ライト文芸 現代ドラマ小説一覧
32
件
流されるままに日常を生きている彼女には、交差点の向かい側にいる男が鳥に見えた。暑さと疲労で茹だっている心身。青に変わる信号。押し流される人の波。いつもと変わらないはずだったのに。
交差点で肩が触れ合った男の存在が気になった彼女は、人波に抗い男を追いかけた。
信号待ちをしていた男は、人波に抗うことなく交差点を渡りきり〝ある賭け〟を終えて帰還するはずだったが、渡る前に見知らぬ女と肩が触れ合ってしまう。
何事もなくその場を立ち去ったものの、突如、肩を掴まれて振り返った先にいたのは、接触した女だった。
交差点の片隅から始まる、名前も知らない二人が語る〝命〟に対する価値観の違いとは。
文字数 14,203
最終更新日 2024.04.30
登録日 2024.04.30
――その観覧車が彩りゆたかにライトアップされるころ、あたしの心は眠ったまま。迷って迷って……、そしてあたしは茜色の空をみつけた。
六年生になる茜(あかね)は、五歳で母を亡くし吃音となった。思い出の早口言葉を歌い今日もひとり図書室へ向かう。特別な目で見られ、友達なんていない――吃音を母への愛の証と捉える茜は治療にも前向きになれないでいた。
ある日『ハローワールド』という件名のメールがパソコンに届く。差出人は朱里(あかり)。件名は謎のままだが二人はすぐに仲良くなった。話すことへの抵抗、思いを伝える怖さ――友だちとの付き合い方に悩みながらも、「もし、あたしが朱里だったら……」と少しずつ自分を見つめなおし、悩みながらも朱里に対する信頼を深めていく。
『ハローワールド』の謎、朱里にたずねるハローワールドはいつだって同じ。『そこはここよりもずっと離れた場所で、ものすごく近くにある場所。行きたくても行けない場所で、いつの間にかたどり着いてる場所』
そんななか、茜は父の部屋で一冊の絵本を見つける……。
誰の心にも燈る光と影――今日も頑張っているあなたへ贈る、心温まるやさしいストーリー。
―――――《目次》――――――
◆第一部
一章 バイバイ、お母さん。ハロー、ハンデ。
二章 ハローワールドの住人
三章 吃音という証明
◆第二部
四章 最高の友だち
五章 うるさい! うるさい! うるさい!
六章 レインボー薬局
◆第三部
七章 はーい! せんせー。
八章 イフ・アカリ
九章 ハウマッチ 木、木、木……。
◆第四部
十章 未来永劫チクワ
十一章 あたしがやりました。
十二章 お父さんの恋人
◆第五部
十三章 アカネ・ゴー・ラウンド
十四章 # to the world...
◆エピローグ
epilogue...
♭
◆献辞
文字数 54,568
最終更新日 2024.04.30
登録日 2024.04.01
――貴方にとって幸せとは何ですか?
『奇病』と呼ばれる、心の病が身体に害を与える奇怪な病気が世界中で現れ始めた現代の日本。
主人公の一人である海沢四葉もその奇病だと診断される。四葉の『奇病』は「幸せを感じると身体に異常が現われる」もの。幸せを望まず生きていこうと決めた四葉は、バイト先のカフェで二つ下の女子高校生・愛島幸と出会う。
もう一人の主人公である幸は、母親との関係に悩みながら、恋人をころころ変えることで二人の友人に呆れられていた。そんな二人は、偶然の出会いをきっかけに少しずつ、惹かれあっていく。
そして二人の中の『幸せ』の価値感徐々に変わっていくことになり――?
◇毎日0時更新
文字数 44,451
最終更新日 2024.04.30
登録日 2024.04.15
文字数 21,991
最終更新日 2024.04.28
登録日 2024.04.07
ハリケーンの惨禍に見舞われたアメリカ合衆国を舞台に、妻子の安否を求めて男は車を発進させる。途中、出会いと別れをくり返し、辿り着いた場所で待っているものは…。
文字数 6,383
最終更新日 2023.12.20
登録日 2023.12.18
一話目が完結しました。
この後更新が滞りそうなので、いったん完結します。
続きができたら、また投稿していく予定です。
【ストーリー】
脱サラして、商店街の一角でカフェを営業する間中聡。
商店仲間、常連客と過ごす時間は和やかに過ぎるものの、大阪弁で話すクセが強めな母、留以子の言動が日々の生活に刺激を与えてくれる。
留以子が活躍(!?)する短編集です。
文字数 29,490
最終更新日 2023.05.31
登録日 2023.04.24
文字数 33,109
最終更新日 2023.05.27
登録日 2023.04.28
「よそはよそ、うちはうち」
母さんの口癖だった。
新作のゲームが欲しいって言った時も、スイミングスクールに通いたいって言った時も、そう言われた。
そして、それは今日も同じだった。
◇◇◇◇
カクヨム、小説家になろうにも投稿しています。
文字数 1,972
最終更新日 2023.05.25
登録日 2023.05.25
フリーターの身で作家を目指すと言いつつ、創作意欲がわかない才子。思い出すのは、かつての親友だった純子の言葉――「才子ちゃんはすごいね、こんなに面白いお話が書けるなんて!」
しかし純子は、熱心なファンであるがゆえに予想外のかたちで才子を追いつめることになる。
文字数 30,123
最終更新日 2023.05.14
登録日 2023.04.29
「死ぬとき」の気持ちが知りたくて、おれは真冬の雪の中に、薄着で飛び出した。凍える空気の中に立っていると、本当に死んでしまうのではないとか思う瞬間がやってきた。
そのときおれは、あるものを見た。
それが何か、きみに伝えたい。
☆ ☆ ☆
ホラミス大賞エントリ中の小説『ゆきおんな』のスピンオフです。
よろしければ二つの作品を読んでいただきたいと思っています。
気に入ったら、『ゆきおんな』への投票をお願いします。
☆ ☆ ☆
あの夜、武彦が玲子に送ったメールという設定で書いています。本文に名前は出てきませんが、「おれ=武彦」、「玲ちゃん=玲子」を表します。
この二人の関係は『ライブ喫茶ジャスティのバレンタインデー』の最初の方を読めばわかります。
もちろん単独で読んでも大丈夫。雰囲気を味わっていただければ嬉しく思います。
文字数 1,345
最終更新日 2023.03.18
登録日 2023.03.18
仕事がうまくいかなかった日、私はパン生地に怒りをぶつける。ぐちゃぐちゃの感情をぶつけた生地は、ぐちゃぐちゃになっていく――。
パンづくりをとおして、感情をみつめなおしていく、再生のものがたり。
※主人公が愚痴を叫びます。苦手な方はご注意ください。
文字数 1,636
最終更新日 2023.03.11
登録日 2023.03.11
ある日、中野美於(なかの みお)というOLが仕事をクビになった。
時間を持て余していて、彼女は高校の頃の友達を探しにいこうと決意した。
彼がメイド喫茶が好きだったということを思い出して、美於(みお)は秋葉原に行く。そこにたどり着くと、一つの店名が彼女の興味を引く。
「ゆめゐ喫茶に来てみませんか? うちのキチャを飲めば、あなたの願いを一つ叶えていただけます! どなたでも大歓迎です!」
そう促されて、美於(みお)はゆめゐ喫茶に行ってみる。しかし、希(のぞみ)というメイドに案内されると、突拍子もないことが起こった。
ーー希は車に轢き殺されたんだ。
その後、ゆめゐ喫茶の店長が希の死体に気づいた。泣きながら、美於(みお)にこう訴える。
「希の跡継ぎになってください」
恩返しに、美於(みお)の願いを叶えてくれるらしい……。
美於は名前を捨てて、希(のぞみ)と名乗る。
失恋した女子高生。
歌い続けたいけどチケットが売れなくなったアイドル。
そして、美於(みお)に会いたいサラリーマン。
その三人の願いが叶う物語。
それに、美於(みお)には大きな願い事があるーー
文字数 97,429
最終更新日 2023.03.08
登録日 2023.02.13
口を開けば愚痴か自慢話。脳内変換ですべての話を曲解して、イケメンに好かれていると大騒ぎしたり、悪口を言われていると被害者ぶったり。
そんな派遣社員の黒部美沙に対して堪忍袋の緒が切れた百合子は、反撃を開始する――!
(全7話です)
文字数 15,643
最終更新日 2023.01.04
登録日 2023.01.03
21歳の大学生である松本浩二(以後:浩二)には28歳の井川亜美子(以後:アミ)という好きな女性アーティストがいた。浩二はアミの追っかけをするほど熱心なファンだ。小学生の時に行ったライブがきっかけで浩二はアミに顔を覚えてもらえた。アミはデビューしたばかりでまだまだ知名度低かった。アミの思いを知った浩二は彼女の活動を支えると決心する。
文字数 42,658
最終更新日 2022.09.20
登録日 2022.08.09
文字数 6,346
最終更新日 2022.04.10
登録日 2022.04.10
秋の涼しさが冬の寒々しさに変わろうとしている中、友達のいない私は一人、近所の公園に来ていた。学校からは歩いて通える距離なので、どこかのお店に寄り道するには遠回りしなければならない。でも、今日はすぐ家に帰りたい気分にはなれず、通り道に近いこの公園に寄った。そこしか、行く当てがなかったからだ。
でもそこで、中年と言うには若く、成人したてと言うには歳を取っている男性と知り合うことになった。
その男性は話を聞く限り、社会不適合者で指名手配された逃亡犯のはずなのに、何故か別居しているお父さんを思い起こしてしまう。そんな雰囲気を醸し出している人だった。
本当なら見知らぬ男性が女子高生に話しかけた時点で通報するべきなのに、私はこの犯罪者に色々と愚痴ってしまった。
そのことをきっかけに、私と彼の奇妙で珍しい関係が始まった。年齢や性別を超えた友情があるのかは分からない。恋愛感情があるかどうかすらも怪しい。
けど、言葉が通じて気が合っている以上、私は彼と一緒の時間を過ごすのだろう。
……その出会いがまさか、隠された過去から今でも続いている報復行為に繋がるとは、夢にも思わなかったけれどね。
文字数 110,945
最終更新日 2022.03.31
登録日 2022.02.01
娘との約束。
それは、たった30回のリフティングであった。
小学2年生の娘が見せてくれた努力。
父親に見てもらいたくて撮影した娘からのメッセージには、彼女の本音が残されていた。
文字数 6,787
最終更新日 2022.03.01
登録日 2022.03.01
◇◇◇ "blue funk"「ひどい落ち込み」「憂鬱」◇◇◇
大人なJK・レイと少年なアラフォー・リュウの、愛と復讐と成長の物語。ハードボイルド風味の恋愛小説。
ヒロイン:レイ(宇佐見礼)。高校3年生。付き合っていた生物学の教師に突然別れを告げられ、死のうと道路に飛び出し、リュウと出会う。学校では地味にしているが、切れ味鋭い頭脳を持ち、運動神経も抜群。祖父の導きにより投資でそれなりの財産も築いている。
主人公:リュウ(宮嶋里優)。アラフォー、バツイチのフリーライター。博士(理学)だが、研究職に就けずに科学関係の記事執筆などで糊口を凌いでいる。愛車はアルファ・ロメオ147。
【あらすじ】
晩秋の夜。強い雨に包まれたつくばの郊外。アルファ・ロメオで横浜への家路を急いでいたリュウの前に黒づくめの女が飛び出してきて、危うく轢きそうになる。情に絆(ほだ)されラブホテルに泊まるはめになるが、相手は17歳の女子高生だった! 法律に触れるのを恐れ、無関心を装って夜をやり過ごすリュウ。横浜に帰った後もなぜか絡んでくるレイにリュウは翻弄される一方、その才気と魅力に惹かれていく。自分を捨てたイケメン教師に精神的な報復を果たそうとするレイ。その復讐にリュウは徐々に巻き込まれていく。
レイを溺愛するゲイで女装のスタイリスト・オサネさん、イケメン教師が長年想い続けてきた大学教授令嬢の美弥子、など、個性的で魅力的な人物も登場します。
1話の分量が多い時は、番号を付けて、2回程度に分けて、公開します。
文字数 210,748
最終更新日 2022.02.09
登録日 2021.09.04
ひとりだった。ふたりになった。それから・・・
※超短編です。
※エブリスタ、カクヨムでの先行作品(完結済み)です。
文字数 2,459
最終更新日 2021.05.17
登録日 2021.05.12
出版社に務める遥は才能に溢れる作家を探していた。そんな時、遥は出版社のネット投稿で一人の作家に目をつける。作家の名前は蒼井 切(あおい せつ)、遥は切に会う為に車を飛ばす。だが彼を待っていたのは蒼井 響(あおい ひびき)という女性作家であった。響は言う「蒼井 切という作家はあたしの夢の中に棲む作家なの」と。夢の中で切と繋がる共感覚者の響が書き紡ぐ、切と響の現実がシンクロし、二人が体験していく不思議な小説と美しい切の存在に惹かれ、しだいに二人の世界に引き込まれていく事になる主人公の遥。やがてその結末は意外な真実に辿り着く事になる。三人の美しい人間愛が紡ぐ淡い慈愛の物語。
文字数 18,463
最終更新日 2021.04.27
登録日 2021.04.27
現代は…。
色々な…悲しみ…苦しみ…辛い事…嫌な事で満ちている…。
でも…それでも…。
世界は優しい…。
辛い事…嫌な事…苦しい事があっても…。
そこに…降り積もる…人々の優しさが…。
ほのかな明かりを…。
ボクの…。
私の…。
みんなの胸に…灯すから…。
ああ…やっぱり…世界は優しい…。
そう『想える』……優しい…優しい…1つの『冬』の物語…。
この『想い』が…。
もっと…『鮮やか』に…『降り積もる事』を願って…。
文字数 1,675
最終更新日 2021.04.20
登録日 2021.04.20
良いことがなく失敗続きの自称“ダメ人間”三田貴子。このままではいけないと、彼女は一大決心をする。とある姉妹の何気ない1日の物語。
文字数 3,414
最終更新日 2020.08.22
登録日 2020.08.22
「大陸を駆ける風でありたい、大空を旅する雲でありたい!」
窮屈な故郷を脱出し、魔法使いの少女・アンは新天地を目指す。
一方、植物のようにしっかりとした根を張り、
誰とも争わずに生きていきたい大学生・並木優作は
将来に不安を抱えていた。
ある日、優作は帰り道で行き倒れていたアンを見つける。
命を助けられたアンは優作に恩返しをしようと
孤軍奮闘するが、優作はそんなアンを出来る限り受け流していく。
そんな中、アンは優作に魔術の才の片鱗を見出す——。
アンによって変えられていく日常、
かき回されていく優作の世界。
正反対の二人が紡ぐ物語は、
どのような結末を迎えるのか。
文字数 97,968
最終更新日 2020.08.03
登録日 2020.07.28
32
件