ライト文芸大賞エントリー 小説一覧
281
彼女と僕のありふれた。でも、かけがえのない恋の話
街で噂の「美人精神科医」である宇佐美夏海。なのに、夏海は独身で彼氏すらいない。
そんな彼女の元に、仕事の多忙さから精神的に参ってしまった小説家・瀬戸昴が、受診に来る。期待どおりに美人な夏海に昴は一目惚れする。
二人は付き合い、日々を共に過ごしてゆく中で、近づいてゆく。
しかし、昴が『小説を書けなくなっていること』が判明する。
『不器用でも、惹かれたい。という気持ちが寄り添ってゆく』大人の恋愛話。
ー ー ー
宇佐美夏海(二十五歳・精神科医)
黒髪にフワフワセミロングの女性。
おっとりしていて、喫茶店巡りが趣味。
瀬戸昴(二十七歳・小説家)
黒髪ウルフヘアの男性。
たまにメガネをかけている。
堅い見た目だが、甘いものが好き。
282
cherry 〜桜〜
学校の片隅に植えられていた、枝垂れ桜。
その樹に居座っていたのは、同じ年齢に見える少女だった。
「つきましては、一つ、お頼みしたいことがあるのです。よろしいですか」
283
君に春を届けたい。
桜の鉢、春になる訪れる季節の顔。
ふと花屋の前を横切ると、目に止まりませんか。
春を待つ“流川桜”、春を届けたい“水雲一心”。
二人の出会いは、なんてことない公園から始まる。
一夏の恋模様を描いた物語。
出会うきっかけとは、春を待ち春を届けたいとは。
満開に咲き誇る、大木の桜ではなく。
力強くも美しく桜一本の桜。
人によって春の顔は様々。
そんな、二人の春を物語にしてお届け。
284
ほんわかさん
ふと、心が疲れたときに現れる小さなお店「ほんわか堂」
そこでは、お悩みをそっとこぼすかわりに、ちいさな「おくり物」が手渡されます。
お店に訪れるのは、人生に少しだけ立ち止まった人たち。
夢に迷う人、恋に傷ついた人、忙しい日々に埋もれてしまった人……
小説『ほんわかさん』は、そんな“悩みとやさしさ”を集めたお話です。
どのお話から読んでもお楽しみ頂けます。
「ほんわか堂」は、今日もふわっと、あいています。
──あなたの心にも、そっと灯りがともりますように…。
285
ハセオ草紙!~銀のスプーンを守る爆食美少女と同居して格ゲーで世界を救います~
e-スポーツのプロプレイヤーを目指す独り暮らしの高校生、長谷尾英輔(はせお えいすけ)に勝負を挑んだのは、魔神の目をした老人だった。
「この時間、戦い取ってみせるか?」
銀のスプーンの音と共に与えらえたのは、ガラスの瞳を持つ美少女、長月紫衣里(ながつき しえり)。
「1か月の間、このスプーンを鳴らしてはならない」
だが、その時間は、新たな戦いと極貧の日々だった!
幸運をもたらす銀のスプーンと紫衣里を狙う巨大コングロマリットの間の手が迫る。
紫衣里の運命は?
バイト先の気になる彼女との関係は?
すべてに決着をつけるべく、長谷尾英輔はe-スポーツの世界ランカーとの、仕掛けられた戦いに挑む!
(AI補助利用によるアイデア出しを行っています)
286
おにぎり食堂『そよかぜ』
観光地からそれほど離れていない田舎。
山の麓のその村は、見渡す限り田んぼと畑ばかりの景色。
そんな中に、ひっそりと営業している食堂があります。
おにぎり食堂「そよかぜ」。
店主・桜井ハルと、看板犬ぽんすけ。そこへ辿り着いた人々との物語。
287
魔法使いと繋がる世界EP1~三つ子の魂編~
※当作品は長い構想を経て生まれた”青春群像劇×近未来歴史ファンタジー”長編シリーズ小説です。
イントロダクション
西暦2059年
生き別れになった三つ子の魂が、18年の時を経て、今、巡り合う。
それは数奇な運命に導かれた、少年少女たちの長い一年のほんの始まりだった。
凛翔学園三年生、幼馴染三人組の一人、樋坂浩二(ひさかこうじ)、生き別れとなった三つ子の長女、稗田知枝(ひえだちえ)のダブル主人公で繰り広げられる、隠された厄災の真実に迫る一大青春群像劇。
エピソード①~三つ子の魂編~
<あらすじ>
新年度、小学生に進学する妹の真奈(まな)の入学式に出席するため、兄の樋坂浩二と隣近所で幼馴染の永弥音唯花(えみねゆいか)は真奈の入学式を見守る。
その日の夕方、入学パーティーのための買い出しに出掛けた樋坂浩二は下り坂で逃げ出した旅行用カバンを追いかける魔法使いのような容姿をした少女を見かける。
少女の名は稗田知枝、知枝はアメリカからやってきた帰国子女で、生き別れになった三つ子の姉弟との再会、祖母との約束を果たすため、凛翔学園に転校してきた。
新年度が始まり、クラスメイトとなった浩二と知枝、三つ子の存在を明かされ驚きつつも、その日の夕方、浩二と唯花は知枝が雨の降りしきる公園で座り込んでいるのを見つける。
西暦2059年、未だ原因不明とされる未曾有の厄災から30年、復興を遂げた街に再び魔法使いが訪れるとき、新たな物語が紡がれようとしていた。
表紙イラスト:ミント様(@mint_9_9)
タイトルロゴ:ささきと様(@sskt_s)
288
夏草の露
地図に載らない伝説の遊園地廃墟。そこへ集ったのは望んだ者たちと望まなかった者たち。古くからの因縁と疑心暗鬼が交差する中で見つかる真実は、果たして何をもたらすだろうか。
289
イオリの海
夢喰いバク。
それは歪んでしまった悪夢を修理し、人々を導く夢の中の天使。少女イオリもそんなバクのひとりだった。
人々の夢を愛し、バクとしての役目を果たしながらも、夢の中でしか生きられない自分に寂しさを感じるイオリ。ただ見つめているだけではなく、自分自身の人生を手に入れたい……。
そんな彼女はある日、くじらの夢を見る少年・圭と出会い、ある決断をする。
一方、圭は現実の世界で鬱々と日々を過ごしていた。
理由はクラスで<幽霊>としてあつかわれている、いじめられっ子の森崎そら。圭は彼女の存在を持て余していたが、とある夢をきっかけにそらに興味を抱き始める。
そして夢の世界と現実の世界が交わる時、圭とイオリは……。
290
千の春を超えても
高校1年生の小島千春はある土曜日、登校中に不思議な少年、児島白兎〈こじま はくと〉と出会った。
人助けをしたいという白兎に、半信半疑のまま手を貸した千春だったが、その能力と人柄に次第に想いを寄せ始める。
けれどある時を境に連絡は途絶え、やっとの思いでみつけた児島白兎は、千春のことをまるで覚えていないばかりか、性格もかなり違っていた。
検証すればするほど大きくなっていく「二人の白兎」の食い違い。
どちらも嘘をついていないとしたら、この奇妙な現象はどこに繋がっていくのか。
いつもは素直に会話もできない母親(物理学講師)も巻き込み、千春は「あの日の白兎」を取り戻すべく、奔走する。
291
君が選んだ花は言葉として形になる
ことごとくたくさんの選択を間違えてきた藤田健人(ふじた けんと)
友達も多く、高校生活も謳歌してるがいつもどこかズレた選択をしてしまう。
そんな健人が、同じクラスの野上心(のがみ こころ)に彼女の祖母が経営している過去の選択や、未来の選択を変えることが出来る花屋を紹介してもらう。
だが、その不思議な花屋は花言葉によって、薬となり毒ともなる訳アリだった。
自分の選択に葛藤し、自分を信じられるようになる少し切ない青春ラブストーリー
表紙のイラストのみAIで作成しております。
292
ファインダー越しの君と過ごす夏
大学生の俺は、中古でカメラを買った。
そのカメラには元の持ち主の魂が宿っていたらしく、ファインダーを覗くと女子高生の幽霊が見えた。
どうやら念願のカメラを手に入れたものの、撮りたい写真を収める前に事故死してしまったらしい。
大学2年生の夏休み、俺は幽霊憑きのカメラを持って旅をすることになる。
目標や夢を持てずに時間が流れるままに過ごす灰色だった日々が鮮やかに色づいていく――
293
女体化で人生イージーモード?
サラリーマンだった僕がいつの間にか女になっていた...
いまや、ありきたりのTS小説。
駄文ですが、奇特な方はお付き合いください。
※本作品はR18です。
18才未満の方、エロや下ネタが苦手な方はご遠慮ください。
294
アルファランドより、恩赦を込めて。
アルファランドは、25周年を迎えた不思議な遊園地。来園者は皆、“人生で最も後悔している瞬間”を取り戻すチャンス(=恩赦)を与えられる。だが、その恩赦を受けられるのはたった1人。
参加者たちはそれぞれの後悔を具現化した“キャスト”たちと対峙し、自分の過去を赦すか、他者の過去を奪うかを迫られる。
295
雨宿り喫茶で初恋を
商店街の片隅にある喫茶店『おもひで』は雨の日だけ開店している変わった店。
その喫茶店の看板メニューである『おもひでコーヒー』は客の忘れられない初恋を思い出させてくれるというが──。
※表紙はフリー素材です。
296
きらめく水面に、思い出は棲む
主人公の湊は泳げない。
放課後にひとり練習しているところを、結城すい に見つかってしまった。
彼女の誘いにのって、湊は泳ぐ練習をすることになる。
人懐っこく笑う表情、未だに幼さを感じさせる声。その愛らしさは昔と変わらない。
すいは人魚姫の姿に変身できるという。
不思議なことが起こりつつも、楽しい授業は進んでいく。
交わる過去の思い出。リフレインする恋心……。
きらめく水面に映る、恋のものがたり。
297
観葉植物少女
あらすじ
静野水樹は変化を嫌い静寂を好む高校二年生。そして、彼の部屋にはポトスの亡霊で少女の姿をしたハナシが住み着いている。
ハナシと住んで一年がたったある日、水樹の日常に変化が訪れようとしていた。様子がおかしいことをハナシ気づかれ、水樹は悩みを相談することに……
[重複投稿] 小説家になろう ノベマ! カクヨム
298
図書室の君と、最後のページで恋をする
図書室でいつも静かに本を読んでいた彼女。
気になる存在なのに、話しかける勇気がなかった。
そんなある日、彼女が落とした一冊の本の中に、僕宛てのメッセージが残されていた。
299
君は誰に夢をみるか
白崎夕一は五十代の会社員。年金にも世界情勢にも不安を抱いており、妻との間に大きな問題を抱えている。彼はある日、生きづらい人々の会合に参加した。そこでは、介護疲れなど家族関係に悩む人々が、誰憚ることなく心の叫びを口に出していた。ストレスを言葉にし、吐き出してよい場所。明日へ向かうための休憩所。夕一もまた、抑圧に苦しむ女性の声に耳を傾けながら、行き詰った自分の世界の再構築に取り掛かる。救いのある展開です。全5話。
300
3秒間の永遠〜たった3秒だけでいいから、あなたに想いを届けたい〜
打ち上げ花火の企画、製造、打ち上げを請け負う、野々瀬煙火工業の次男坊、徹平は、花火が大嫌い。家族に反発し家を出るも、就職活動に失敗し、アルバイトを掛け持ちする日々を送っていた。
そんなある夜、一本の電話が徹平の元にかかってきた。電話の主は、義理の姉、椿。椿は、兄、恭介の妻であり、徹平の初恋の相手でもあった。
彼女の話によると、恭介が、花火の打ち上げに失敗し、怪我をしたという。
取るものも取り敢えず、病院へと向かった徹平だったが……。
花火が嫌いな花火工場の次男坊、徹平が、兄嫁への秘めた想いと、その運命に翻弄されながらも、紆余曲折を乗り越えて成長していく、心温まる物語。
301
魔法使いアデル
ある日、1人の魔法使いが田舎町を訪れた。
それは年の離れた従姉妹の面倒を見てくれと頼まれたからだ。
最初は穏やかな町だと思っていたが、ある違和感に気づく。
その違和感の正体を探るべく、魔法使いは従姉妹と共に町を散策する事にした。
※縦書きで読む事を推奨します。
302
枯れ落ちる花
美咲と優菜は大学の友人同士。
しかし、二人の間にはあまり人には言えない秘密があった。
「ねえ、よそ見しないでよ」
303
人魚はたゆたう
病弱な姉の為に生かされていた妹…ついにその短い生涯を終える時が来た…はずだった。
304
編集プロダクション・ファルスの事件記事~ハーレム占い師のインチキを暴け!~
編集プロダクション・ファルスに持ち込まれた一通の手紙。そこには、ある女性からのSOSが隠されていた。
彼女は男性占い師に軟禁され、複数の女性達と共同生活をしているらしい。手紙の女性を連れ出すため、ファルス社員の織田朔耶は潜入取材を決行する。
占い師・天野はしかるべきところで修行した僧侶でもあり、加持で病気平癒や魔の退治を行っているという。徐々に天野に惹かれ始める織田。これは洗脳なのか、それとも?
道化芝居(ファルス)、ここに開幕!
305
メダカのキモチ
東京郊外に住むさえないサラリーマン・恭介。ある日、仕事帰りに駅前で偶然見つけたちょっぴり怪しい雰囲気のアクアショップ。店で買った4匹のメダカ達との暮らしが始まると、仕事中心の単調で味気ない恭介の日常に、次々と変化が起こった。そして恭介がSNSにアップしたメダカ達の写真を見て、恭介に関心を寄せている謎の女性「guppy」とのメッセージのやり取りが始まり、ある日、ついに直接会うことになった。
可愛いメダカ達との出会いと別れ、そしてメダカを通して出会った、恭介にとって初めての彼女・guppyとのほんわかな心温まるラブストーリーを描きました。
306
こちら大阪ねこ神社 神様の使いはじめます
旧題:大阪高槻ねこ神社 神様の神使はじめます
唯一の家族だった祖母を亡くし、あげく祖母と二人で営んできた喫茶店すらも奪われそうになってしまった香澄は、藁にもすがる思いで猫神社を訪れた。
そこではなんとどんな願いも叶うらしい。
祖母の残した遺言さえあれば店を守ることができると聞いた香澄は
「おばあちゃんに会いたい」
と猫神社で願った。そんな香澄の目の前で一匹の猫が喋った。
「自分は猫宮司だ。信仰が薄れたので神様の力が弱まっている。願いを叶えて欲しければこの神社への信仰を取り戻せ」
香澄は祖母にもう一度会うため、街の人の願いを叶えるため奔走する。
307
僕の彼女には顔がない
友人のすすめでマッチングアプリを始めた水樹夏彦はそこで野平麻里子というグラマラスな女性と出会う。麻里子はマスクにサングラスとその顔はわからない。だが、スタイルは抜群でオタク趣味が合い水樹夏彦は彼女に惹かれる。
初めてのデートのあと水樹夏彦は野平麻里子はマスクとサングラスをとる。
麻里子の顔はクレヨンで塗りつぶされたかのように見えなかった。
麻里子は他人に顔を認識されない顔喪失症という奇病にかかっていたのだ。
麻里子のグラマラスなスタイルとオタクな性格に惹かれた夏彦は彼女と交際することになる。
やがて夏彦は麻里子の夢をたすけることになる。夏彦の協力のもと麻里子は顔喪失症を克服しつつ、夢である漫画家を目指すことになる。
308
待ち合わせは廻り廻って『池フクロウ』で。
約12000文字の短編。
生活指導の小俣先生に呼び出された田中琴音。
そして聞かされた内容は……
『あなたが鶯谷のラブホテルに行ったのを目撃したという匿名の電話があった』というもの。
当然無実なので否定するも、残された謎に振り回される事になる。
展開の早いソフトな下ネタまじりのミステリーコメディです。
309
君の代わりに恋をする
――僕の代わりに、普通の恋をしてよ
佐倉葉月はクラスメイトの大崎に告白され、付き合うかどうか迷っていた。
大崎のことが好きなわけではない、でも周りに彼氏ができる中、誰かと付き合うことに興味はある。
そんな時もう一人のクラスメイトの男子進藤に、大崎と付き合ってよと言われる。
進藤は、大崎のことが好きだった。
弱みを握られた葉月は大崎と付き合い、進藤に『大崎としたことを再現する』というとんでもない約束をしてしまう。
――男とか女とか、そんなこと関係ないよ。好きになったのが大崎だった。大崎が男だった。それだけだよ
――これが、好きってことなの?
こんなに醜い感情が、好き?
私はもっと、キラキラして、ドキドキして、温かい感情だと思ってた。
――ごめん、なんかもうよくわかんない
これは恋? それとも友情?
――佐倉さんてさ、蓮が俺のこと好きなの知ってたの?
――好きになったら友達やめるの? 好きになったら黙って離れていくの?!
交差する思いと、それぞれの関係が行き着く先は……
――佐倉さんだからだよ
私と彼氏と、彼氏のことが好きな彼の、奇妙な三角関係が始まった。
310
あなたには見せたくない【ショートショート】
3分で読めます。たった1話で完結します。
311
ハッピーニューイヤー相談室
ラジオ番組『スマイル相談室』では、アンディ千々倉がパーソナリティを務め、リスナーの相談にのっている。本日のテーマは「お正月なんて大嫌い」。アンディはリスナーの抱えている問題に、次々とアドバイスをしていくのだが……。この番組に秘められた、その真意、その目的とは?
312
【完結】二人はさよならを知らない
父親がいない沙耶子と、父のように、時には年の離れた兄のように暮らしてきた叔父の彰。
葬儀をきっかけに再会した二人は、戸惑いながらも惹かれ合っていく。
だけど、“越えられないもの”があることも知っていた———。
揺れる心、抗えない感情、それでも続く日常。
関係を終えたはずの二人が、再び顔を合わせるとき、残るのは懐かしさか、それとも……。
交わることを許されない、けれど断ち切ることもできない。
そんな二人の、長い長い物語。
313
あたしが千紗だ、文句あるか
中二の夏、千紗が菊池から貰ったのは、勇気でした。
中学2年の夏、千紗の父親が家を出た。知らない女の人と暮らすために。母と千紗と小五の弟伸行を置いて。
だから千紗は、夏休みを境に、これまで名乗っていた権藤と言う名字を、母の旧姓の佐藤へと変えることになった。それは思っていた以上に千紗の心を重くしたけれど、何でもない顔で過ごしていた。
そんな夏休みのある日、久しぶりに散歩に出かけた千紗は、クラスメートの菊池涼介と駅前でばったり出くわす。
親の離婚、そして恋?
色々と心が忙しくなる、これは千紗の夏の物語です。
314
神様の再利用
自動販売機にドリンクを補充する、ボトルカーのドライバー、菅道雄。
彼らの仕事は商品の補充だけではなく、設置されたゴミ箱の清掃も含まれている。
その中に捨てられているのは、ペットボトルや缶だけではない。
本来そこに捨てられるべきではないものも、数多く紛れ込んでいる。
誰かが使い終えたもの。
役目を終えたもの。
あるいは、必要とされなくなったもの。
それらは無造作に捨てられているようでいて、確かに誰かの人生と繋がっている。
けれど、その繋がりはあまりにも簡単に断ち切られてしまう。
まるで最初から存在しなかったかのように。
「人の捨てた神様を拾うんだ」
道雄は、その言葉の意味を深く理解しているわけではない。
それは彼にとって、ただの日常だからだ。
だが、その何気ない日常は、時に小さな奇跡を生む。
そしてその奇跡は、誰かの日常へと静かに繋がっていく。
これは、そんな“日常”の連なりを描いた物語である。
315
楽園は果てなき
少年と姉が送る夏の日の日常。それはやがて終わりの時を迎える──。
*カクヨムWeb小説短編賞に投稿したものを修正したものです。
316
【短編】その時、歩は。【将棋】
「自分は進むことしかできないけど。」
それでも、その時、歩は―――。
317
春になったら君に会いたい
自身の体質に悩んでいた冬は、
ある日病院でのぞみという少女と出会う。
何度も会う内に惹かれあっていく二人。
だが、二人には別れがやって来る。
春の訪れは、タイムリミットでもあった。
"冬"を失った男の子と
"のぞみ"を持てない女の子の
切ない恋のお話。
318
借景 -profiles of a life -
人生は、至る所にある。そこにも、ここにも、あそこにも。
いつだったかの群像・新人文学賞一次通過作。
ライト文芸大賞に参加してます。
319
秩序の日々とフローライト
普通の人が普通に生きている日常、それが高校生の木崎蒼にとっては全て不快な刺激となる。人との関わりを極力避け、規則性のある勉学の世界へ没頭する事で心の安寧を保ってきた蒼。
しかし、どんなに距離を取ろうとしても、赤坂美織だけが蒼の世界へ侵入してくる。蒼という人間はさほど変化しない。けれど、それでも何かが1mm変わっていく。
320
苦いイヤホンと、興味ないフリの春
統合が決まり、今の校名で過ごせる最後の一年を迎えた私立汐見ヶ丘高校。旧校舎の端にある放送室には、目立つのが苦手なのに機材の扱いだけは抜群にうまい二年生の力也と、締切も校則もきっちり守りながら、昼休み放送を学校の記憶に残るものへ変えようとする二年生の友香がいた。ほかにも、言葉で場を回す三年生の淑雄、捨てられない物に思い出まで詰め込んでしまう慎乃、学校じゅうの音を集めるのが好きな一年生の弘恭、予算と安全面から放送室に厳しく向き合う生徒会会計の桜香がいる。
ある日、力也は放送室の備品箱から、潮風のせいか少し金属の苦い匂いがする古いイヤホンとICレコーダーを見つける。そこに残っていた昔の録音をきっかけに、六人は昼休み放送を立て直し、文化祭で生放送劇までやろうと走り出す。ところが男子役が足りず、真面目すぎる友香が低い声と所作を作り込み、ついには男装して舞台に立つことになる。笑いと騒ぎの中で距離を縮める二人だったが、文化祭直前には脚本データと録音素材の一部が壊れ、放送は中止寸前に追い込まれる。消えていく校舎、残したい声、言えなかった本音。