現代文学 ヒューマンドラマ小説一覧
大学生となった誉。
慣れないひとり暮らしは想像以上に大変で。
想像もできなかったこともあったりして。
周囲に助けられながら、どうにか新生活が軌道に乗り始めて。
誉は受験以降休んでいたスルドを再開したいと思った。
スルド。
それはサンバで使用する打楽器のひとつ。
嘗て。
何も。その手には何も無いと思い知った時。
何もかもを諦め。
無為な日々を送っていた誉は、ある日偶然サンバパレードを目にした。
唯一でも随一でなくても。
主役なんかでなくても。
多数の中の一人に過ぎなかったとしても。
それでも、パレードの演者ひとりひとりが欠かせない存在に見えた。
気づけば誉は、サンバ隊の一員としてスルドという大太鼓を演奏していた。
スルドを再開しようと決めた誉は、近隣でスルドを演奏できる場を探していた。そこで、ひとりのスルド奏者の存在を知る。
配信動画の中でスルドを演奏していた彼女は、打楽器隊の中にあっては多数のパーツの中のひとつであるスルド奏者でありながら、脇役や添え物などとは思えない輝きを放っていた。
過去、身を置いていた世界にて、将来を嘱望されるトップランナーでありながら、終ぞ栄光を掴むことのなかった誉。
自分には必要ないと思っていた。
それは。届かないという現実をもう見たくないがための言い訳だったのかもしれない。
誉という名を持ちながら、縁のなかった栄光や栄誉。
もう一度。
今度はこの世界でもう一度。
誉はもう一度、栄光を追求する道に足を踏み入れる決意をする。
果てなく終わりのないスルドの道は、誉に何をもたらすのだろうか。
文字数 64,224
最終更新日 2024.05.23
登録日 2024.03.01
大学卒業を半年後に控えた時、「おかん」が背中や腰の痛みを訴えだした。女手ひとつで育ててくれた「おかん」の体には、長年の疲れが溜まっているのだろうと考えた「おれ」は、その体をマッサージする。親孝行しているという自己満足に浸りながら。
だが、その時にはもう、おかんの体は病に冒されていた。
病と闘うおかん。そんな「おかん」を見ていると、「闘って」いない自分を「おれ」は自覚する。幼い頃から「おかん」に甘え、一生懸命とは無縁の生活を送ってきた「おれ」は、適当に生きてきた自分を痛感し、後悔する。
「おれ」は、理由あって高校時代から断念していた野球を再開する。「おれ」なりに、闘う決心をする。
文字数 22,689
最終更新日 2024.05.23
登録日 2024.05.16
文字数 9,087
最終更新日 2024.05.19
登録日 2024.05.19
文字数 8,089
最終更新日 2024.05.14
登録日 2024.05.14
はろはろみんな~!
大人気配信者のちるちょこちゃんだよ☆
ちるちょこちゃんは女の子らしいものが大好き!
好きなタイプは男らしい人!
え? 令和なのに「女らしい」「男らしい」なんてダメ?
それ、なんで?
文字数 3,944
最終更新日 2024.05.04
登録日 2024.05.04
時は平成の初め頃。
牧雄の前から突然姿を消した幼馴染の少女・彰子。
小さい頃から病弱だった彰子は牧雄にとっては愛おしくて守るべき存在だったのに。
【ご注意】第2章以降はDV、虐待、モラハラ等を想起させる場面が含まれます。元々は第1章だけで完結していた作品なので、ストレス耐性の弱い方は第1章までで止めていただいても結構です。
文字数 69,242
最終更新日 2024.05.02
登録日 2024.03.03
普通ってなに?
多様性ってなに?
都内に勤めるOLのさくらは、たまたま入った店で自身の母に再会する。思わぬかたちで母に再会した母は、自身の過去を思い出す。さくらは小学生にあがる前、母方の祖母のもとで育ち、なぜ「普通にできないのか」と言われ、肩身の狭い思いをしたことがあった。そのときに感じた「普通」とは何か、という疑問を抱えながら大人になったさくらは、上京し、「薫ちゃん」と出逢う。
薫ちゃんは世間一般的に見れば、普通ではなく、家から勘当された身だった。
薫ちゃんの生き方が、「普通じゃなくても良い」を体現したものだと思ったさくらは、特に何の目的もないまま同居している。
ふたりでぬるま湯につかるような感覚に浸りながら、日常を送り続けるのかしれない。
文字数 9,675
最終更新日 2024.04.30
登録日 2024.04.30
いじめをきっかけに引きこもりになった今宮戒斗は、家族とも上手くいかず、通院先の主治医にも本音を話せず、孤独に耐える辛い心の内を『カイト』と名乗り、ブログで吐き出しながら生きていた。
そんなある日。カイト宛てに『ユウト』と名乗る人物から一件のコメントが届く。
一方のユウトは、自身の願いを叶える為だけに、戒斗とコンタクトを取っていた。ユウトとしてカイトと接触する悠斗だが、彼には大きな秘密があった。
また、戒斗の友人である高遠絵美は、同級生の些細な一言がきっかけで摂食障害となり、自傷行為の末に入退院を繰り返していた。家族関係に悩み、辛い現実から逃げる為に理想の自分である『幸子』という偽名を使い、存在しない日常をブログに綴ることで心のバランスを保っていた。
各々が秘密を抱えながら、現実とネットの狭間を生きる日々。しかし、些細なことから三人の秘密が暴かれていく。
そして、家族を巻き込みながらそれぞれの秘密や本心と向き合う時。人生の再生と希望への道筋が見え始めたのである。
文字数 107,820
最終更新日 2024.04.26
登録日 2024.04.22
舞台は地方都市四名。とある一軒の楽器店がこの度リニューアルオープンする運びとなりました。
—この作品は架空の地方都市四名市を舞台にした、シチュエーションドラマ形式の短編連作です。
※不定期に連載中
文字数 104,011
最終更新日 2024.04.25
登録日 2024.04.02
文字数 83,846
最終更新日 2024.04.15
登録日 2024.04.02
僕は本気だった。そのために付き合っていた彼女にも別れを告げた。
だけど僕が選んだ人は僕を選ばなかった。自分の意志で抱いた夏が僕の中でいつまでも灼けていた。
文字数 16,092
最終更新日 2024.04.13
登録日 2024.04.13
俺だってできることなら
誰にも迷惑をかけずに
誰にも頼らずに
誰にも見下されずに
”普通に”生きたい。
※だいぶ鬱注意。
着地だけ「イイハナシカナー?」風味。
文字数 10,117
最終更新日 2024.04.13
登録日 2024.04.13
統合失調症。
それは、百人に一人の割合で発症する病気。
世界中の人間の、百人に一人は、統合失調症患者だ。それは、けっして少ない数ではない。
おそらく世間一般には、
統合失調症は「幻覚、妄想を起こす病気」というイメージがあるのではないか。
しかし、この病気の本質は《自我の障害》だ。
自我とは、
《私》と《他人》を隔てる《殻》のようなものだ。
統合失調症患者は、その殻がもろくなる。そして、自分と他人の境目があいまいになっていく。
それによって、さまざまな症状が出現する。
高校生の私(夏音)は、統合失調症の素因をもっており、ストレスに対して脆弱性を抱えていた。
そんな私は、家庭環境や受験によるストレスから、徐々に精神に異常をきたしはじめる。
私の精神状態に大きな変化が起こりそうな予兆がある中、
先に精神に異常をきたしたのは兄だった。
高校三年生の夏、私の兄は、
統合失調症の診断で、
精神科病院に入院した。
兄に初恋に似た感情を抱いていた私は、兄の発病に心を乱されながらも、
精神科病院に通い、兄を見舞う日々を送る。
そんな頃、私にはもう一人、重要な人物が現れる。
兄の入院する精神科病院はとある丘に建っていた。丘には団地もあり、その団地には私と同じ高校に通う少年が住んでいた。私は、その夏、兄の見舞いの行き帰りに頻々と少年と出会う。そして、私と少年は少しずつ心の距離をつめていくこととなる。
私、兄、少年との、三人の人間模様と統合失調症という病を描いた物語。
文字数 42,151
最終更新日 2024.04.08
登録日 2024.03.14
始めてあったのは三十年前、
嫌気が差して離れたものの
縁あってまた再会。昔とちっとも変わっていない。むしろそれ以上に悪い。本人は真剣だが、ちょっと笑っちゃう子供おばさんの話。
文字数 1,423
最終更新日 2024.04.05
登録日 2024.04.05
時を超えて、私達は想いを紡ぎ、繋いでゆく。
大切な人達へ、未来を託す子供達へ。
三つのクリスマスの物語から始まる、私達の青春群像劇!
2021年。流行り病が落ち着きかけた真冬。
演奏家をリタイアしながらも作曲家として細々と音楽活動を続けている蘭。
彼女のもとへ届いたのは卒業した高校からクリスマスの伝統である「くるみ割り人形」の公演の招待状。
雪の気配が足音を忍ばせ歩み来る冬景色、蘭は故郷の福島へと赴く。
2011年。冬休みに一時帰国した音楽院生・蘭は24歳のクリスマスに実家の引き出しから携帯電話を見つける。
高校入学の記念に買ってもらった初めての携帯電話。その中には高校時代にお遊びで作曲した「無題」が残っていた。
ありがちだが耳触りのいい変ロ長調に含まれる暖かさに、懐かしい記憶が甦る。
花と雪山の美しい東北地方の小都市を舞台に、平成から令和を懸命に駆け抜けるヒロイン・蘭と彼女を取り巻く者達が織り成す群像劇。
※ 地名と名称は時代背景に合わせた表記で記しています。
特に地名は過去編と令和編で表記が異なる場合がございます。
地方都市が舞台なので方言や地域特有の姓が複数登場します。
※この作品はエブリスタ様にも掲載しています。
文字数 28,150
最終更新日 2024.03.27
登録日 2024.01.29
「わたしはかれを殺し、かれはわたしを救う。これより半年後のことだ」。
誰とも馴れ合わず、無味乾燥なキャンパスライフを送る十九歳の女子大生、朝野聖子。
聖子の計画は遡ること二年前、父親が宴席帰りの列車内で死亡し、鉄道会社が巨額の賠償金を遺族である聖子の母に請求したことに始まる。
それはクリスチャンである聖子の信仰を打ち砕くに十分すぎるほどであった。 神など存在しない。もしくは、驚くほどの怠け者なのだ。
聖子は工学部に入学し、ふつふつとたぎる怒りを込めて成績を上げてゆく。わたしは——ヒトクローンを造る。
神の業を人間の手によって行なえば、神は神ではなくなる。もし反対に神の逆鱗に触れたのちに裁きが下り死したとしても、なんら価値も意味もないこの世に未練など残すまい。これにより神の存在を、その意義を問えよう——そう思っていた。平松高志に心奪われ、なにもかもを絆されるまでは。
当初、平松は聖子の人生に関わるような人種ではなかった。しかし時間をかけて平松の愛情と、大学オーケストラでの友情が凍りついた聖子の心を溶かしてゆく。
平松との愛は、出会ってたった半年間だけの命だった。その愛に今のわたしがあえて名前をつけるなら——「奇跡」だ。
亡くなった平松高志をこの胸に宿し、聖子は死へと近づこうとしていた。
文字数 193,250
最終更新日 2024.03.21
登録日 2024.01.25
怪物もいなければ、戦いもない。人間達が
織りなすただのドラマ。悲しみあり、苦しみ
あり、鬱展開もあり。『漆黒』の名が示す通り、
ハッピーエンドとは程遠いものばかりの短編集。
稀にハッピーエンドが来るかもしれませんが、
ホントのホントのホントに稀カモです。
世の者達が真に求めてる美しさへようこそ。
しかし、その美しさに魅入られた先に何が
あるのでしょうか。気づいたらもう、後戻りは
できないくらいになっているかもしれません…。
救い?そんなものは多分ありません。何故なら
自分達から、それを捨てたのでしょうから…。
文字数 20,183
最終更新日 2024.03.21
登録日 2023.04.15
文字数 1,473
最終更新日 2024.03.10
登録日 2024.03.10
一回りも年の離れたお友達。
あちらは年下の男バツ1、こちらは年上の女バツ1。お互い親に苦労したせいか話が合う。
文字数 5,017
最終更新日 2024.03.06
登録日 2024.02.03
文字数 5,406
最終更新日 2024.02.25
登録日 2024.02.25
面倒くさがり屋の小山内。中学2年生になった小山内はクラスで政治の話をよくしていた。そんな中、生徒会役員選挙が執り行われる。先生からも友達からも迫られる中、彼の気持ちに変化が生じてくる。彼が取った行動とは?
文字数 1,974
最終更新日 2024.02.13
登録日 2024.02.01
文字数 5,434
最終更新日 2024.02.06
登録日 2024.02.06
社会の波に揉まれながら週5日の就労に勤しむ眉村。現在の世界情勢は揺れている。疲弊した心を背負いながら、生きている。そんな彼に不思議な「ゆめ」が降り注ぐ。ゆめの中でさまざまは社会問題に直面してゆく。
文字数 515
最終更新日 2024.01.31
登録日 2024.01.31
涜聖的な要素はまるでなく、あ、いや、少しはあるものの最後には落ち着いた面持ちで「くそったれ」と少女がつぶやく。苦境に際し人は神へ立ち返るのか、それとも——。『ハッピーレクイエム』の原型となった記念碑的作品。
文字数 5,214
最終更新日 2024.01.25
登録日 2024.01.25
ある精神病院に入院している患者目線からのお話。なんだか希望が持てる、良い話系を目指しました。2000年、つまり20世紀最後の年は、2000年問題が騒がれたり、ミレニアムが流行語になったり。まだ、宇多田ヒカルがデビューして間もない時代だったもんなあ。
追記:精神病院関連の話をシリーズとしてまとめることにして、シリーズタイトルを変えました。
文字数 3,900
最終更新日 2024.01.24
登録日 2023.12.02
苦学生の須加野《すかの》恒裕《つねひろ》は、ある男からはずれくじ、というものを紹介された。
それは当せんするとお金を払い、そうで無ければお金をもらえるという、システムのくじであった。
――宝くじが多くの人が少しだけ損するのに対し、はずれくじは多くの人が少しだけ得をする。
その口車に乗せられ、恒裕はくじの購入をすることに……。
文字数 7,517
最終更新日 2023.12.31
登録日 2023.12.31
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