「台所」の検索結果
全体で80件見つかりました。
深川 花街たつみ屋のお料理番
レンタル有り旧題:深川 悪女の深情け
深川の遊郭で行き倒れていたところを、春画描きの浮世絵師に拾われた醜女の「猿」。
彼女は浮世絵師のために飯を作る約束で、遊郭の引き手茶屋で住むことを許されて……。
という、江戸飯テーマの人情小説です。
髪結い師の男、化粧師の男、引き手茶屋の婆に郭の台所を任された男、門番の男。など、花街に住む人達の視点で、1話完結の連作短編です。
完結しました。
※なろうでも同じ小説をアップしています。
文字数 140,449
最終更新日 2020.10.29
登録日 2019.04.13
筋肉を鍛えるために、どんな犠牲も厭わないボディビルダーがいた。彼の名前は、城之内 力(じょうのうち りき)。
あらゆる無駄を削り、ひたすらストイックに筋トレを続けている彼の筋肉は、どんなボディービルダーも思わず感嘆の声をあげてしまうほどだった。
しかし、そんな彼もボディービルの大会では万年2位。彼を上回る存在がいるのだ。そんな第1位の名は、細貝 粗田(ほそがい あらた)。
どんな大会でも細貝の筋肉には、あらゆる名声がつけられる。
「彼が持つのは神の筋肉だ。」「私はこの筋肉を永遠に忘れない」等々あげればキリがない。
そんな細貝を憎み、日に日にトレーニングの負荷を上げていく力。
ついに彼はある結論に辿り着いた。
普通のトレーニングでは意味が無い。なぜなら、それは内側から筋肉を破壊し、超回復を起こしているに過ぎないから。
なら、どうすればより効率的に筋肉を鍛えられるか?
答えは、簡単だ。外側から壊せばいい。
この時点で彼は自身が壊れている事に気づくべきだった。力は、すぐさま台所から出刃包丁を持ってくると、自分の腕にぶっ刺した。
文字数 1,390
最終更新日 2021.11.24
登録日 2021.11.24
引っ込み思案な令嬢アデルの家は領地の不作に悩まされ、台所事情は厳しかった。そこで家に出入りする商人、マルセルとの婚姻が持ち上がる。貴族とのコネクションを深めたい商人と、懐事情のさみしい貴族。両者の利害は一致し、二人は結婚した。
政略結婚だったはずだが、マルセルはアデルのことがずっと好きだったと言って・・・・・・
(R-18 1話完結の短編です)
文字数 2,705
最終更新日 2022.05.12
登録日 2022.05.12
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
「フェアリー公爵家令嬢ヴァイオレット。
フェアリー公爵家が没落し、持参金も台所領もないというのなら、もう私の婚約者の資格はない。
このようは恥を王国中にさらしては、もうこの国にいる訳にもいかないだろう。
婚約を破棄して追放刑にしてやるから、直ぐにこの国にから出て行け。
公爵の地位は剥奪しないでおいてやる。
財産も領地もなくても、公爵の位があれば、財産を持った平民が婿に来てくれるかもしれんぞ。
ワッハハハハ!」
「まあ、王太子殿下はなんてお優しいのかしら。
直ぐにお礼を申されてはいかがですか、フェアリー公爵家令嬢ヴァイオレット様」
あまりの怒りに、眼の前が真っ赤になります。
思わず封印している魔力を全部解放しそうになります。
でも、それだけは、絶対にやってはいけません。
先祖返りの魔力を解放してしまったら、この国は焦土と化してしまいます。
守護神の力と戦いになってしまいます。
僕に先祖返りの力を制御できたなら、両親の敵であろうダベルノワ伯爵も、その娘のマリー嬢も絶対に許さなかった。
証拠をつかむ事はできませんでしたが、犯罪者ギルトを使って私の両親を暗殺したのは間違いないのです。
ありもしない借用書を偽造して、フェアリー公爵家の領地も城も財産も、全てを奪ったダベルノワ伯爵を八つ裂きにしてやったのに。
「承りました、アルセーヌ王太子殿下。
直ぐに王宮を辞して国を出ます。
今迄ありがとうございました」
「ふん!
没落しても礼は言えるようだな」
「アルセーヌ王太子殿下。
その言動、あまりに情け知らずですぞ。
フェアリー公爵家当主夫妻の事故には、色々と見過ごせない噂がありました。
その中には、ダベルノワ伯爵が犯罪者ギルドを使って暗殺させたというモノもあれば、偽の証文を作って城地を奪ったというモノもあります。
そのような家の令嬢に腕をかし、ヴァイオレット嬢に婚約破棄追放を言い渡すなど、守護神様の加護を失う大事でございますぞ!
守護神様を怒らせて滅んだタートン王家の事、今も栄えるアリスランド王家の事、見る事も聞く事もできないのですか!」
バスティアン伯爵ルイス卿が僕を庇ってくれます。
噂通りの正義の人です。
長女のソニア嬢が守護神様の聖女候補になっています。
でも、マリー嬢も同じ聖女候補なのです。
それだけでも、この国が滅びの道を歩んでいるのが分かります。
守護神殿が腐敗していて、裏金で聖女候補の位を買えるのです。
文字数 7,211
最終更新日 2020.06.25
登録日 2020.06.20
昭和60年の春、小6の町子は学校が終わって帰宅した。
家には誰もいない。
お腹を空かせた町子は台所を漁るが、おやつも何もない。
あるのは余った冷やご飯だけ。
ぬか漬けでもオカズに食べようかと流し台の下から糠床の入った壺をヨイコラショと取り出して。
かき回すと妙な物体が手に当たる。
引っ張り出すとそれは人間の手首から先だった。
文字数 68,730
最終更新日 2023.04.30
登録日 2023.02.28
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文字数 552
最終更新日 2022.07.08
登録日 2022.07.08
「わたしは彼の、灯火になりたい」――。
平凡な日常を送る少女と、たくさんのものを背負わされ平凡に生きることができない男。
そんな二人の、甘く切ない恋の話。
二人や仲間達がそれぞれ関わっていくうちに、過去や傷と向き合い自分のあり方を見つけていく人生と心の話。
◇◇◇
【1部:1~6章】『意識低い系冒険者パーティの台所を預かっています』
レイチェルは薬師の学校に通うごく普通の女の子。
恋愛小説大好き、運命の出会いに憧れる、恋に恋する18歳。
この世界の不思議な事象や伝説なんかとは無縁の平凡な日常を過ごしている。
目下の楽しみは、図書館にいる司書のお兄さんに会うこと!
ある日彼女は冒険者ギルドでアルバイト募集の貼り紙を見つける。
仕事内容は冒険者パーティの皆さんのご飯を作ること。
高い給料に惹かれて行ってみると、なんと雇い主はあの司書のお兄さん……!?
彼の名前はグレン。
見た目に反してちょっと天然でマイペース、日常がポンコツな残念イケメン。
彼を筆頭に、他の仲間もみんなやる気がない"意識低い系"の変な人達ばかり。
最初こそ面食らってしまったレイチェルだったが、持ち前の明るさと気楽さで徐々に打ち解けていく。
一緒においしい物を食べたりおしゃべりをしたり……そんな日々を楽しく過ごしている中、ある1つの大きな出来事に直面する。
それをきっかけに仲間達の関係、そしてレイチェルの心も動き出す――。
【2部:7章~12章】『平凡なわたしと、闇を抱えた彼の恋の話 』
レイチェルの思い人、グレン。
彼の背負った悲惨な過去、そして心に溜め込んだ闇が全ての陰惨な事象に絡みつき、やがて2人と仲間を悲しみと絶望に引き込んでいく。
【3部:13章~】『どうか、誰か、この手を』
ベルナデッタが聖女候補に選ばれ、実家に戻ることに。
その一方、砦では男性メンバーが全員逮捕されてしまう。
グレンとジャミルはすぐに釈放されたが、カイルだけが戻らない。
それらの出来事には全て、イリアスの意志が絡んでいた。
なぜカイルは戻らないのか。イリアスの企みとは何か……?
こちらを元にしたマンガもあります ギャグです
【カラすず( ´_ゝ`)(´<_` ) 】
https://www.alphapolis.co.jp/manga/172691144/305508181
◇◇◇
※5章から色々なキャラ視点で進行する群像劇風味になります。
※通貨以外の単位は現実の物を使用します。
※19世紀~20世紀初頭の欧米をイメージとした異世界です。食べ物はなんでもアリです。
カクヨムさん・ノベプラさん・小説家になろうさんにも投稿中です。
文字数 1,295,355
最終更新日 2024.01.20
登録日 2020.03.21
人智を超えた力を持つ転生者が暴虐の限りを尽くす世界。
増大する転生者への脅威はとうとう国を一つ滅ぼすほどになり、対抗する手段を探るべく、エステリーゼ王国騎士団の召喚師であるサクヤはある日、突如異世界より現れた遺跡の調査を命じられる。
安全地帯での遺跡調査。転生者の強さの謎に後一歩で迫るかと思われたそんな時。
突如起動した遺跡により転生者が召喚され、サクヤたちは襲撃をされてしまう。
圧倒的な力の前に絶体絶命のサクヤ。 しかし、意識を手放すその瞬間、彼女を一人の騎士が救い出す。
「モブキャラだと思った? 残念‼︎ 主人公でした‼︎」
自らを至高の騎士と名乗るその騎士は、転生者を一撃で粉砕。
その後なぜかサクヤに忠誠を誓い、半ば強引に従者となる。
その後は死人を生き返らせたり、伝説の邪竜を素手で殴り飛ばしたり、台所で料理感覚でエリクサー作ったりと何をするのも規格外で空気が読めない至高の騎士。
そんな彼を従えるサクヤは、当然転生者と人間との戦いの中心に(主に至高の騎士が原因で)巻き込まれていく。
この騎士こそ、転生者達の世界で最強と語り継がれた〜理想の騎士〜であることなど知る由もなく。
※しばらくは毎日更新予定です
文字数 160,787
最終更新日 2019.09.15
登録日 2019.08.18
川内 和人(せんだい かずと)33歳
大学卒業後就職した企業で周囲から虐めにあい3年足らずで退職、以降定職どころか働くこともせず、ニート生活を送っていた。1日をネット掲示板やネットゲームをして、適当な時間に、台所に行ってカップ麺を食べて戻るという生活を繰り返していた。
そんなある日の朝、妹の香苗から、来月結婚するから最後に家族として一緒にキャンプ行こうという事で強引に両親がすでに乗っている車に乗せられた。
車で4時間、キャンプ場まで徒歩20分ほどの場所にある山頂付近のキャンプ場と思しき所まで来ると、両親と妹がテント等の準備を始めた。久しぶりだなと思いつつもテントを張り、夕食を食べると無性に眠くなりテントで休むと伝え休んだ。
数時間後、目を覚ますと辺りは暗くなり、テントから出ると両親と妹が居るはずのテントがなく、荷物すらなかった。夢かなと思いテントに戻りもうひと眠りする和人。
翌朝テントから出ると、夢じゃなかったことに気づく、それどころかテントやタープを設営するときにできるペグを挿した跡すら見当たらなかった。
昨日家族とここに来た事が夢だったのか?と思えるほどの状況だった。
急ぎテント等をしまいリュックを背負い下山すると道中で見慣れない生物が和人に襲い掛かってきた。果たしてここはどこ?
とある殺人事件を止めた事で暗殺者として活動することになる。
彼が転移した世界は、様々な世界で、神々に生贄としてささげられ転移してきた者、神々に選ばれ神隠しにあい転移して来た者、魔物や盗賊等のならず者たちが蔓延るそんな世界で、
帝国の内戦いに巻き込まれたり、罪人となった勇者を討つことになったりと、波乱万丈の異世界生活
ニートだった和人が織りなす異世界転生物語。
文字数 229,059
最終更新日 2023.09.30
登録日 2023.08.24
不遇の少女は生贄に差し出されたのですが、旦那様は優しく紳士な妖怪でした!?
柚結《ゆゆ》はお母さんと二人暮らしでした。
とても貧乏でしたが、小さな茶屋と畑作りでなんとか親子二人で慎ましく優しさにあふれた幸せな生活をしていました。ですが……。
お母さんが長年の苦労がたたって病気で亡くなってしまい、柚結はお母さんの実家に引き取られます。
そこで柚結は衝撃の事実を知らされました。
「お前は17歳になったら鬼狐《おにぎつね》様の花嫁になるんだよ」
妖怪の神の花嫁とは供物のこと。すなわち、柚結は生贄になる運命だったのです。
この村里では鬼狐神は災いや天変地異を起こすと畏れられている。
ですが、柚結は運命を受け入れます。
母の実家の待遇はとても冷遇で、日々労働に明け暮れ、楽しみなどいっさいありません。
ある雪の降る寒い日、柚結が女中仲間のためにささやかな茶菓子を作ろうと台所に立つと、従姉妹の愛子に食材と高級な髪留めの泥棒扱いをされ、17歳になる前に婚礼衣装を着せられ家を追い出されてしまいました。
ゆく宛のない柚結は、猛吹雪のなか、雪山を彷徨います。
お腹は減り、喉が乾き、寒さに体温が奪われて、息も絶え絶えです。
「もう歩けない……。私、ここで死ぬんだ。……お母さんに会えるなら、死んだほうが幸せかも……ね」
気づけば柚結は、母とよく訪れていた小さな神社の祠の前で倒れてしまいました。
目を覚ますと……。
あったかい部屋に自分が寝かせられ、あったかいお布団のなかです。
そばで柚結と同じぐらいの少年がうつらうつらと座りながら寝ていました。
どうやら柚結を看病してくれていたようです。
少年は人間ではなく、なんと鬼狐神族の長だったのです。
「柚結お姉ちゃまがお兄ちゃまのお嫁さんなの?」
「違うよ、春乃。だって柚結さんとお兄ちゃんは婚礼もしていないもの。……家に帰れないのですか? 俺は妖怪です。……それでも、柚結さんさえ良ければうちに住みませんか?」
優しい妖怪、鬼狐神族の長の陽太《ようた》と陽太の兄弟たちとの、優しくて和やかで、時ににぎやかで……心穏やかな楽しい暮らしが始まります。
……時々、思いもよらぬ甘い胸キュンが待っているかもしれません。(*´艸`*)
これは、一人の居場所のない女の子が大切にされて愛され幸せになる物語。
登録日 2023.12.13
暗がりに目を細める。
白い壁紙に茶色の棚には幾つかのAV…
棚の上にはコンドームが未使用・未開封でケース毎置かれていた。
「……ああ、ラブホか」
ポツリ、と呟いた『私』の目に姿見が一つ。
まっすぐ直毛の黒髪に黒目の少女は無感動に呟いた。
薄型テレビにBlu-ray再生機が接続されている…今は電源を落としているので真っ黒だが。
「…気持ち悪い」
ぬるり、と下腹部を伝う液体──少女の赤と混ざった“ソレ”は──『私』の純潔の証だ。
傍らで眠る男を決して好きではなかった。
付き合っても居ないし、恋人──ましてや夫婦でもなかった。
「…兄さん、どうして…。」
ぽろり、と零れた涙は失望か、諦めか。
…兎に角、この後の『私』の行動はいつも決まっている──
〝自殺〟だ。
『私』はその時はラブホの一室のベランダ(6階)から飛び降りて死んだ。
“次”に目を覚ましたのは──その時の『私』の父親に犯された直後だ。
「嫌…っ、どうして…、今思い出すのよ…っ!」
「○?なんだ、いきなり…?」
「ひっ…!!」
『私』は怯えた声を出した。父と言う男は『私』を組伏せて勝手に熱情をぶつけてきた。
「ぁ、ぁぁ…はっ!ゃ、め…て…っ!」
ぐちゃぐちゃ、ぬちゃぬちゃと卑猥な音が鼓膜を駆け巡る。
上擦った中年の声が洩れる。
「無茶を言うな…お父さん、もう…ぁぁっ!」
「!や─」
どくどく、どくどく…とお腹の奥に吐き出される“父”と言う男の精子。
「はぁはぁはぁっ…。○、○っ!」
ぎゅうっと抱き締める男の腕に力がこもる。
何度も何度も名前を呼ばれ、腹の奥に射精され、組伏せられる…そこはどうやら父の寝室だった。
「…。」
シーツに残る赤と白の跡。…『私』と父の情事の痕。
嫌だ。痛い。辛い。悲しい。…悔しい。
男の力には抗えないのか。
『私』は嬲られるだけなのか…耐えられない…!!
『私』は台所の包丁で腹を刺して──亡くなった。
“次”は叔父、その次は祖父、ストーカー、ヤクザの男…等々。
『私』は男運が無さすぎた。
私が『私』に気付く時は決まって男に嬲られ心を悲鳴を上げ──自害する寸前。“前世”の記憶を思い出す。
そして、今──2115年7月7日。
私は“また”『私』を思い出していた。
レイプされ自殺する寸前に前世を思い出す少女がたった一つの出口を目指す物語。
少女は真実の愛を知る日は来るのだろうか?
文字数 42,775
最終更新日 2019.05.21
登録日 2018.06.26
緋皇(ひおう)と翡蓮(ひれん)の友情譚、第四弾。「オレとおまえを引き裂く者は、全部、殺してしまわないと。」闇に堕ちた翡蓮に、緋皇は告げる。「オレの全部、おまえの好きにしていい。」暴走する翡蓮。緋皇は、友を救えるのか。龍神少年シリーズ完結。この話は、「もう二度と放してやらねーから、覚悟しな。」~龍神少年~、「傷つけていいから、オレのそばにいろよ!!」~龍神少年 弐~、「おまえはオレのものだ。だから、オレもおまえのものだ。」~龍神少年 参~の続編ですので、先にその三つを読んでいただけるとありがたいです。七柱の龍神が守護する龍神国。そこは、鬼や妖怪が跳梁跋扈しており、それらを倒すために、「神術」を行使する神官が存在する世界。緋皇は、龍神国の東の半分を統治する将軍の第一子だが、母の御台所が犯した大罪のため、廃嫡された過去をもつ。わだかまりを乗り越えて、親友にもどった翡蓮とともに、神殿で神官候補生として暮らす緋皇。傲慢尊大で傍若無人だが、翡蓮だけは大事にしている緋皇。しかし、鳳凰城からの使者は、一時帰還せよという将軍の命令を携えていた。動き出す運命。翡蓮に伸びる魔の手は、緋皇を深く思うがゆえに、不安から逃れられない翡蓮を絡め取る。罠に堕ちた翡蓮に、緋皇が初めて告げる言葉とは。江戸時代風の異世界を舞台に、少年たちの絆と成長を描く、バトルファンタジーです。
文字数 42,826
最終更新日 2020.12.06
登録日 2020.12.06
人身売買が許されるようになった世の中。檻の中から私を睨みつけてきたのは、鈴木拓という15歳の少年だった。
毎月2万払いで拓を買った私。無愛想なだけだと思っていたが、どうやら拓は喋れないらしい。
そんな拓の家庭力に驚かされながらも、夏を越え、秋を越え、そして冬を過ごしていく。拓は少しずつ、笑顔を見せてくれるようになった。
順調だと思っていた。でもそれは、きっと勘違いだった。氷のような風が肌を刺す、真冬、拓は突然いなくなった。
仕事から帰ったら、いつもなら家で待ってくれていた拓の姿が、その日は何処にも無かった。
なんの前触れもなく消えた拓。1人分にしては多すぎる料理と、割れた茶碗を台所に残して――
登録日 2019.03.03
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短編集
私は「妄想」が好きだ。
毎日必ず「妄想」する。
隣のご主人は、きっとアイドルが好きなオタクだ。
グッズをたくさん持っているが、奥さんにバレないようしているのだろう。
隠し場所はおそらく実家。
週末は実家に返ってグッズを眺めて癒されているのだろう。
斜め向かいのご主人は、多分不倫している。
そこそこ高いミニバンと奥様用の軽自動車を計2台所有している。
お子さんが3人いて、1番下の子は私立幼稚園。奥さんは専業主婦だ。
お金も体力も余裕があるといったところだろう。
これは全て私の「妄想」だ。
おそらく彼ら、彼女らが私の「妄想」を聞いたら、私の事をひどく罵るだろう。
だから私は誰にも「妄想」を話さない。
文字数 1,172
最終更新日 2022.03.30
登録日 2022.03.30
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谷中・幽霊料理人―お江戸の料理、作ります!
レンタル有り女子大生の咲(さき)は東京・谷中で一人暮らしを始める。ところが、叔父に紹介されて住み始めたアパートには、幽霊が! 彼の名前は惣佑(そうすけ)。江戸時代末期に谷中で店を持っていた料理人で、志半ばで命を落としてしまったという。
実体がなくなってしまった惣佑の代わりに、料理初心者の咲が台所に立つことになった。
どこか不思議な男子大学院生・久世穂積(くぜほづみ)も交え、咲たちは食べ物に関わる『日常の謎』に巻き込まれていく。
文字数 136,973
最終更新日 2019.10.18
登録日 2018.11.27