」 「……お小遣いが欲しいのね」 「ち、違うわよっ! ほら、私達もう友達なんだから、社交界では同伴が基本でしょう? だから……」 なるほど。家計を預かる者としての義務感か。 正直助かるな。お金なんて持ってないからなあ……。 ◇ 私達は街に出た。 お洒落な店が並んでいる。貧乏男爵領とはえらい違いだ。 「わあ~っ!」 「こら! はしゃがないの!」 このドレス可愛いなあ~。 いや、ダメだ! 今は金欠なのだ。我慢しないと……。 「ここは?」 「冒険者ギルドね」 ああ、ゲームでよく見かけたな。懐かしいな……って、違う違う! なんで寄り道してんのよ!? 「さあ、入りましょう」 彼女は私の背中を押した。 お、お金無いんだよ!? ヤバいよ!! 私達は冒険者ギルドに入った。 中は酒場になっている。 冒険者達の視線がこちらに向いた。 「あら、珍しい」 受付嬢が声をかけてくる。 「かわいいこ連れているじゃない」 「……ああ、私ですか」 私は苦笑いする。私は彼女より年下だ。 「ここって仕事ありますか?」 彼女は受付嬢に尋ねる。 「仕事はいっぱいあるわよ。魔物退治や護衛依頼なんてどうかしら?」 ああ、そういえばそんなのあったな。 「魔物退治……」 彼女は呟いた。 「……え、あなた戦うの?」 「当然よ。冒険者なんだから」 ……マジか。無理だと思うがなあ。 彼女は『氷結の魔女』と呼ばれている女だ。実力は折り紙つきだ。 しかし、それでも心配である。私は彼女の手を引っ張った。 「今日は止めときましょう」 「あら、どうして?」
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文字数 1,060 最終更新日 2023.12.30 登録日 2023.12.30
1883
恋愛 連載中 短編
口下手で、誰にも話を聞いてもらえない私。婚約者にも馬鹿にされている私なのに、契約したウィスプは美しい男性の姿をしていました。「君が願ったんだ。愛し、愛されたいって」人型のウィスプとの契約は十年ぶりで、私の周囲も、私の生活も変わっていく……。 「君との婚約を破棄する!」それも当たり前でしょう。だってずっと、美しいウィスプが私にくっついているのだから。
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小説 9,142 位 / 185,525件 恋愛 4,384 位 / 56,295件
文字数 26,460 最終更新日 2023.12.30 登録日 2023.12.23
1884
恋愛 完結 短編
「おい! この婚約は破棄だ!」 そう、私を突き付けたのはこの国の第二王子であるルーシュである。 しかし、私の婚約者であるルーシュは私の返事など聞かずにただ一方的に婚約を破棄してきたのである。 「おい! 返事をしろ! 聞こえないのか?」 聞こえないわけがない。けれども私は彼に返事をするつもりはなかった。私は何も言わない。否、何も言えないのだ。だって私は彼のことを何も知らないからだ。だから、返事ができないのである。 そんな私が反応を示さなかったのが面白くなかったのかルーシュは私を睨みつけて、さらに罵声を浴びせてきた。 「返事をしろと言っている! 聞こえているんだろ! おい!」 そんな暴言を吐いてくるルーシュに私は何も言えずにいた。けれども彼が次に発した言葉により私は反射的に彼に言い返してしまうのである。 「聞こえているわ! その反応を見てルーシュは驚いたのかキョトンとした顔をしていた。しかしすぐにまた私に暴言を吐いてきた。 「聞こえているじゃないか! ならなぜ、返事をしなかった?」 「返事をしたかったわ! けれど、貴方の勢いに圧倒されてできなかっただけよ!」 そんな私の言葉にルーシュは益々驚いてしまったようだった。そのルーシュの顔を見て私は少し笑ってしまった。 「何笑っているんだ? 俺を馬鹿にしたつもりか!?」 そんなつもりは無いと私は彼に否定するが彼は聞く耳を持たないといった様子だった。そんな彼に対して私はある質問をした。それは今私が最も知りたい質問である。 「それより、この婚約破棄の理由は何かしら? 私は貴方に何かした覚えはないのだけれども」 そんな私の疑問にルーシュはさも当然といった様子で答えたのである。 「そんな理由など決まっているだろ! お前が俺よりも優秀な人材を捕まえたからに決まっている!」 そう言って彼は指をさした。その指が指し示している先には私がいた。一瞬なんのことか分からなかったが、少ししてからそのことに気づいた私はまさかと思った。 「そんな理由で!?だってその優秀な人材と言うのはまさか、彼なの!?」 そう言って私が指を指した方向にはあの眼鏡を掛けた彼がいた。すると彼は頭を下げてこう言ったのだ。 「はい、お嬢様に拾っていただきたくこちらに来ました」 彼の名前はリビン・ボタスキー。ボタスキー伯爵家の次男である。そして何を隠そう、私が暇つぶしでやっていたゲームの攻略対象であった人物だ。 「あら? そんな理由で私を追い出したと言うの? 随分と小さい器をお持ちなのね」 「なんだと!? お前は自分の立場が分かっていないのか?」 彼は私が何を言っているのか理解出来ていない様子だった。まぁ、それも仕方がないだろう。
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文字数 2,198 最終更新日 2023.12.30 登録日 2023.12.30
1885
恋愛 完結 ショートショート
不器用な従弟のオリオンを見守る従姉のマナ。年頃になった彼らは──? ※他サイトにも掲載しています。
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小説 185,525 位 / 185,525件 恋愛 56,295 位 / 56,295件
文字数 972 最終更新日 2023.12.30 登録日 2023.12.30
1886
恋愛 連載中 短編
「お前の技術は盗めた。もう用なしだ、婚約破棄してもらおう」 子爵令嬢のアリッサは婚約者で侯爵令息のトトメスにこんなことを言われた。 自らの持つ調合技術を盗まれ、婚約破棄を言い渡されたのだ。 悲しみに暮れながら彼女だが、家族の支えもあり貴族街で小さな薬屋を始めることにした。 その薬屋は驚くほどの盛況となっていく傍ら、トトメスの方は盗めたと思っていた技術は陰りが見え始め……。
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小説 15,978 位 / 185,525件 恋愛 7,623 位 / 56,295件
文字数 26,193 最終更新日 2023.12.30 登録日 2023.12.12
1887
恋愛 連載中 長編 R15
 『リバーシ』とは、「体力的には、別に「二十四時間戦える」ではないんだけど、精神的には、「四十八時間以上だって余裕に働ける」ってタイプの人間」。  こっちの世界(地球)の知識を持って、異世界に渡ってこれ、魔法で地球の技術の再現が可能‥。稀有な存在のリバーシは異世界では重宝されていた。  味方なら頼りになって、敵に回せばこれ以上になく厄介。  強力な魔力を持つリバーシの早期発見と抱え込みは、国の最重要課題だった。そして、魔力を悪用しようと企てる組織にとっても‥。  幼い頃に、リバーシであることを悪の組織に知られてしまった「ヒジリ」に伸ばされた悪の手から、彼女を守ったのは、幼馴染の「ナツミ」だった。ナツミは、その身を挺して彼女の魔力を封じ、彼女の魔力が悪用されないように、魔道具「眠りのブレスレット」で彼女を眠らせた。  彼女が自分で自分の身を守れるだけの力を得るその時まで、こっちの世界にもどってこれないように。  しかしながら、思った以上に強すぎた魔道具により、ヒジリは生命の危機に‥!  生命の危機を感じたヒジリの身体は、その魔力を全部、容姿につぎ込んだ。誰か、自分を助けに来てくれる人があらわれる為に‥。  美しく眠り続けるヒジリを人々は「スリーピングビューティー」と呼ぶようになった。  異世界で「スリーピングビューティー」と呼ばれ王子様に保護されるヒジリを、現実社会で生活する聖は知らない。  あの時、同じくリバーシであるミチルに発見されるまでは‥。  現在なろうさんで書かせてもらっている、BLでもR指定でもないお話です。ちょっとなろうさんとは視点を変えて完結をしていこうと思ってます。
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小説 185,525 位 / 185,525件 恋愛 56,295 位 / 56,295件
文字数 713,884 最終更新日 2023.12.30 登録日 2021.01.01
1888
恋愛 完結 ショートショート
エリカ・ハーレット侯爵令嬢は、キイス・ルガウ公爵令息との婚約を破棄するより他はなかった。だから、最後の願いとして、キイスに夢を見せて欲しいと告げた。
24h.ポイント 49pt
小説 17,380 位 / 185,525件 恋愛 8,244 位 / 56,295件
文字数 3,047 最終更新日 2023.12.30 登録日 2023.12.28
1889
恋愛 完結 短編 R15
リルリーディアはたった一人にしか見えなかった。 彼の恋人で天使だった。天使は彼を見守りつづけた。 ※2017年5月21日、小説家になろう様に掲載作品。 ※小説家になろう様より転載。(名前は違いますが、気にしないでくださいませ) ※文章や内容に変わりありませんが、部分的に修正したり、付け足ししたりしております。
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小説 185,525 位 / 185,525件 恋愛 56,295 位 / 56,295件
文字数 4,766 最終更新日 2023.12.29 登録日 2023.12.29
1890
恋愛 完結 長編
 気が付くと私は、ゲームの中の悪役令嬢フォルトナに転生していた。自分は、婚約者のルジェク王子殿下と、ヒロインのクレアを邪魔する悪役令嬢。そして、ふと気が付いた。私は今、強大な権力と、惚れ惚れするほどの美貌と身体、そして、かなり出来の良い頭を持っていた。王子も確かにカッコイイけど、この世界には他にもカッコイイ男性はいる、王子はヒロインにお任せします。え? 当て馬がいないと物語が進まない? ごめんなさい、王子殿下、私、自分のことを優先させて頂きまぁ~す♡ ※マルチエンディングです!! コルネリウス(兄)&ルジェク(王子)好きなエンディングをお迎えください m(_ _)m
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小説 3,831 位 / 185,525件 恋愛 1,884 位 / 56,295件
文字数 78,702 最終更新日 2023.12.29 登録日 2023.03.07
1891
恋愛 連載中 長編
 闇の社会で『死神《グリム・リーパー》』と呼ばれし、シトリン家。  シトリン家にだけ脈々と受け継がれる闇の魔力  魂を刈る力。  何百年にも渡る王家との密約により、シトリン家次期当主として幼い頃より大罪人の魂を刈っていたジェスター・シトリンは、自分が幸せになることを諦めていた。あの少女に会うまでは。  僕は渡さない。王子の婚約者である君を。 ※「鈍感令嬢に恋した時から俺の苦労は始まった」「1番近くて、1番遠い……僕は義姉に恋をする」に出てくるジェスター・シトリンルートです。 最初は同じシチュエーションでリンクしておりますが、途中からストーリーがまったく変わります。別の物語ですので単独でもお読みいただけると思います(*^^*) ※アルベルト・ミカエルルートと重なる内容もございます。お読みいただいた方にとっては同じ展開になってしまう事はご容赦くださいませ。ジェスターは、この時こんな事考えていたんだなぁと思っていただければ幸いです。 ※連載中に題名、エピソード名、内容等、変更する事もございますが、ストーリーが大きく変わるような変更は致しません。 ※基本、不定期更新です。 ※表紙はBee様に描いていただきました。  https://estar.jp/users/512222951  素敵なイラストありがとうございました(ノ*>∀<)ノ♡ ✽アルベルトルート 鈍感令嬢に恋した時から俺の苦労は始まった https://www.alphapolis.co.jp/novel/317127863/603575132 ✽アルベルトルート その後 鈍感令嬢に恋したら、なぜかダンジョンに住む羽目になった王子の日常 https://www.alphapolis.co.jp/novel/317127863/989609822 ✽ミカエルルート 1番近くて、1番遠い……僕は義姉に恋をする https://www.alphapolis.co.jp/novel/317127863/883618622
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小説 39,653 位 / 185,525件 恋愛 17,578 位 / 56,295件
文字数 52,502 最終更新日 2023.12.29 登録日 2023.06.04
1892
恋愛 完結 長編 R15
 結婚した夫には愛人がいた。辺境伯の令嬢であったビオラには男兄弟がおらず、子爵家のカールを婿として屋敷に向かい入れた。半年の間は良かったが、それから事態は急速に悪化していく。伯爵であり、領地も統治している夫に平民の愛人がいて、屋敷の隣にその愛人のための別棟まで作って愛人に尽くす。こんなことを我慢できる夫人は私以外に何人いるのかしら。そんな考えを巡らせながら、ビオラは毎日夫の代わりに領地の仕事をこなしていた。毎晩夫のカールは愛人の元へ通っている。その間ビオラは休む暇なく仕事をこなした。ビオラがカールに反論してもカールは「君も愛人を作ればいいじゃないか」の一点張り。我慢の限界になったビオラはずっと大切にしてきた屋敷を飛び出した。  そしてその飛び出した先で出会った人とは? (できる限り毎日投稿を頑張ります。誤字脱字、世界観、ストーリー構成、などなどはゆるゆるです) hotランキング1位入りしました。ありがとうございます
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小説 3,193 位 / 185,525件 恋愛 1,601 位 / 56,295件
文字数 63,848 最終更新日 2023.12.29 登録日 2023.11.25
1893
恋愛 完結 短編
「――剣は、やめろ」 目の前の少女の唐突な発言に、アルスランは思わず眉をひそめた。 目の前にいるのは十二歳にして王国一の騎士から最年少で宝剣を授かった少女だ。同年代の少女と比べても小柄だが、その身に秘めた力はそこらの騎士をはるかに凌駕する。 アルスランが忠誠を誓った王の娘であり、この王国の正当な後継者でもある少女だった。 「何を急に……?」 アルスランは戸惑いながら聞き返した。 先ほどから剣の鍛錬をしていたので、それを見ていた少女が急に止めたことに疑問を覚えたのだ。 「だから、剣をやめろと言ったんだ」 「……それは命令でしょうか?」 「違う」 アルスランの言葉に少女は首を振った。だが、その表情にははっきりとした意志が込められていた。 命令ではないとしたら、それは何を意味するのか。 「……理由をお聞かせ頂いてもよろしいでしょうか?」 「そんなものは決まっているだろう」 アルスランが尋ねると、少女は力強く答えた。 「私がお前を鍛えるからだよ」 その発言に、アルスランは目を見開いた。それからゆっくりと首を振り、少女に対して笑顔を見せる。 「……いくら殿下と言えど、それは無理です。剣の鍛錬をやめろと言われてやめられるはずがありません」 冗談めかして言うと、少女が不満そうな表情を浮かべる。 「私は本気だ」 「本気なのは十分伝わっておりますよ」 アルスランは苦笑しながら言うと、剣を鞘にしまった。 「ですが、私の剣は殿下をお守りする為のものです。いくら殿下でも、それは譲れません」 そう伝えると、少女は眉根を寄せた。どこか寂しそうな表情を浮かべながら口を開く。 「それは分かっているが……しかしな……」 そのまま黙り込んでしまう少女を見て、アルスランは困ったように笑った。そして少女に向かって優しく話しかける。 「殿下、ご心配なさらずとも大丈夫です」 「……アルスラン?」 少女は不思議そうな顔をしながら彼を見た。彼は穏やかな笑みを浮かべながら続ける。 「殿下が私に剣を捨てろと仰るなら、私は喜んで捨てましょう。ですが、私が剣を捨てるのはあくまで『守るべきものがある時』です」 少女はじっとアルスランを見つめ、彼の言葉を聞いていた。そして静かに口を開いた。 「……そうか。それならいい」 少女のその答えに、アルスランは思わず安堵の息を漏らした。 「ありがとうございます、殿下」 アルスランが礼を言うと、少女は小さく頷いて踵を返した。そのまま歩き出す少女の背中に向かって声をかける。 「殿下?」 「……剣は好きか?」 少女が振り返って尋ねる。彼は微笑んだまま答えた。 「ええ、もちろんです」 その言葉を聞いて、少女は再び歩き出した。そのまま足を進めていくと、城の出入り口の前で立ち止まった。彼女は振り向くと、少しだけ寂しそうな表情を浮かべながら言った。 「……私も好きだぞ」
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小説 39,653 位 / 185,525件 恋愛 17,578 位 / 56,295件
文字数 1,328 最終更新日 2023.12.29 登録日 2023.12.29
1894
恋愛 完結 短編
 その日の晩のこと,悪役令嬢の私は,王太子殿下との婚約を一方的に破棄された。 「なあ,キャロライン」 婚約を破棄されたことに絶望して憔悴している私に,殿下は話しかけた。 「俺はおまえが好きだと思ったから婚約したんだ」 えっ? いきなり何を言い出すんですか? 「おまえは決して悪い娘ではないと思う」 何かイヤな予感がするんですけど……。 「でも……性格が悪すぎる!! こんなのと一生暮らさなきゃいけないかと思うと,とてもやっていけない!」 「私だって,あなたみたいな暴力男とは一緒にいたくありませんわ!」 「なんだとう! こっちが下手に出てやったら図に乗りやがって!! お前なんかこっちから願い下げだ! もう2度と王宮に顔を出すな!!」 私は悪役令嬢らしく,ヒステリックに叫んでやった。 「ああ,出てってやるさ! こんな性格ブスと婚約してやってるなんて,俺の一生最大の汚点だ! もう金輪際俺に近づくな!」 殿下は捨て台詞を吐いて去っていった。 ああ……これでようやく私も婚約破棄された娘の仲間入り。でもすっきりしたわ。あんな奴の嫁にならずに済んだんだから。 そして私はさっさと王都に帰って行った。もうこんなところに用はないからね。 でも私ったらうっかりしてたわあ。悪役令嬢らしくって,婚約者を罵る時って,たいてい婚約破棄までさせるってこと,すっかり忘れてた。 まあ仕方ないか。こういう性格なんだから。 でもこれからどうしよう? もう悪役令嬢失格な私なんて誰も嫁にもらってくれないわよね……。 そうだわ! ダメ元で王太子殿下のところに行ってみよう! そう決心すると,私は早速王宮に向かった。そして門番に尋ねた。 「あのう……王太子殿下はお元気ですか?」 もう私の存在など忘れられているはずと思いつつ,私はダメ元で聞いてみた。すると門番は「もちろんです!」と答えた。 よかったあ! 忘れられていなかったのね! 私はほっとして門番に尋ねた。 「王太子殿下は今も私の手紙を大事に持っていてくださいますか?」 門番は言った。 「もちろんでございます」 えっ!? もう忘れずに持っていてくれているの? 私ってマジで愛されてるじゃないの!! 感動したわ……そしてますます殿下が好きになったわ。 ああ,早くこの気持ちを伝えたい!! そんな訳で,私は早速王宮に上がり,王太子殿下の執務室に向かった。 「やあ……久しぶりだな」 「はい……」 殿下は私の顔を見ると嬉しそうに微笑んでくれた。私は嬉しさのあまり胸がきゅんとなった。もうすっかり虜になっているのだ。 「さて……今日は何の用かな?」 「あの……実はお願いがあるのです」 私がそう言うと,殿下は興味深そうに聞いてきた。 「どんなことかな?」 「実は……婚約破棄されてしまったので……」
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小説 39,653 位 / 185,525件 恋愛 17,578 位 / 56,295件
文字数 1,461 最終更新日 2023.12.29 登録日 2023.12.29
1895
恋愛 完結 ショートショート R15
身分の高い公爵家に嫁がされた主人公。そこにいた夫は、欲情にまみれた男で、普段は彼女に関心はないが、寝所でばかり愛し合うことを求めるのだった。 そんな日々に耐えられないと感じていた主人公だったが、ある日、夫が夜中、寝所に見知らぬ女性を連れ込んでいたという情報を聞き、状況を打開するために動き出す。
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小説 27,891 位 / 185,525件 恋愛 12,386 位 / 56,295件
文字数 2,802 最終更新日 2023.12.29 登録日 2023.12.29
1896
恋愛 完結 短編
「……つ、疲れた……」 寮に戻ってきたわたしは、部屋に戻って早々ベッドへと倒れ込んだ。 入学式初日からあんなことがあったせいで、精神的な疲れがどっと出た気がする。 いやまあ入学式の挨拶はわたしがやるって決めたんだし?カイルにも『ヴィーカにやらせろ』と頼まれたけど、わたしがやるって決めたから別にいいけど。 ……でも、明日以降の挨拶は誰かに代わってもらったほうがいいかな……。 「いやでも初日の挨拶もあの有様だし、他の上級生にはわたしが目をつけられてるかもしれないんだよね」 わたしはガブリエラ=フェルラルドで、ヴィーカはアルトゥール=ゲゼルということになっているのだから。 そんな立場にある人間が入学式初日に新入生代表挨拶をすっぽかして、なおかつ生徒会長からの挨拶を断るという暴挙をやらかしたとなれば、そりゃあ嫌でも悪目立ちするよね。 「まあいいけど……寝よう」 考え事しているうちに眠くなってきたので、わたしは制服から着替えることもなくそのまま寝ることにした。 さっさと寝て頭をすっきりさせたほうが良い気がするし! * * (……うーん) 翌朝。 目を覚ましたわたしが最初に感じたのは違和感だった。 (身体が痛い……?) このベッドは最高級の品質を誇る学園の備品なのだが、寝心地には定評のある高級品だ。 なのに……妙に身体の節々が痛む気がする。 これはどういうことかと思いながら身体を起こすと、制服のまま寝ていたことに気付いた。 (……制服のまま寝てたのっていつぶり?) 慣れない学園生活で疲れていたのだろうか。 わたしは普段、寝間着に着替えてからベッドに入るし、学園では生徒会役員としての仕事もあるから、こんな格好で寝ることはほとんどないのだが……まあたまにはこんなこともあるだろう。たぶん。 とりあえず、眠気を覚ますためにも顔を洗うことにした。 (……え、ちょっと待って) 洗面所に向かうわたしの足が止まる。 鏡に映ったわたしの顔は……目の周りが真っ黒だった。 (なにこれ!?なんで真っ黒なの!?) 慌てて手鏡を出して確認すれば、黒いのは目元だけじゃない。ついでに言えば顔色も悪かった。そういえばどことなく唇の血色が悪い気もするし、昨日よりも輪郭がシャープになっている気がする! なんで!? 「……っ!?」 呆然と立ち尽くしていたわたしは、急に襲ってきた眩暈に思わず壁に手をついた。 (なんだこれ、身体が……だるい……!) これはどう考えても発熱している。 保健室に行けば解熱剤がもらえるだろうが、入学式の後は在校生から新入生に向けての説明があるはずだ。体調不良を理由に休むわけにはいかない。 (こんなときのための万能解熱薬じゃないの……!?) いやまあ万能は言いすぎかもしれないけど、それでも大抵の病気や不調には効くはずなのに!なんで今朝に限って効いてないの!?
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小説 185,525 位 / 185,525件 恋愛 56,295 位 / 56,295件
文字数 1,273 最終更新日 2023.12.29 登録日 2023.12.29
1897
恋愛 完結 短編
幼い頃に母を亡くした少女・トワは、父親のメイソン伯爵に引き取られるが、妾の子として冷遇される。屋敷の隅の離れに追いやられ、母親の形見の高台と絹糸で組紐を作って過ごすことになる。 夜になると離れに少年・セオドアが忍び込んでくる。小さい頃からセオドアはトワの組紐作りを眺めたり、おしゃべりをしたり、一緒に桜を見たりすることが大好き。 やがてトワが年頃になると、国王の後宮入りの話が持ち上がり──。 ※他サイトにも掲載しています。 ※表紙絵はあっきコタロウさんに描いていただきました。
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小説 185,525 位 / 185,525件 恋愛 56,295 位 / 56,295件
文字数 10,357 最終更新日 2023.12.29 登録日 2023.12.28
1898
恋愛 連載中 長編 R15
「クリスティーナ・ミハイル。貴様との婚約をここに破棄する」 王立学園のサマーパーティ会場において、突然、クリスは皇太子に宣告された。 そうこの話は悪役悪徳令嬢がはかなげな娘をいじめにいじめて挙句の果てに皆の前でその悪事の数々を暴かれ弾劾される話のはずが… クリスは天真爛漫お転婆令嬢だったのに、皇太子の婚約者になったばかりに王妃教育の礼儀作法が苦手。1ミリ違うからってダメ出しされても… おまけに王立学園の物理は世界的な権威がいるからかレベルは世界的に高くて寝る間も惜しんで勉強する羽目に…・ それだけ必死に努力してるのに婚約者は礼儀作法のなっていない娘と人目もはばからずイチャイチャ もう一人の王女は別名暴風王女。礼儀作法って何、食べられるのって感じで、仲の良いお姉さまだけど敵国皇太子と仲良くしていて……… 苦労するのは私だけ? 我慢の限界を超えて… しかし、このクリス、実は建国の戦神、史上最強最悪のシャラザールが憑依していて、そんな彼女に逆らうと… 読んだ人がスカッとするお話書いていくつもりです。 新章始めました 小説家になろう カクヨムでも公開中 この1000年前の物語シャラザール帝国建国秘話はこちら 「娘の命を救うために生贄として殺されました・・・でも、娘が蔑ろにされたら地獄からでも参上します」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/237012270/474495563
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小説 7,740 位 / 185,525件 恋愛 3,690 位 / 56,295件
文字数 981,991 最終更新日 2023.12.29 登録日 2021.05.22
1899
恋愛 完結 長編
伯爵家の次女であるリネ・ティファスには眉目秀麗な婚約者がいる。 私の婚約者である侯爵令息のデイリ・シンス様は、未亡人になって実家に帰ってきた私の姉をいつだって優先する。 彼の姉でなく、私の姉なのにだ。 両親も姉を溺愛して、姉を優先させる。 そんなある日、デイリ様は彼の友人が主催する個人的なパーティーで私に婚約破棄を申し出てきた。 寄り添うデイリ様とお姉様。 幸せそうな二人を見た私は、涙をこらえて笑顔で婚約破棄を受け入れた。 その日から、学園では馬鹿にされ悪口を言われるようになる。 そんな私を助けてくれたのは、ティファス家やシンス家の商売上の得意先でもあるニーソン公爵家の嫡男、エディ様だった。 ※マイナス思考のヒロインが周りの優しさに触れて少しずつ強くなっていくお話です。 ※相変わらず設定ゆるゆるのご都合主義です。 ※誤字脱字、気を付けているつもりですが、やはりございます。申し訳ございません!
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小説 2,146 位 / 185,525件 恋愛 1,081 位 / 56,295件
文字数 123,756 最終更新日 2023.12.29 登録日 2023.12.04
1900
恋愛 完結 短編 R15
伯爵家の長女で跡取り娘だった私。 いつもなら朝からうるさい異母妹の部屋を訪れると、そこには私の婚約者と裸で寝ている異母妹。 どうやら私から奪い取るのが目的だったようだけれど、今回の事は私にとって渡りに舟だったのよね。 婚約者という足かせから解放されて、侯爵家の母の実家へ養女として迎えられる事に。 これまで母の実家から受けていた援助も、私がいなくなれば当然なくなりますから頑張ってください。 面倒な家族から解放されて、私幸せになります!
24h.ポイント 134pt
小説 9,142 位 / 185,525件 恋愛 4,384 位 / 56,295件
文字数 7,651 最終更新日 2023.12.29 登録日 2023.12.27
1901
恋愛 完結 長編
「聖女になれなかったなりそこない。こんなところまで追って来るとはな。そんなに俺を忘れられないなら、一度くらい抱いてやろうか?」 5歳のオリヴィエは、神殿で出会ったアルディアの皇太子、ルーカスと恋に落ちた。アルディア王国では、皇太子が代々聖女を妻に迎える慣わしだ。しかし、13歳の選別式を迎えたオリヴィエは、聖女を落選してしまった。 その上盲目の知恵者オルガノに、若くして命を落とすと予言されたオリヴィエは、せめてルーカスの傍にいたいと、ルーカスが団長を務める聖騎士への道へと足を踏み入れる。しかし、やっとの思いで再開したルーカスは、昔の約束を忘れてしまったのではと錯覚するほど冷たい対応で――?
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文字数 156,230 最終更新日 2023.12.28 登録日 2023.08.13
1902
恋愛 完結 短編
私は理解できずに頭が真っ白になってたいた。 「お父様、もうこれ以上は……」 「そんな男の事など放っておけ!」 私の言葉も耳に入らないのか父は怒りを露わにする。 今までに見た事の無い父の姿に私は恐怖してしまっていた。 「我が家の恥さらしめ! 貴様の様な者が次期当主であるはずがない!」 そんな父の言葉にお母様が泣きながら訴える様に口を開く。 「……あなた、これは余りにも酷いですわ」 「お前は黙っておれ!」 怒鳴る父の言葉にお母様は体を震わせる。 (私のせいだ。私がもっとしっかりしていればこんな……) 自分の力の無さに私は唇を噛んだ。 (私が悪役令嬢として振舞えばこんな事にはならなかったのに) 自分の心の弱さに後悔していた。 そんな時、父が私の方を向きながら口を開く。 「お前がこの家の顔に泥を塗ったのだぞ!」 「お父様、そんな言い方は……」 母の助けにも耳を貸さず父の言葉は続く。 「お前はもう公爵家のご子息に嫁ぐ資格は無い」 父の言葉は深く私の心に突き刺さった。 「そんな! どうしてですか!」 私は父に向かって叫ぶが、父は私を睨みつける。 「お前は公爵家のご子息にふさわしくないと分かったからだ」 そんな父の態度に私は涙を流した。 (こんな事になるなんて……) 後悔しても遅かった。 「お前の処遇については追って連絡する」 それだけ言い残して父は部屋を出て行ってしまった。 「待って下さいお父様!」 私の声にも耳を貸さず父は出て行ってしまったのだ。「そんな……私どうすれば……」 私は一人泣き崩れた。 (私が悪いんだ。お父様に認めてもらえる様にもっと頑張るべきだったんだ) 後悔しても遅かった。 (折角、公爵家のご子息と婚約が整って幸せになれるはずだったのに……) 今までの人生を振り返ると涙が止まらなかった。 それから数日間、私は部屋に閉じこもり続けた。 食事も喉を通る事は無く衰弱していくばかりだった。 そんな私を見かねてお母様が優しく私の背中をさすってくれたのだ。 「ごめんね、リリア。こんな酷い目に遭わせてしまって」 「お母様は悪くないです……」 お母様だって辛いはずなのに私を気遣ってくれたのだ。 そんな時に扉がノックされる。 「リリア様、お久しぶりでございます」 扉の先にいたのはマリアだった。 「どうしてここに?」 私の疑問に答える様にマリアは話を続ける。 「公爵様の計らいでリリア様がお食事を取りに来ていないとお聞きしましたので私がお食事をお運びしに来たのです」 (公爵家のご子息が?) 私が考えているとマリアは私に話し続けた。 「公爵様からリリア様のお気持ちを第一に考えろとご命令を受けましたので……それで、どうなさいますか?」
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1903
恋愛 連載中 長編
伯爵家の四女として生まれたイリーナは、メイドとして王宮で平凡な暮らしをしている。 ある日の早朝、イリーナは鼻歌まじりに日課の掃除をこなしていたところ、偶然にも第二王子であるエリクと出会い、短いながらも穏やかな時間を過ごす。 その日の出来事をきっかけに、何故かエリクから興味を持たれたイリーナは、早朝に王子との密会をするようになる。 当初のイリーナは噂から冷徹で厳格なエリート気質な王子という印象をエリクに持っていたが……共に過ごしていくうちに、イリーナのエリクに対する印象は、国や民を良くすることに全力を注ぐ心優しい勤勉な王子という風に変わっていく。 その一方で、エリクは冷徹な王子という仮面を忘れさせるメイドに、少しずつ心を惹かれていった。 「おはようございます。エリク殿下」 「おはよう、イリーナ。今日も綺麗だな」 「そうですね。早朝の王宮は趣きがあって、毎日見ても飽きないです」 「あぁ……そうだな」 そして、二人は、王宮で起こる様々な出来事を経て、徐々に身分の差を超えた愛を育んでいく。 これは、平凡なメイドと冷徹王子が、夜明けの中で穏やかな幸せを積み重ねていく––朝活の日々を描いた物語だ。
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1904
恋愛 完結 ショートショート R15
貴族の育ちの女性である主人公だったが、自分よりも、容姿・実力ともに優れている妹に劣等感を抱いたまま、無理やり他の貴族の家に嫁がされた。夫となった男は、学問の研究ばかりの変人で、一切の興味を抱いてはくれない。 生きていくうえで全ての希望を失った彼女のささやかな願いは、自由に恋愛をすることになった。 妹がしばらく滞在することになり、意外なことに夫と妹が意気投合してしまう。 ますます居場所を失っていた主人公に、隣の家から来たある青年が話しかける。二人の話は弾み、いつしか主人公は彼に恋心を抱くようになる。 ある日の夜、妹と夫の見てはいけない関係を知ってしまい、彼女のとった行動は…
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1905
恋愛 完結 短編 R18
王都で錬金工房を営んでいるファリ。ある朝、初彼のグルナがうらぶれた風体で店のまえにうずくまっていた。七年ぶりに再会したふたりは、変わらなかったこと、変われなかったことを確かめていって……制服コスプレえっちになだれこみます。なかなか焼けぼっくいに火がつかないので、おいそぎのかたは「♡♡♡」で検索して飛ばしてくださいませ。※純愛ハッピーエンドです。※pixivさんと小説家になろうさんにも投稿しています。
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1906
恋愛 完結 短編
彼はしぶとく帰ってくれません。 「あなたはわたくしに何の恨みがあるのですか?」 「もちろん、君が僕から奪った全てに決まっているだろう」 わたくしは困惑していました。 元婚約者がここまで聞き分けがない人だったとは思いもしなかったのです。 そんなわたくしをあざ笑うように元婚約者は言いました。 「君から全てを奪ったら、次は君の大切な物を奪うとしよう」 (え? 大切なものってどういうことかしら?) わたくしは、元婚約者の言葉が理解できませんでした。 そして、わたくしは大切な物を奪われることになりました。 家族です。 「お爺様! お婆様! お父様とお母様!」 元婚約者が連れてきたのは、彼女を冷遇した家族でした。 彼らは泣き叫ぶ娘を冷たい視線で見下ろしました。 「見苦しいぞ」 「あなたなんて娘ではないわ」 「お前みたいな孫を持った覚えはない」 (何を言っているの? みんな) わたくしは呆然とするばかりです。 家族がそんなことを言うなんて、今まで一度も思ったことがなかったからです。 「じゃあな。僕は君と違って忙しいんだ」 元婚約者はそれだけ言うと帰ってしまいました。 わたくしは泣き叫び、暴れました。 ですが、屈強な男が二人がかりでわたくしを押さえつけるのです。 そのまま連れて行かれてしまいました。 (こんなひどいことをされるほど悪いことをしたかしら?) わたくしはただ、普通の生活がしたかっただけです。 でも、もうどこにもそんなことはできませんでした。 わたくしは泣くことしかできませんでした。 それからわたくしは家族に冷遇されながら過ごしました。 何も言わず、ただ毎日を泣いて過ごしました。 そんな生活が何年も続きました。 もう心はボロボロです。 (誰か助けて) わたくしは心の底から救いを求めましたが、誰も助けてくれません。 そして、ある日のことわたくしはとある人と出会います。 その人はわたくしに言います。 「よく頑張りましたね」 それはわたくしの幼なじみでした。 彼はずっと、わたくしを支えてくれていたのです。 「どうしてここに?」 「君が追放されたと聞いて、いてもたってもいられなかったんだ」 「でも、私はみんなに嫌われているわ」 「そんなことはないさ。僕はずっと君を愛していたよ」 (ああ!) わたくしは嬉しくて涙を流しました。 しかし、それでもふ安でした。 そんなわたくしを幼なじみは優しく抱きしめます。 「もう何も心配いらないさ。安心してくれ」 「本当に?」 「ああ、本当だとも。だから、ずっと僕の傍にいてくれるかい?」 「もちろんよ!」 こうしてわたくしは救われました。 (こんな幸せがあるなんて) わたくしはそれからずっと幸せに暮らしました。
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1907
恋愛 完結 短編
「ねぇ……ユキハ」 「お姉ぇ……?」 「──ごめんね」 そう呟いた冬の表情だけは、なぜか悲しげで── (ユキハ……あなたは知らないでしょうけど) 冬は思い出していた。いや、思い出さずにはいられなかった。自分が犯した過ちを、決して忘れられない己の罪を。 第一回『転生会議』でも、冬は一つの過ちを犯していた。 それは、他の転生者が『異能』を持っていそうなことに気付けなかったことである。 (ユキハが『異能』を使えたということは、【賢者】と【聖女】のどちらかを持っているかもしれないのに……!) 最初から疑いを抱くべきだったのだ。──なぜ、妹の親友である冬が召喚されたのか、ということを。 (その可能性に私は……目先の欲に目がくらんでしまった) 妹への嫉妬心ゆえの失態。 その代償を、冬は身をもって受けることになった。 * 「『異能』……!? どういうことなんですか!?」 「見ての通りだよぉ」 困惑する勇者に、【癒】の勇者──アリア=ノワールは答える。 「冬ちゃんはユキハちゃんに『異能』を使われたんだよぉ」 「……っ! そんな……っ!」 冬が、妹の親友である冬が、最も大事に思っている妹の親友である冬が『異能』を持ってしまったことに、アリアはどうしようもないほど『罪悪感』を覚えていた。 「冬ちゃん……」 「……大丈夫よ」 そんなアリアに、【氷】の勇者──冬は言う。 「もし、『異能』を手に入れたとしても……きっとユキハは私を許してくれるから」 ──だって、あの子は優しいから。だから……たとえ私がどんな大罪を犯したとしても許してくれる。それに……あの子が私を裏切るわけなんてないのよ……? (そうでしょ……? ユキハ?) (──ごめんなさい、ユキハ。でも……こうしないと私は、私が許せないの……!) だから──と冬は、勇者たちの『異能』によってボロボロになった妹に駆け寄る。 「……え?」 そんな冬の行動に驚いたのか、姫は目を見開いていた。 そんな姫の背後に迫る影──それは【銃】の勇者だった。 (……この一撃で仕留める!) 一瞬の隙をついて放たれた弾丸は、確実に姫の命を奪うはずだったが── 「っ!?あぶな……!?」 【癒】の勇者──アリアが、そんな弾丸を防いだ。 (……え? なんで?) そのことが一瞬、【銃】の勇者には理解できなかった。確かにアリアは姫の背後にいたはずなのに、まるでどこから現れるかのように現れたのだから。 「ありがとう、アリアさん」 「ん……」 そんなアリアに礼を言う姫だったが──次の瞬間にはもう次の行動に移っていた。
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文字数 1,029 最終更新日 2023.12.28 登録日 2023.12.28
1908
恋愛 完結 ショートショート
 一人娘の進学だけが楽しみな夫人は、夫との愛など、とっくに無くなっています。夫は浮気していました。離婚届に丁寧にサインしたら、娘の家庭教師が……
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1909
恋愛 完結 短編
パーティーで姉のキャロルと踊る美貌の王子様に憧れた妹のルシル。自分のほうが王子様にお似合いだと、キャロルとの入れ替わりを考えつくが、果たしてルシルの思惑通りになるだろうか。 ※他サイトにも掲載しています。 ※表紙絵はあっきコタロウさんに描いていただきました。
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1910
恋愛 完結 短編
初めてデイン伯爵家に勤め始めた日、シャル・キアットは伯爵であるフーシェ・デインに粗相をしてしまった。罰を与えると告げられ、身の回りの世話を一人でするようにと告げられる。大した罰じゃないと思っていたら……。 ※アルファポリスのみの公開です。
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1911
恋愛 完結 短編
自分と婚約予定の義兄が子爵令嬢の恋人を両親に紹介すると聞いたフィーナは、悲しくて辛くて、やがて心は闇に染まっていった。 義兄はフィーナと結婚して侯爵家を継ぐはずだった、なのにフィーナも両親も裏切って真実の愛を貫くと言う。 許せない!そんなフィーナがとった行動は愛する義兄に憎まれるものだった。 2023/12/27 ミモザと義兄の閑話を投稿しました。 ふわっと設定でサクっと終わります。 他サイトにも投稿。
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1912
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 第三王子の婚約者であった侯爵令嬢アドリアーナだが、第三王子が想いを寄せる男爵令嬢を害した罪で婚約破棄を言い渡されたことによりスタングロム侯爵家から勘当され、平民アニーとして生きることとなった。  なんとか日々を過ごす内に12年の歳月が流れ、ある時出会った10歳年上の平民アレクと結ばれて、可愛い娘チェルシーを授かり、とても幸せに暮らしていたのだが……道に飛び出して馬車に轢かれそうになった娘を庇おうとしたアニーは気付けば6歳のアドリアーナに戻っていた。
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1913
恋愛 完結 短編 R15
「婚約破棄を繰り返す男」 白皙の美青年が婚約破棄を繰り返すのはなぜなのか?元プロファイラーの主人公が、青年のしぐさや言葉から嘘を見抜き、1枚の絵に秘められた想いを解き明かす。 「赤い羽根付き帽子の女」 仮面舞踏会でひときわ注目を集めていた伯爵の美しき愛人が遺体で発見される。どうやら舞踏会から帰宅した直後に居直り強盗に襲われたらしいのだが、一つの疑問が浮かび上がる。ーーーーなぜ彼女は靴を履き替えたのか? 「過去を捨てた老人」 元軍人の老人が殺害された。偽名を使い、過去を隠して生きてきた老人の背負っていた決して赦されぬ罪が明らかになる。 後宮で起こった毒殺事件を解決した、『第二側妃様付きの侍女は嘘を見抜く~転生した元プロファイラーは行動心理学でチートしながら悪を暴く』の侍女&騎士様ペアのその後の短編×3話。 無事に婚約した二人が新たな事件を解決していきます。 この話だけでも大丈夫ですが、できましたら前作より読んでいただけるとよりわかりやすいかと思います。 もう侍女ではなくなってしまい、看板に偽りありになってしまいますが、同じ主人公のためタイトルはそのまま使いました。
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1914
恋愛 完結 ショートショート R15
故郷に愛している男がいるのに、無理やり高貴な貴族に嫁がされた主人公。しかし、そこでの夫には、幼馴染を名乗る女が毎晩のようにやって来て、貴族の夫婦のすべき営みを平然とやってのけていた。 挙句の果てには、その女に「旦那様にふさわしくないし、邪魔」と辛辣な態度を取られ、主人公は故郷の男のもとへ向かう決意を固めたが…
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地味で控えめな公爵令嬢のエレオノーラ。彼女の婚約者は年若く美しいヴィルヘルム王太子である。それが不釣り合いに感じた隣国の王女はエレオノーラからヴィルヘルムを奪おうと思い立つが、エレオノーラの意外な正体が明らかになると──? ※他サイトにも掲載しています。 ※表紙絵はあっきコタロウさんに描いていただきました。
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