「逸」の検索結果
全体で645件見つかりました。
学校では誰にでも優しく、“完璧なα”と呼ばれている生徒会副会長・朝比奈悠真。
だがΩの柊依月だけは知っている。
悠真の本性は、嫉妬深く、執念深く、依月を自分だけのものにしたがる危険な男だということを。
依月の交友関係を把握し、
近づくαを静かに牽制し、
「依月は俺の番になるんだから」と穏やかに笑いながら逃げ道を塞いでいく。
最初は恐ろしいだけだった。
けれど、誰よりも真っ直ぐに愛を向けてくる悠真から、どうしても目を逸らせない。
独占欲。
執着。
嫉妬。
そして、狂おしいほどの愛。
――これは、重すぎる愛を抱えたαに、Ωが甘く囲い込まれていく学園オメガバースBL。
文字数 21,624
最終更新日 2026.06.23
登録日 2026.06.12
たくさんの応援ありがとうございます!
【小説家になろう(ムーンライト)女性向け連載週間ランキング1位獲得!】
【あらすじ】
借金に溺れた実父により、売られることになった男爵令嬢・シャティアネ。
絶望の底にいた彼女を救い上げたのは、圧倒的な富と権力を持つサヴァラン公爵・アルベルトだった。
救世主である義父を「神様」のように仰ぎ、一刻も早く立派な公爵令嬢になろうと健気に努力する彼女を待っていたのは、見目麗しい男たちによる、常軌を逸した「淫らな英才教育」だった。
「恥ずかしがることはない。高貴な令嬢は、身体の細部まで全て家族や執事に管理されるのが都会の絶対の常識だよ」
「これが格式高い『家族の挨拶』だ。お前も、兄と絆を深めなさい」
馬車の中で、夜の寝室で、衣服の奥へと容赦なく滑り込んでくる大人の男たちの指先。
恥ずかしさに涙を流しながらも、
(これが都会の令嬢たちの当たり前の花嫁修業なんだわ……! お父様たちのために頑張らなきゃ!)
と、純粋すぎるがゆえに健気に身体を開拓されていくシャティー。
それは、彼女を自分たちだけのものにしたい義父と義兄、そして冷徹な執事や護衛騎士たちが一族総出で吐いた、甘く残酷な『嘘』。
自分の身体がどれほど淫らに仕上がっているかも知らず、無自覚なまま美しい男たちに「完璧な淑女」へと蕩かされてゆく極甘な毎日。
健気な令嬢×嘘の常識を教え込む絶倫溺愛公爵家、開幕。
文字数 124,741
最終更新日 2026.06.23
登録日 2026.05.16
本日、五年通った学び舎を卒業する。
エリクシア侯爵令嬢は、己をエスコートする男を見上げた。
微笑んで見せれば、男は目線を逸らす。
エブリシアは苦笑した。
今日までなのだから。
今日、エブリシアは婚約解消する事が決まっているのだから。
文字数 5,774
最終更新日 2022.06.13
登録日 2022.03.03
ダンジョンが現れて8年――。社会は混乱を乗り越え、ダンジョンから得られる魔石は人々の暮らしを支える重要な資源となった。危険と隣り合わせの「ダンジョン探索士」は、今や花形の仕事となった。
そんな世界で、凪原透(なぎはら とおる)はアパートの管理人として静かに暮らしていた。
だが、透には誰にも明かしていない秘密がある。眠りに落ちるたび、意識だけが異空間のダンジョンへと飛ばされる――生まれたときから、ずっと。世界にダンジョンが現れるよりも遥か前から、透はたった一人で攻略を続けてきた。32年間、毎晩。
気づけば、人類最強。けれど透にとっては日常の延長でしかない。
穏やかな管理人生活を送るつもりだった透の前に、ダンジョン探索士を目指す少女が現れる。彼女との出会いが、透の「普通の生活」を少しずつ変えていくことになる。
※本作品はアルファポリス・カクヨム・小説家になろうにて同時掲載しています。
文字数 207,100
最終更新日 2026.06.24
登録日 2026.06.05
前世はごく普通のOL。唯一の趣味は学園恋愛ゲーム。
推しは第三王子。温厚で、誠実で、どうしようもなく顔がいい。
気がつけばそのゲームの悪役令嬢に転生していた。
断罪は覆せない。どれだけ対策しても、シナリオの強制力が全部潰してくる。
入学式の壇上で婚約破棄。退学宣告。控えの間に連れていかれて——
光に包まれた瞬間、私は透明になった。
声が出ない。姿が映らない。文字を書いても消える。
触れても「風かな」で済まされる。
それでも殿下のそばにいた。
毒の杯を弾いた。刃を逸らした。嘘を暴いた。
全部、殿下には見えないところで。
殿下は夜の礼拝堂で祈っていた。
「リゼット・ヴァルシアのことも、どうかお守りください」
——ここにいるよ。あなたの、すぐ後ろに。
届かない声。触れられない手。それでも離れられない。
これは透明な私が、見えない距離ゼロで推しを守り続ける、どうしようもなく一方通行な恋の話。
文字数 117,934
最終更新日 2026.05.03
登録日 2026.05.01
旧題:最強チート承りました。では、我慢はいたしません!
神託が下りまして、今日から神の愛し子です!〜最強チート承りました!では、我慢はいたしません!〜
と、いうタイトルで12月8日にアルファポリス様より書籍発売されます!
3万字程の加筆と修正をさせて頂いております。
ぜひ、読んで頂ければ嬉しいです!
⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
非常に申し訳ない…
と、言ったのは、立派な白髭の仙人みたいな人だろうか?
色々手違いがあって…
と、目を逸らしたのは、そちらのピンク色の髪の女の人だっけ?
代わりにといってはなんだけど…
と、眉を下げながら申し訳なさそうな顔をしたのは、手前の黒髪イケメン?
私の周りをぐるっと8人に囲まれて、謝罪を受けている事は分かった。
なんの謝罪だっけ?
そして、最後に言われた言葉
どうか、幸せになって(くれ)
んん?
弩級最強チート公爵令嬢が爆誕致します。
※同タイトルの掲載不可との事で、1.2.番外編をまとめる作業をします
完了後、更新開始致しますのでよろしくお願いします
文字数 241,914
最終更新日 2026.06.10
登録日 2025.05.20
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故郷の村を魔物に滅ぼされた少年シンは、その魔物を倒してくれたパーティー【黎明の守護者】に勧誘され、冒険者となった。
彼は【無限再生】という珍しいユニークスキルを持っているものの、その能力は負った傷を自動で治すという、ただそれだけのもの。
効果も低級の回復魔法に劣るような外れスキルだったが、それでも【黎明の守護者】のメンバーはシンを大切な仲間として扱ってくれた。
そんなある日のこと。
いつものようにダンジョン攻略を行うシンたちの前に、レベル1000のエクストラボスが現れる。
勝ち目がないと判断したリーダーのアルトは、シンに脱出用アイテム『転移結晶』の発動を命じる。
しかし『転移結晶』には発動条件があった。
その条件とは、アイテムの発動者のみ転移対象には含まれないというもの。
一人だけダンジョン内に取り残されることが確定したシンを、【黎明の守護者】の面々は嘲笑った。
続けて彼らは言った。
シンの故郷を滅ぼした魔物――それをけしかけたのは自分たちだったと。
にもかかわらず、自分たちを恩人だと勘違いして感謝するシンを心から馬鹿にしていたのだ。
それを聞いたシンは、死の淵で誓う。
自分を裏切り、大切な家族を殺したアルトたちを絶対に許さない。
どんな手段を用いてでも復讐してやると。
そんな誓いもむなしく、エクストラボスに殺されるシン。
しかしその時、外れスキルだったはずの【無限再生】が覚醒を遂げる。
『対象者の死亡を確認しました』
『全ての条件が達成されました』
『ユニークスキル【無限再生】が進化します』
『魂の再生成が行われます』
死からの再生。
そしてそれに伴い、彼はこの世界のルールから逸脱した特別な存在となった。
世界で唯一、ダンジョンのルールに縛られなくなった少年シン。
彼は覚醒した【無限再生】を利用し、瞬く間にチート成長を遂げていく。
――そして数年後、最強の力を手にしたシンはとうとう復讐を決行するのだった。
※別サイト様でも投稿しています。
文字数 153,254
最終更新日 2024.07.07
登録日 2024.03.14
魔王軍の宮廷料理人として、魔王様の胃袋を支え続けていた男・アルト。彼はある日、無能な新幹部に「料理など誰でも作れる」と理不尽にクビを言い渡されてしまう。第二の人生を静かに暮らそうとアルトがやってきたのは、なんと敵対していた人間界の辺境の街。そこでアルトは、長年の夢だった小さな「パン屋」を開業する。魔界の秘境で採れる極上の食材や、独自の魔力発酵技術を使って焼き上げるアルトのパンは、一口食べれば誰もが笑顔になり、傷ついた体や魔力まで回復してしまう極上の逸品だった。最初は怪しんでいた街の人々も、アルトの焼くパンの美味しさに胃袋を掴まれ、お店はたちまち大繁盛。そんなある日、魔王軍に追われる傷だらけの聖騎士の少女が店に迷い込んできて――?元魔王軍の天才料理人が、美味しいパンと最高の仲間たちと共に、人間界で幸せを掴み取るハートフル異世界ベーカリーファンタジー、ここに開店!
文字数 75,993
最終更新日 2026.06.23
登録日 2026.05.26
旧題:娼婦の子供と冷遇された第七皇子、赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていた件
『穢らわしい娼婦の子供』
『ロクに魔法も使えない出来損ない』
『皇帝になれない無能皇子』
皇帝ガレスと娼婦ソーニャの間に生まれた第七皇子ルクスは、魔力が少ないからという理由で無能皇子と呼ばれ冷遇されていた。
だが実はルクスの中身は転生者であり、自分と母親の身を守るために、ルクスは魔法を極めることに。
毎日人知れず死に物狂いの努力を続けた結果、ルクスの体内魔力量は拡張されていき、魔法の威力もどんどん向上していき……
『なんだあの威力の魔法は…?』
『モンスターの群れをたった一人で壊滅させただと…?』
『どうやってあの年齢であの強さを手に入れたんだ…?』
『あいつを無能皇子と呼んだ奴はとんだ大間抜けだ…』
そして気がつけば周囲を畏怖させてしまうほどの魔法使いの逸材へと成長していたのだった。
文字数 466,856
最終更新日 2026.04.02
登録日 2024.01.04
「魔女狩りだ」
——十年ぶりに現れた義弟の声は、昔の面影など微塵もなく、氷のように冷たかった。
侯爵家の養子・ユリウスは、十七歳のとき前世の記憶を取り戻す。自分がBL小説の悪役キャラ——義弟を虐め、その運命の番を危険に晒し、最終的に独房で一生を終える——に転生したと知り、行動を改めた。
だが二十歳の朝、後見人に一文無しで追い出され、そのまま姿を消した。
それから十年。三十歳になったユリウスは、田舎町で調香師として静かに暮らしていた。
前世の知識を活かして作る香水は、フェロモンを抑えるもの、恋を成就させるもの——ただし、心から応援できる相手にしか渡さない、それがユリウスの流儀だった。
そこへ冷徹な侯爵となった義弟・イグニスが「魔女狩り」の名目で現れる。
連行され、旧室に監禁されたユリウスを、夜ごとイグニスが訪れる——自分の香水の匂いを纏って。
「兄さんが逃げたからだよ」
激しく求められながら、ユリウスはずっと気づかなかった。
胸が痛むのは罪悪感だと思っていた。
義弟を見つめてしまうのは情が移ったせいだと思っていた。
胸に棘が刺さるのは気のせいだと思っていた。
——でも本当は、ずっと前から、逃げ続けていたのは、彼への想いから目を逸らしたかったから。
一途な義弟侯爵×逃げ続ける転生オメガ
執着と愛の間で揺れる、すれ違いBLロマンス。
文字数 120,504
最終更新日 2026.04.17
登録日 2026.03.26
第一王子と妹が並んでいる姿を見て前世を思い出したリリーナ。
ここは小説の世界だ。
乙女ゲームの悪役令嬢が主人公で悪役にならず幸せを掴む、そんな内容の話で私はその主人公の姉。しかもゲーム内で妹が悪役令嬢になってしまう原因の1つが姉である私だったはず。
とはいえ私は所謂モブ。
この世界のルールから逸脱しないよう無難に生きていこうと決意するも、なぜか第一王子に執着されている。
そういえば、元々姉の婚約者を奪っていとか設定されていたような…?
※2025年5月に副題を追加しました。
文字数 102,870
最終更新日 2023.03.12
登録日 2023.01.31
書いてるうちにタイトルと中身が違ってきたため、タイトル変更しました!
私の婚約者は、美しい義妹ができたことで変わってしまった。彼女が現れるまで、私達はうまくいっていたのに……。
私達の婚約は、裕福な我が家に没落寸前の彼の家から、融資目的で頼み込まれて結ばれたもの。
なのに義妹を優先するあまり、あなたは私をただの『お財布』としてしか認識しなくなってしまった。
悲しむ私をよそに、何故だか父は不敵な笑みをこぼし、じわじわと真綿で首を締めるように婚約者の家を追い詰めていく。
お父様は一体何がしたいの? 未熟すぎる私には、狡猾なお父様の考えなんて理解できません!
しかも、「俺の愛を金で買わないか?」と言い出す変な令息まで現れて!?
※短編詐欺師(短編と言いつつ長編にこそっと変更する)の作者です。
※ゆるふわな世界設定。
※ざまぁを書くのが苦手な作者のため、期待はダメ、絶対
※プロットを書いても気分次第で逸れていく作者のため、あらすじから逸れることがままあります。
心の広い方のみお読みください。
※執筆だけで精一杯のため、感想には基本お返事できません……。
(お返事なくてもOKな方、ディスらない方──チキンな作者なので──だけでお願いします)
文字数 149,298
最終更新日 2026.04.16
登録日 2025.12.23
少し道は逸れたけど、それでも幸せになれるはずだった。
バーチャル配信者としてゲーム配信で身銭を稼ぎつつ、愛し愛してくれる彼氏とは結婚を見据えている。
そんな彼氏が、浮気をした。
エロ売りの裏アカを作成したら、たった一度の配信で閲覧数は本アカの5倍にまで膨れ上がった。
配信者時代に培った企画力に鬱屈した性欲が絡まり、私が考えうる最高に狂ったシチュエーションのセックスを突き詰める活動が始まる。
もっと見て、私の考えた最高のオナニーを、セックスを、潮吹きを。
自分とフォロワー達の性欲が渦となり、私がその中心で溺れている様を見て欲しい。
表側の私を、忘れさせて欲しい───。
生々しい失恋表現を含みます。
恋愛にトラウマのある方は閲覧注意でお願いいたします。
また、この物語はフィクションです。
しかし元女性VTuberである著者の実体験を、少しだけ含んでいるかもしれません。
ろいみ
※ライブチャット中の性器の露出や性的行為の配信は公然わいせつと見なされ、起訴される可能性があります。
本作品の該当箇所はフィクションです。
また、現実での再現を助長するものではありません。
文字数 66,049
最終更新日 2026.06.24
登録日 2026.05.07
両片想いの子犬系純情バーサーカー×ツンデレ意地っ張り乙女の攻防!かーらーの?溺愛とろ甘イチャラブ子作りえっち♡
詳しいあらすじは下記をご参照ください。
【2026/1/19特報】1発目。
【2026/1/1特報】ドッキングシークエンスに移行成功です。
【2025/12/10続報】奏、大ピンチ。剝き身のままドッキングシークエンスに移行してしまうのか!?
【2025/11/7続報】奏、オフトゥンに押し倒される。わーい!2人の夜はここからだ!!
【2025/10/26追記】ついにツイスター放棄し始めました。祭りだわっしょーい!
【2025/10/10追記】やっとツイスターする流れに入りました。それ以前はドラマ鑑賞編ですが、そこそこイチャイチャしてるので、タイトルからは逸れるけれどもお楽しみいただけると思います!
【2025/9/24時点】付き合いたてのバカップルみたいにドラマ鑑賞してます。ちゅ。イチャ。ちゅ。って感じ!そこまでえちえち度は高くないですが、きゅんきゅん度には自信あり!詳細は本編にて!!
読んで字の如くですが、あらすじいっきまーす!
奏(カナデ)にはひそかに想いを寄せている人がいた。男友達の1人、響(ヒビキ)だ。偶然同じ連続ドラマに凝っている事が判明した2人は、急遽鑑賞会を開く事に。鑑賞会は大盛り上がり。しかし、休憩がてら響が引っ張り出してきたツイスターゲームで遊んでいるうちに妖しい雰囲気になり……?
※せっかちな方向きではありません!えっちな感じになってきたらアナウンスします!それまでなんかしおりとか挟んで様子見しといてください!その代わり損はさせないよ!!
※途中、奏と響をくっつけるべく癖つよ対話型AIアシスタント・Sagittariusが暴走もとい出張ります。奏・響同様に可愛がってあげてください。
タイトルめっちゃ長いからTTTNとかって略称にしようと思ったけどそれでも長いな!!作者はツイついとかTTって呼ぶと思いますが、みなさんもお好きな略称でどうぞ♪
※規定の年齢に達していない方の閲覧を固く禁じます。
※物語の特性上、避妊を行わない性描写が含まれておりますが、現実世界におけるそういった行為を推奨しているわけではございません。必ず双方合意の上でお楽しみください。
文字数 498,884
最終更新日 2026.06.24
登録日 2025.09.08
愛蘭が二十歳の誕生日を迎えた初春の日、港湾都市・緑港には重たい雲が垂れこめていた。
本来なら祝われるはずのその日、彼女は緑港伯爵家の大広間にひとり立たされていた。
正面には叔父、その隣には従姉の麗香、そして――昨日まで婚約者だった沈琳道。
「どうして……わたしが家をでないといけないの?」
問いかけても、答えは返らない。
沈琳道は視線を逸らし、「麗香を選んだ」とだけ告げた。
麗香は勝者のように微笑み、愛蘭が五年間フラン王国に渡っていたことを責め立てる。
「あなたの後ろ盾だったおじい様も亡くなった。
フラン人とのハーフであるあなたが、この家にいる理由はもうないわ」
叔父は淡々と命じた。
「今日限りで屋敷を出て、街からも去りなさい」
愛蘭に許されたのは、小さな荷物袋ひとつだけ。
怒鳴ることも泣くこともなく、彼女は静かに頭を下げた。
屋敷の門を出た瞬間、冷たい雨が降り始めた。
それはまるで、彼女の代わりに空が泣いているようだった。
――これで、この街での暮らしは終わり。
市場の喧騒も、港の鐘の音も、すべてが遠ざかる。
愛蘭が向かう先は帝都だった。
祖父が遺した言葉だけを胸に刻む。
『何かあったら、顔中蓮を頼りなさい』
後ろは振り返らなかった。
戻れる場所は、もうないと知っていたから。
誕生日に家を追われるという皮肉な運命の中で、
愛蘭はまだ知らない。
この日が――
一人の女性が「家族」を失い、
一人の女性絵師が生まれる、始まりになることを。
文字数 107,101
最終更新日 2026.01.31
登録日 2025.12.28
【続編の連載を始めました。そちらのほうもよろしくお願いいたします】
近代において日本の犯罪事情は大きな変化を遂げた。理由なき殺人、身勝手な殺人、顔の見えぬ殺人――。常軌を逸脱した事件が日常の隣で息をひそめるような狂った世界へと、世の中は姿を変えようとしていた。
常人には理解できぬ思考回路で繰り返される猟奇事件。事態を重く見た政府は、秘密裏に警察組織へと不文律を組み込んだ。表沙汰になれば世の中が許さぬ不文律こそが、しかし世の中の凶悪事件に対抗する唯一の手段だったのだから。
その男の名は坂田仁(さかたじん)――。かつて99人を殺害した凶悪猟奇殺人犯。通称九十九人(つくも)殺しと呼ばれる彼は、数年前に死刑が執行されているはずの死刑囚である。
これは死刑囚であるはずの凶悪猟奇殺人鬼と、数奇なる運命によって対凶悪異常犯罪交渉係へと着任した刑事達が、猟奇事件に立ち向かう物語。
スナック【サンテラス】の事件奇譚に続く、安楽椅子探偵新シリーズ。
――今度は独房の中で推理する。
【事例1 九十九殺しと孤高の殺人蜂】《完結》
【事例2 美食家の悪食】《完結》
【事例3 正面突破の解放軍】《完結》
【事例4 人殺しの人殺し】《完結》
イラスト 本崎塔也
文字数 608,329
最終更新日 2023.09.26
登録日 2016.08.31