人形小説一覧
主人公・渕山 隆は東海地方の公立大学三年生男子にしてフリーランスのボディビルトレーナー。
自他ともに認める拝金主義者にして拝筋主義者の彼は、暗闇を怖がる臆病者でもあった。
そんな彼が、春休みを利用した大口の契約を物にした。静岡県東部の山村・巣出村(すでむら)に住む実業家、千島 広尾の自宅で泊まりこみのマンツーマン訓練だ。
契約を果たすべく、愛用の中古軽四自動車を運転した彼だが方向があやふやになってしまう。
途中でさしかかった民家で助言を聞いたところ、でてきた老婆は正しい道を教えただけでなく巣出村にいく真意を渕山に尋ねてきた。
老婆によれば、巣出村はすなわち『すてむら』であり、神を捨てにいく村……『神捨て』をする場所だそうだ。
その直後、老婆は海になった……ように見えた。
礼もそこそこに民家をあとにした渕山は、助言どおりに進み大きな洋館にいきついた。
正門で用件を告げた彼は、まずメイコという細身の若いメイドにとある部屋まで案内された。そこは窓一つなく、調度品といえば飛鳥時代に作られた呪宝如来なる仏像の模造品だけがめだった。
少し遅れて現れた男は、ひろおはひろおでも博尾 空と名乗る二十代後半の青年だった。
彼は千島が株の失敗で一か月前に自殺したこと、彼の所有していた権利一切は自分が引き継いだことを告げた。
むろん、その中には渕山との契約も含まれていた。
契約内容を確認しつつ、メイコが給仕したお茶を飲んだ渕山。次の瞬間、彼は洋館とは一切異なる場所にいた。ピザ屋の店内である。しかも、全体が異様な熱気に包まれていた。
困惑しつつもピザ屋を出た彼は丸腰のまま、火炎放射器を背負った男・鈴木から一方的に攻撃される。鈴木は『神捨て』の参加者だった。つまり、渕山は『神捨て』の参加者にとって殺害すべき対象とされていた。
命からがら鈴木を退けた渕山は、あっという間に洋館に戻ってきた。そして、博尾からあえてなにも先入観のない状態で『神捨て』に参加してもらう必要があったこと、『神捨て』は博尾が作り上げたバーチャル空間内での仮想デスゲームであることなどが伝えられた。
謝罪の意として報酬の上乗せを示された渕山は、上乗せされた報酬とともに『神捨て』が現実の心身にはなんら影響を及ぼさないのを条件に参加を……厳密には参加者の攻略対象としての参加を……承諾する。
しかし、鈴木が失敗して以来、部屋にある呪宝如来にはそれまでなかったはずの飾り……背中から見え隠れする炎が加わっていた。
『神捨て』を続ければ続けるほど博尾の説明は二転三転していき、渕山は心身の変調を少しずつだが確実に意識させられていくようになった。
※カクヨムにも掲載。
文字数 108,622
最終更新日 2024.03.09
登録日 2024.02.28
ホラー系、ダーク系の作品を一つにまとめてみました。
チョットだけ嫌な気持ち、寒い気持ちになって楽しんで頂けたら嬉しいです。
こういう方向の作品が出来たら、またコチラで掲載していきたいと思います。
【小説家になろう】【ムーンライト】で掲載していた短編の作品を纏めたものです。
【ファインダーの奥の欲望】俺の働いていたDPEショップの常連さんの写真。俺はその写真に違和感を覚えてるが……
【囁く声】何気なく立ち寄った庭園の片隅にその美術館があった。何があるわけでもない、なんてことない美術館の筈だったけれど……。
【ボードゲーム】 この話をすると良くない事が起こるというので、今日まで人前で語るのを避けきたけどそれを今日話そうと思う。という言葉から始まったのは兄と従兄弟ですごした他愛無い夏休みの思い出のようだったが……
【月夜に啼く】明日、政略結婚をする俺の所に元恋人が訪れる。俺は彼女を部屋に招き入れるが……。
文字数 14,706
最終更新日 2018.06.06
登録日 2018.05.31
花見町。名前からは想像がつかないほどに様々な謎の病や怪奇現象に脅かされている荒んだ町。その町には少し不気味な人形屋と探偵を掛け持ちしている天音雫がいた。町では様々な謎の病や怪奇現象はその人形屋の呪いが原因だと思い、天音雫は嫌われていた……。
別作品:『駄菓子屋探偵』(https://kakuyomu.jp/works/16816452219254631625)と同じ世界観ですが、こちら単体で一つの物語になっています。
文字数 7,732
最終更新日 2022.02.04
登録日 2021.12.06
自信家で傲慢なところがあるロゼッタは、
魔動人形と呼ばれる特殊な人形を魔術で使役する傀儡師の少女。
洗脳してでも幼馴染♂を落とそうと策略を練ってきたが、
その企みを妹に阻止されて隠遁生活を余儀なくされてしまった。
……って、わたしが悪役みたいじゃない。
ある日、ロゼッタは魔動人形協会会長であるミール=クリサンセマムを訪ねる。
目的は、傀儡師であり、魔動人形を作る人形技師でもあるミールに魔動人形を作ってもらうため。
ロゼッタの依頼に対し、説教や嫌みが好きなミールは始めこそ相手にしなかったが、一緒に仕事したら作ると約束するのだが――。
文字数 19,444
最終更新日 2018.02.02
登録日 2018.01.28
ドールが超イケメンに変身! 心を持ったドールと禁断の恋の行方は?
ある日愛奈に送られてきた超美形ビスクドールのミラトが突然動き出し、超絶イケメンな人間に変身する。
『悩める人形たちを助けなければ!』ミラトは自分の使命を話し、愛奈に『君にしか頼めない』と協力を願う。
出会う人形は次々と個性豊かな美形の男性に変身し、まるで逆ハー状態?!
愛奈はもう一杯一杯なのに、更にライバルまで現れて……。
文字数 32,289
最終更新日 2023.05.07
登録日 2023.04.07
文字数 32,802
最終更新日 2020.04.28
登録日 2018.05.09
文字数 1,722
最終更新日 2018.05.09
登録日 2018.05.07
サクラはアヤちゃんとケンカして学校に行けなくなった。一日中部屋でじっとしている。
「いっそジェニファーのような人形になってしまいたい」
するとジェニファーが声を出した。
「人形の精、マリークリスティーン様ならあなたを人形に変えられるのよ」
サクラは人形に変身し、デパートのショーケースに並べられた。
でも大変なことになった。あのアヤちゃんがやってきて、誕生日のプレゼントにと人形サクラを買ってもらったのだ。
「この人形、サクラちゃんにそっくり」
万事休す。
「まさかアヤちゃんに買われるなんて」
アヤちゃんはその人形に「サクラッチ」と名付けた。
人形は人の心を読む力があり、サクラッチは今まで見えなかったアヤちゃんの気持ちを知った。
それは意外なものだった。
「人間に戻りたい……」
さてサクラッチはどうなるのか。
文字数 8,827
最終更新日 2021.10.09
登録日 2021.10.09
長命な魔女が最も愛した魔導人形。サラと名付けられた彼女は旅をする。自分の生きる意味を探して……。
文字数 4,748
最終更新日 2020.06.17
登録日 2020.06.17
知ることに責任を持っていますか?――引きこもりリア充のセンチは、兄の死をきっかけに外へ出ることを決める。“人形”を使った競技を始めると友人を得るが、同時に恋人がいなくなってしまう。ついには競技で負けた友人が殺される場面に出くわし、人形の材料が人であることを知る。ならば自分の人形は?いなくなったのは誰?
命の尊重のため、仲間と共に理不尽な常識を覆そうとするお話です。なろう様にも投稿しております。
文字数 255,814
最終更新日 2020.04.20
登録日 2020.02.03
これはそう遠くない未来。
世界が近未来的に発展したかと言われれば、そこまで発展もしていない。
1つ変わっているとすれば、それは何も代わり映えもしない私たち人間がそれぞれ愛着のある人形【フィギュア】を持ってるくらい…。
そして、その人形【フィギュア】達が自立し、動き、人間と共に喜怒哀楽を感じている…。
そんな世界。
文字数 33,713
最終更新日 2019.06.18
登録日 2018.05.06
文字数 18,789
最終更新日 2019.03.25
登録日 2019.02.26
文字数 32,256
最終更新日 2020.08.30
登録日 2020.07.03
人形を「弄ぶ」男の話。良い話ではない。おそらく抽象的っぽい。改稿したらなんか話が難しくなった。
文字数 1,358
最終更新日 2019.07.27
登録日 2019.07.25
傀儡師という人形を操り、特殊な技能により人ならざる者と共存、共闘、討伐して生きていくパペッター国。
パペッター国と隣接する獣神国家の兵士であり、現在護衛として雇われている八雲。
その護衛対象者であり雇い主、人形製作技師であり傀儡師である出雲。
これは二人の生きた証
文字数 173,383
最終更新日 2022.02.17
登録日 2021.09.01
魔法都市フィラディノートには世界一の大賢者、ミモリ・クリングルが住んでいる。彼女は慈善活動として年に二回、世界中の子供達におもちゃを配っている。ミモリの弟子のひとりである女性、ティッサは子供達に贈る「魔法で自由に動くおもちゃ」を作る魔法使いであり、自身もおもちゃを販売する店を経営する。しかし、クリスマスに無償で配られるおもちゃは子供達に喜ばれても、お店のおもちゃはなかなか思うように売れてくれない。
「トイトイ」はティッサの作ったおもちゃの中で最高傑作であり、人生を共にする親友でもある。時に悩むティッサを見守って、支え続けている。
創作に悩む作者へ、作品の方から愛と感謝を伝えます。「あなたが作ってくれたぼくは、この世界で最高の作品なんだ」
文字数 20,288
最終更新日 2023.12.29
登録日 2023.12.24
かつて、世界最高の人形技師と呼ばれたシュリル・エンゲルは世界の平和を願って10体の自立型思考人形を創った。
しかし、悲しきものかな、各国はこの10体のオートマタの覇権をめぐって争い、ついには世界大戦にまで発展させてしまった。このことがきっかけでシュリルは人類に絶望し、この10体のテンリエル・オートマタを各国の秘境に隠し、優しい人間が発見してくれることを願い、自分の研究室で自殺をした。
シュリルが自殺し、世界大戦が勃発してからはや100年。
人類はまた平穏を取り戻したかに思われたが......
「いったい、いつになったらマスターは私を発見してくれるのでしょうか?」
古き森の泉の中心にある遺跡でボソリと呟く。
その人形の声は、まるで打ち寄せるさざ波のように美しくも寂しげであったという。
文字数 10,557
最終更新日 2019.06.23
登録日 2019.04.21
育児放棄の末に家を追い出され、江ノ島にあるいとこの家で暮らすことになった傷付いた少女・羽香奈(はかな)。
人の感情を人形に変え癒すことの出来る不思議な力を持った少年・葉織(はおり)。
心に傷を負い、それぞれに生き辛さを抱えた少年少女が江ノ島で出会い、家族になります。
ふたりは徐々に「恋愛をも超えた深く強い愛情と絆」で結ばれて、生涯を共に支え合って生きていこうと決意します。
小学生から中学生の青春、大人になってからの静かな愛の繋がり。この話を読めば江ノ島の全てが味わえる! を目指して書いた作品です。
(1985年前後の江ノ島をイメージして書いています。現在の江ノ島ではありません。
調べられる範囲で調べて書いていますがわからなかったことも多く、間違いもあるかもしれません。ご了承のうえお読みください)12/19日まで連載
文字数 100,389
最終更新日 2023.12.19
登録日 2023.11.27
12歳の女子中学生雛形茉莉(まつり)が幼い頃から大切にしているフランス人形「リュシー」
中学の入学式の日、学校から帰ってきた茉莉は突如空いていた窓から入ってきた見たことない様々な人形からの攻撃を受ける。
その人形達に殺されそうになった時、茉莉にリュシーが話しかけてくる。
リュシー曰く、その人形達はそれぞれの持ち主に恨みを持ち、人間に対して敵意を向けていると言う。
しかし、茉莉はそれをせずに人形達に「私ならあなた達を裏切らない」と説得。
茉莉の嘘偽りない言葉に人形達は攻撃を辞め、茉莉を慕う
しかし、直後複数の人形達は謎のナイフによって殺されてゆく。
唖然とする茉莉とリュシーの目の前にリュシーとそっくりのフランス人形ジュリーが現れる。
ジュリーは深く人間を恨んでおり、自分を裏切り茉莉に懐柔された人形達を裏切り者として殺した
「今日のところは撤退するけど次は容赦しない」「忌々しい人間側についたリュシーお姉様も必ず殺す」と話すジュリー。
かくして人間擁護側の姉リュシーと人間抹殺側の妹ジュリーによる人形戦争に茉莉は巻き込まれてゆく。
文字数 9,506
最終更新日 2024.01.18
登録日 2023.05.22
これは、世界が一度滅んだ後の話……。
今は未来。君たちの生きている世界の二百何世紀は経っているであろう世界。
人間の文化は一度滅び、君たちの生きていた場所、科学、記録などはもうほとんど消えていた。少なくとも残っているのは、君たちの知らないような未知の科学のみ。
その中で現在でも有名な「くじら」という物が残されていた。
くじら、この世界でいう無人の飛行型自動船。
くじらはこの世界に5機しかないといわれる、今では古代の乗り物。それを見たら一生幸せになれる、という噂がたつほど、地上ではとても珍しく有名な、世界の七不思議のような存在。
くじらを動かすには、ドールという少女達が必要となる。これは、その少女達と少年、そして「くじら」の物語。
さあ始めよう。世界を揺るがす者達の物語ーーファンタジーーーを。
※作者の集中力が全くもって0のため、制作スピードがとてつもなく遅いです!!
文字数 34,281
最終更新日 2019.11.17
登録日 2019.03.04