歴史・時代 シリアス小説一覧
キャッチコピー
のしあがれ、二代目!
粗筋
主人公・与無蔵(よむぞう)は、二十歳の男性にして江戸裏社会の一員である。彼の父・頭吉は、江戸中の賭博場を束ねる闇組織『猿組(ましらぐみ)』の初代筆頭親分であった。
その頭吉が、元文四年(一七三九年)四月二十八日、夜中の路上で護衛ごと何者かに殺害された。
彼の死は、一介の親分の死ではすまされない。
そもそも頭吉が治めていた『猿組』は、ほかに芸事や人足といった別々の職能に基づく三つの組と手をとりあって、『ヌエ』なる集団を作っていた。『ヌエ』は、奉行所に賄賂を払ったり、組同士の利害を調整したりするのを目的としている。すなわち彼の死は江戸裏社会の混乱を意味した。
与無蔵はすみやかに父の葬儀を開いた。頭吉の直属幹部や猿組の直参組長はもちろん、ヌエを構成するほかの三つの組……芸事と岡場所の狸組、人足と水運業の虎組、医療の蛇組……の各筆頭親分または名代が続々と参列した。
それは、血で血を洗うヌエの内部抗争が始まったことを意味した。
※本作は拷問などの残虐場面、性的に倫理観の逸脱した人物の登場などを含みます(ただしベッドシーンはありません)。
※本作はフィクションであり、いかなる登場人物、筋、演出においても現実のそれとは一切関係ありません。
文字数 61,134
最終更新日 2024.06.11
登録日 2024.05.30
晴らせぬ恨みを晴らし、許せぬ人でなしを消す。仕掛けて仕損じなし、口外法度の始末屋稼業。昼行灯の同心・中村左内を中心とする始末屋のメンバーたちの生き様を描いた作品です。差別用語が数多く登場します。
また江戸時代が舞台ですが、史実とは異なる部分があります。歴史が好きすぎて、テレビの時代劇にもいちいち重箱の隅をつつくような突っ込みを入れる意識高い系の人は読まない方がいいです。
さらに昨今のスペシャルドラマの必殺シリーズとは根本的に違い、暗く不快で残酷な話が多くなります。苦手な方は注意してください。
【始末屋】
◎隼人
訳あって、沙羅と共に江戸に逃げて来た若者。小柄だが、鎖鎌と手裏剣を使いこなす凄腕の殺し屋。ただし世間知らず。普段は顔を白く塗り、大道芸人をしている。
◎沙羅
隼人と共に、江戸に逃げて来た南蛮人の女。実は、隠れ切支丹である。
◎鉄
現物の鉄の二つ名を持つ、大男の骨接ぎ屋。始末屋の一員ではあるが、同時に龍牙会の客分格でもある。殺しに快感を覚える、危険な一面を持っている。
◎市
普段は竹細工師をしている若者。二枚目役者のような整った顔立ちをしているが、その内面は冷酷そのもので、安い仕事は引き受けない。始末屋に対する仲間意識も薄く、他の者たちには何ら特別な感情を抱いていない。
◎小吉
始末屋の一員の若者。もっとも、偵察や情報収集などの補助的な役割しか出来ない。
◎源四郎
左内の下で動く目明かしであると同時に、始末屋の一員でもある。ただし、彼が始末屋であることは、他の面子は誰も知らない。
◎中村左内
南町の昼行灯との異名を持つ同心。普段は小悪党の上前を掠め取り、大悪党には見てみぬふり……しかし、その実態は始末屋の元締であり剣の達人でもある。始末屋の仲間からは「八丁堀」と呼ばれている。
【龍牙会】
◎お勢
江戸の裏社会で、もっとも力を持つ組織「龍牙会」の元締。四十代の女性だが、裏の世界では彼女に逆らえる者など、ほとんどいない。
◎死門
お勢の用心棒。凄腕の殺し屋でもあり、裏の世界では恐れられている。奇妙な剣術を使う南蛮人。
◎呪道
拝み屋の呪道の二つ名を持つ軽薄な祈祷師。だが、その実態は龍牙会の幹部であり、元締お勢の片腕でもある。始末屋の鉄とは仲がいい。まだ二十代半ばの若者だが、なぜかお勢に惚れている。
【その他】
◎秀次
市の叔父であり、育ての親でもある。裏社会の大物だが、不気味な性癖の持ち主。
◎渡辺正太郎
若き同心。左内の同僚であり、いつも愚痴をこぼしている。
文字数 85,658
最終更新日 2024.06.11
登録日 2024.05.31
美しき湖と山々に囲まれた【ティエーラ王国】。
世は戦乱の時。
かの小国の奮闘虚しく、湖に抱かれた王都は瞬く間に陥落。
【レグノヴァ帝国】の若き将軍アヴェルヌスの手に落ちてしまう。
碧湖守備隊(ノール・ヴァルト)兵士ティルスは
ただ1人処刑を免れるも、戦争捕虜となった後
剣闘士としての生を強いられることになったが……!?
――此れは。
敗者の命に値がつけられ、道具として消費された時代の物語。
◆注意◆
基本的には古代ローマ&西洋風の世界観で、
主人公(ティルス)がヒロイン(アレリア)や仲間のために、
強大な帝国と戦っていくファンタジー戦記モノ&時々恋愛モノのお話ですが、
『剣闘士』『奴隷』『戦争』という題材を扱うにあたり、
・流血表現
・暴力/暴行を示唆する内容(性的な内容を含む)
・物語上の弱者が痛い目に合う描写
が含まれます。
苦手な方はあらかじめ観覧をお控えいただくか、
気分が優れない場合は、必要に応じて観覧を中断してください。
≪小説×漫画について≫
小説で書きたい場面は小説、
漫画にしたい場面は漫画で描いちゃう!
という自由型創作をしています。
節タイトルに『◆』がついてるのが、挿漫画もしくは挿絵があるお話です。
≪おまけ≫
この作品は、2009年に制作した読み切り漫画のリメイク続編となります。
元ネタ漫画(時系列・設定・名称が多少異なります)
↓
https://www.pixiv.net/artworks/77097159
※リンク先は外部サイトとなります。
文字数 35,070
最終更新日 2024.06.10
登録日 2024.06.01
訳あって港街・錦濤で育った十歳の姫宮が新東宮として京の都に上る。護衛の女武人・翠令も同行するが、途中で盗賊の白狼に襲われる。そこに近衛大将・佳卓が助けに来た…のだが…。
才色兼備で身分も高いがアクも強い上官・佳卓のもと、傲岸不遜な白狼とともに宮仕えに馴染んでいく翠令。しかし、佳卓と双璧と称される文官随一の能力者・円偉の影がちらつくようになる。
京の都を追われた元野盗の白狼が、やんごとない悲劇の姫君につきつけた要求とは?
円偉が愛しているのは、男か女か、それともそれを問うても無駄なのか?
そして、追い詰められた皆を救うため佳卓が講じた奇策とは?
平安時代を舞台に、恋と友情と主従愛、そして政争とがダイナミックにからむファンタジー。人間ドラマをお楽しみください!
完結済みの草稿があり、定期的に推敲の上で投稿しています。完結するのは確かですので、その点についてはご安心下さい。
カテゴリーを「歴史」にしていいのかかなり悩みましたが、転生するなど物理的にあり得ない要素は拙作には無く、実在しないキャラとはいえ、地に足のついた戦いをするので「架空戦記」に近いのかな……と今のところ解しております。運営様が異なる判断をなさいましたらもちろんそちらに従います。
文字数 400,206
最終更新日 2024.06.10
登録日 2023.09.08
徳川家の御世も大を重ねること四代。ここ公許遊里である吉原遊廓では夜毎に男女の艶事が繰り広げられていた。
遊廓の秩序を守る自警団、四郎兵衛会所の首代たちは様々な身分に身をやつし遊女に危害が加えられていないかまた、彼女たちが不穏な動きを見せていないか警戒に当たっていた。
首代たちを束ねる西田家の娘である凛は、女の身でありながら首代として警護に当たっている。客からの暴力など遊女の身体を守るのが男の首代。女の首代は傷ついた遊女の心を癒やすのが仕事となっている。
とはいえ首代であるが故に、荒事にも女の身ではあるが立ち向かわねばならない。
吉原遊廓を舞台に、運命の悪戯に巻き込まれてしまった二人の女たちの姿を描く。
【他サイト掲載】NOVEL DAYS
文字数 34,162
最終更新日 2024.06.10
登録日 2024.05.01
本能寺の変によって織田信長が討たれた後、後継者争いに勝利した羽柴秀吉は天下統一の事業を推進。
服属を拒む紀伊・四国・九州を制圧し、朝廷より豊臣の姓を賜り、関白・太政大臣に就任した秀吉は、最大の敵対者である徳川家康を臣従させ、実質的な天下人に。
そして天正18年(1590年)、秀吉は覇業の総仕上げとして関東の大部分を支配する北条氏の討伐を開始。
しかし、圧勝が約束されていた合戦は、北条方の頑強な抵抗と豊臣家内部で起きた予期せぬ事件によって失敗に終わる。
この事態に焦った秀吉が失政を重ねたことで豊臣政権は不安定化し、天下に乱世へと逆戻りする予感が広まりつつあった。
凶悪犯の横行や盗賊団の跳梁に手を焼いた政府は『探索方』と呼ばれる組織を設立、犯罪者に賞金を懸けての根絶を試みる。
時は流れて天正20年(1592年)、探索方の免許を得た少年・玄陽堂静馬は、故郷の村を滅ぼした賊の居場所を突き止める。
賞金首となった仇の浪人へと向けられる静馬の武器は、誰も見たことのない不思議な形状をした“南蛮渡来の銃”だった――
蹂躙された村人と鏖殺された家族の魂、そして心の奥底に渦巻き続ける憤怒を鎮めるべく、静馬は復讐の弾丸を撃ち放つ!
文字数 65,527
最終更新日 2024.06.10
登録日 2024.05.31
1683年、城塞都市ウィーンはオスマン帝国の大軍に包囲されていた。
第二次ウィーン包囲である。
戦況厳しいウィーンからは皇帝も逃げ出し、市壁の中には守備隊の兵士と市民軍、避難できなかった市民ら一万人弱が立て籠もった。
彼らをまとめ、指揮するウィーン防衛司令官、その名をシュターレンベルクという。
敵の数は三十万。
戦況は絶望的に想えるものの、シュターレンベルクには策があった。
ドナウ河の水運に恵まれたウィーンは、ドナウ艦隊を蔵している。
内陸に位置するオーストリア唯一の海軍だ。
彼らをウィーンの切り札とするのだ。
戦闘には参加させず、外界との唯一の道として、連絡も補給も彼等に依る。
そのうち、ウィーンには厳しい冬が訪れる。
オスマン帝国軍は野営には耐えられまい。
そんなシュターレンベルクの元に届いた報は『ドナウ艦隊の全滅』であった。
もはや、市壁の中にこもって救援を待つしかないウィーンだが、敵軍のシャーヒー砲は、連日、市に降り注いだ。
戦闘、策略、裏切り、絶望──。
シュターレンベルクはウィーンを守り抜けるのか。
第二次ウィーン包囲の二か月間を描いた歴史小説です。
文字数 75,641
最終更新日 2024.06.10
登録日 2024.05.25
アラン・フルーリーは兵士になった。
軍服を着たいと思ったことなどなかったが、それが、彼の暮らす国、イリス=オリヴィエ連合王国での[義務]なのだから、仕方がない。
マグナ・テラ大陸の南側に突き出た半島部と、そこに連なる島々を国土として有する王国は、[連邦]と[帝国]という二大勢力に挟まれた永世中立国だった。
王国に暮らす人々には、誰かに押しつけたい思想も、誇示したい権威もない。
ただ、自分たちのありのままの姿で、平穏に暮らせればそれでよかった。
だから中立という立場を選び、連邦と帝国が度々、[大陸戦争]と呼ばれる大戦を引き起こしても、関わろうとはしなかった。
だが、一口に[中立]と言っても、それを維持することは簡単ではない。
連邦、あるいは帝国から、「我々に味方しないのであれば、お前も攻撃するぞ! 」と脅迫された時に、その恫喝を跳ねのけるだけの力が無ければならない。
だから、王国は国民皆兵を国是とし、徴兵制を施行している。
そこに暮らす人々はそれを、仕方のないことだと受け入れていた。
国力で圧倒的に勝る二大勢力に挟まれたこの国が中立を保ち、争いに巻き込まれないようにして平和を維持するためには、背伸びをしてでも干渉を拒否できるだけの備えを持たなければならなかったからだ。
アランは故郷での暮らしが好きだった。
牧歌的で、自然豊かな農村での暮らし。
家族と、愉快で愛らしい牧場の動物たち。
そこでの日々が性に合っていた。
軍隊生活は堅苦しくて、教官役の軍曹はしょっちゅう怒鳴り散らすし、早く元の生活に戻りたくて仕方がなかった。
だが、これも義務で、故郷の平穏を守るためなのだからと、受け入れた。
幸い、新しく配属になった分隊は悪くなかった。
そこの軍曹はおおらかな性格であまり怒鳴らなかったし、仲間たちもいい奴らだ。
この調子なら、後一年残っている兵役も無事に終えられるに違いない。
誕歴3698年、5月22日。
アランは、家に帰ったら母親が焼いてくれることになっているターキーの味わいを楽しみにしながら、兵役が終わる日を待ちわびていた。
これから王国と自身が直面することになる運命など、なにも知らないままに……。
※本作の本編、「イリス=オリヴィエ戦記」は、カクヨム、小説家になろうにて掲載中です。長編であるためこちらに転載する予定は今のところありません。
文字数 58,828
最終更新日 2024.06.10
登録日 2024.04.27
嵐のような晩だった。
銀次は押し込み強盗「おかめ盗賊」の一味だった。「金は盗っても命は取らぬ」と誓っていたのに、仲間が失態をおかし、人殺し盗賊に成り下がってしまう。銀次は何の因果かその家の一人娘を連れ去ることに。
そして、おかめ強盗に命を散らされた女中、鈴の兄源助は、妹の敵を討つために一人、旅に出るのだった。
追われ、追いかけ、そんな人生の長い旅路を過ごす者達の物語。
※ 地名などは全て架空のものです。
※ 詳しい下調べはおこなっておりません。作者のつたない記憶の中から絞り出しましたので、歴史の中の史実と違うこともあるかと思います。その辺をご理解のほど、よろしくお願いいたします。
文字数 39,426
最終更新日 2024.06.10
登録日 2024.05.30
心を閉ざした青年は、伝説の黄金の実を探す旅に出る――。
次期大王として選出された八人兄弟の末の『柰雲』は、妹の死を憂うあまり心を閉ざしかけていた。
大地は数年前から飢饉や干ばつがおそい、人々の暮らしは貧しくひもじくなる一方だ。
そんな中、北の戦闘民族が肥沃な土地を求めて南下し、侵略を繰り返しているという報せを受ける。
危惧する暇もなく奇襲をかけられ、村人全員を人質に取られてしまった。
運良くその場を切り抜けた奈雲だったが、村人が殺されたのを見て逆上し敵兵を惨殺してしまう。
報いとして、伝説に記された「和賀ノ実」を取って来るよう要求される。
その実は寒い土地でも痩せた土地でも芽を出し、一粒が一万粒に増えるという神が人に与えた実だ。
年内に取って来なければ村人たちの命を取られてしまう。
柰雲は相棒の「稀葉」とともに幻の実を探し求めて東へ出発する。
生きることに疲れた青年×相棒や仲間が
一族を救うために世界を旅する物語。
完結保障ですが、改稿しながらゆっくり連載します。
残酷描写あり?なのでR15念のため。
◇めちゃくちゃ暗いです。
◇旧字体を使っていますので文字化け注意。
◇副題に「參の國編」とついていますが、壱、弐はありません。
◆表紙画像は簡単表紙メーカー様で作成しています。
◆無断転写や内容の模倣はご遠慮ください。
◆大変申し訳ありませんがのんびり更新です。また、予告なく非公開にすることがあります。
◆文章をAI学習に使うことは絶対にしないでください。
◆アルファポリスさん/エブリスタさん/カクヨムさん/なろうさんで掲載してます。
〇構想執筆:2021年、改稿投稿:2024年
文字数 12,212
最終更新日 2024.06.10
登録日 2024.06.06
応仁の乱から六十年。信長登場以前の戦国時代がここにある。
第一章 動乱前夜
千利休が誕生した|大永二年《西暦1522年》より物語は始まる。前年の将軍出奔という大騒動が一段落し、新たしい帝の御代となった大永の世は、まさに動乱前夜という様相を呈していた。先年来の両細川の乱は細川澄元の死によって小康状態であり、細川氏と大内氏の対立は遠く海外で衝突を起こす。幕府の抱える問題が噴出し始めていた。
第二章 苞蔵禍心
|大永五年《西暦1525年》、平穏に幕開けたはずの年はまさに厄年であった。武家の諍いとは無縁の所で青蓮院門跡の花会が盛大に催される。茶の湯の巨匠・村田珠光の婿養子・村田宗珠の今でいう添釜であった。一方、細川家では高国が隠居・剃髪し、稙国が家督したが、疫病が大流行して畿内は混乱に陥る。そんな中、対立を深める細川尹賢と香西元盛だったが、謀略により元盛が誅殺され、高国陣営は転がり落ちるように形勢が悪化する。そして起こる桂川原の戦い。
現在鋭意執筆中!
文字数 149,224
最終更新日 2024.06.10
登録日 2022.03.17
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】
戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。
永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。
信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。
この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。
*ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。
文字数 462,113
最終更新日 2024.06.09
登録日 2022.05.11
※事実を元に作った空想の悲恋、時代小説です。
「わたしは男装軍人ではない。立派な軍人だ」
藤宮伊吹陸軍少尉は鉄の棒を手にして、ゴロツキに牙を剥ける。
没落華族令嬢ではある彼女だが、幼少期、父の兄(軍人嫌い)にまんまと乗せられて軍人となる。その兄は数年後、自分の道楽のために【赤いルージュ劇場】を立ち上げて、看板俳優と女優が誕生するまでになった。
恋を知らず、中性的に無垢で素直に育った伊吹は、そのせいか空気も読まず、たまに失礼な言動をするのをはしばしば見受けられる。看板俳優の裕太郎に出会った事でそれはやんわりと......。
パトロンを抱えている裕太郎、看板女優、緑里との昭和前戦レトロ溢れるふれあいと波乱。同期たちのすれ違い恋愛など。戦前の事件をノンフィクションに織り交ぜつつも、最後まで愛に懸命に生き抜く若者たちの切ない恋物語。
主要参考文献
・遠い接近=松本清張氏
・殉死 =司馬遼太郎氏
・B面昭和史=半藤一利氏
・戦前の日本=竹田千弘氏
ありがとうございます。
※表紙は八朔堂様から依頼しました。
無断転載禁止です。
文字数 102,040
最終更新日 2024.06.06
登録日 2023.01.30
15世紀、狂王と淫妃の間に生まれた10番目の子が王位を継ぐとは誰も予想しなかった。兄王子の連続死で、不遇な王子は14歳で王太子となり、没落する王国を背負って死と血にまみれた運命をたどる。「恩人ジャンヌ・ダルクを見捨てた暗愚」と貶される一方で、「建国以来、戦乱の絶えなかった王国にはじめて平和と正義と秩序をもたらした名君」と評価されるフランス王シャルル七世の少年時代の物語。
歴史に残された記述と、筆者が受け継いだ記憶をもとに脚色したフィクションです。
【カクヨムコン7中間選考通過】【アルファポリス第7回歴史・時代小説大賞、読者投票4位】【講談社レジェンド賞最終選考作】
※表紙絵は離雨RIU(@re_hirame)様からいただいたファンアートを使わせていただいてます。
※重複投稿しています。
カクヨム:https://kakuyomu.jp/works/16816927859447599614
小説家になろう:https://ncode.syosetu.com/n9199ey/
文字数 494,437
最終更新日 2024.06.02
登録日 2019.03.30
秦宜禄(しんぎろく)という人物をしっていますか?
三国志演義(ものがたりの三国志)にはいっさい登場しません。
正史(歴史の三国志)関羽伝、明帝紀にのみちょろっと顔を出して、どうも場違いのようなエピソードを提供してくれる、あの秦宜禄です。
はなばなしい逸話ではありません。けれど初めて読んだとき「これは三国志の暗い良心だ」と直感しました。いまでも認識は変わりません。
たいへん短いお話しです。三国志のかんたんな流れをご存じだと楽しみやすいでしょう。
関羽、張飛に思い入れのある方にとっては心にざらざらした砂の残るような内容ではありましょうが、こういう夾雑物が歴史のなかに置かれているのを見て、とても穏やかな気持ちになります。
それゆえ大きく弄ることをせず、虚心坦懐に書くべきことを書いたつもりです。むやみに書き替える必要もないほどに、ある意味清冽な出来事だからです。
文字数 2,930
最終更新日 2024.05.31
登録日 2024.05.31
【目次】
第1話『間男』
年下純朴男子×年上訳ありビッチの両片思い
第2話『いおり』
年下ワンコ系×孤独な君主の身分差悲恋
第3話『くれなゐ心中』
浮気性のメンヘラ天才絵師×尽くす系男子の愛憎劇
第4話『重蔵の恋始末』
陽キャ幼馴染×失恋したての傷心ノンケの一晩の過ち
第5話『仇討ち裁きの調べ』
兄に下心を抱く腹違いの弟×愛を渇望する兄の非業の恋
第6話『菊禍物語』
人の心がないサイコパス極道×心優しき不遇な美男子の、金と血に結ばれた関係
【あらすじ】
時は江戸時代。
髪結いの良次は、ひとつ屋根の下に暮らす情夫の忠弥が、たびたび男妾として体を売ることに嫉妬心を募らせていた。
しかし、忠弥の妾稼業を承知のうえで抱かせる約束を交わしていた良次は、己の嫉妬心をひた隠しにしていた。
一方、忠弥も愛を欲する心を体の欲で満たしていたが、良次に対して無性に独占したい想いを募らせてゆく。
江戸を舞台にした男たちの、愛と災禍の短編集。
作画:にん様(【X】@ninnin8020)
文字数 63,091
最終更新日 2024.05.27
登録日 2024.04.27
(時代小説新人賞最終選考落選歴あり、別名義、別作品) 密偵斬りの任を人吉の領主である相良(さがら)義陽(よしひ)から命じられている丸目蔵人佐長恵(まるめくらんどのすけながよし)。
彼はある時、特別の命を受けて平戸の地へと向かう。目的は、他の国が南蛮の最新式の兵器を手に入れるのを防ぐこと。弟子にして中国拳法の遣い手の明人、伝林坊頼慶(でんりんぼうらいけい)、偶然蔵人のもとを訪れていた兄弟子の疋田文五郎(ひきたぶんごろう)と共に目指す土地へと旅する一行は、野武士(のぶせり)に襲われ廃墟となった村で夜襲を受ける――
文字数 74,891
最終更新日 2024.05.26
登録日 2024.05.25
八代将軍吉宗が将軍宣下すぐに発した命は、『御鷹献上』であった。
宗次郎は吉宗が和歌山から呼び寄せた鷹匠宮井杢右衛門の養子で、優れた餌差である。
餌差とは、鷹狩の鷹のために雀など小鳥を狩る殺生人のこと。 やたらと小鳥に好かれる宗次郎にとって、小鳥を狩ることは児戯にも等しい。
一方、江戸の隅々まで牛耳ろうと考える吉宗は、江戸城内の人事に左右されない使い勝手の良い隠密を欲していた。
宗次郎を一目見て気に入った将軍吉宗は、宗次郎を自らの隠密に任命する。
宗次郎に任された仕事は、お鷹役人の殺害事件の下手人捜査。そこからさらに事件は広がりを見せ……
鳥請負による不正取引の裏に見つかった裏切り。その裏切りは「復讐」か、あるいは「謀反」なのか。
殺陣あり、事件あり涙ありの本格時代劇小説。
☆エブリスタで連載していた作品を推敲して掲載しています。
文字数 158,954
最終更新日 2024.05.26
登録日 2024.03.24
甲賀の上忍・辻家に嫁入りしたが、虐げられる毎日を送っていた寿女(ひさめ)は、
ある日、とある事情から辻家の当主を殺害した男にさらわれる。
男は伊賀の上忍に生まれながら、日に当たれぬ疾患から叔父に実権を奪われていた青年・清貞(きよさだ)
生き延びるため、叔父の暗殺を企てる清貞は、
甲賀の報復を避けるため、
寿女に「人質として妻になれ」という。
強引に妻にされた寿女だが、
冷たくしきれぬ清貞と過ごすうちに、彼との暮らしをよく思うようになる。
その裏では、清貞を殺し、上忍の実権を奪うべく、
叔父と甲賀による計画が進んでいるのだった。
文字数 30,941
最終更新日 2024.05.01
登録日 2024.04.14
この物語は史実では存在しない毛利元就の正嫡の四男が織り成す歴史改変物語にして軽い恋物語要素も含まれています。そう言うのが苦手な方はご注意を。なお、投稿は不定期投稿になる可能性が高いので注意してください。完結できるように頑張りますのでよろしくお願いします。
文字数 29,384
最終更新日 2024.04.22
登録日 2023.12.13
野宿した川原で蝮に噛まれ気を失っていた又三郎は、倒れていた茂みで出会った娘に助けられる。娘は又三郎の傷だらけの刀を見て、旅の話を聞きたいと言う。そうして語られた彼の僅か22年に過ごした道のりは、並みの者が味わうことのない、過酷で波乱に富んだものであった。
文字数 9,304
最終更新日 2024.03.21
登録日 2024.02.27
「どうか、私を許さないでほしい」
これは、ある人殺しの独白である。
赤く染まる景色の中で、彼は何を思うか
文字数 4,839
最終更新日 2023.10.15
登録日 2023.10.15
【第9回歴史・時代小説大賞特別賞受賞作】北の小藩の青年藩士、黒須新九郎は、女中のりよに密かに心を惹かれながら、真面目に職務をこなす日々を送っていた。だが、ある日突然、新九郎は藩の産物を横領して抜け売りしたとの無実の嫌疑をかけられ、切腹寸前にまで追い込まれてしまう。新九郎は自らの嫌疑を晴らすべく奔走するが、それは藩を大きく揺るがす巨大な陰謀と哀しい恋の始まりであった。
謀略と裏切り、友情と恋情が交錯し、武士の道と人の想いの狭間で新九郎は疾走する。
文字数 259,015
最終更新日 2023.09.10
登録日 2021.05.31
<剛介の初恋>
本編である「直違の紋に誓って」を書いている最中に、気分転換も兼ねて書き下ろし、本編に先駆けて発表した作品です。
二本松の戦火を逃れて会津に保護された剛介は、どのような青春時代を送ったのか。本編では書ききれなかった青春時代について、描いています。
<父の背中>
会津で父の顔を知らずに育った少年、遠藤貞信。14歳の夏、母の導きにより彼は父との再会を果たします。貞信の父、剛介が妻に語れなかった、会津を離れた本当の理由とは……。
noteで本編を連載中に、フォロワー様から「剛介のその後が知りたい」というリクエストを頂き、誕生した作品です。
文字数 32,257
最終更新日 2023.08.15
登録日 2023.06.05
生まれ育った村を賊に襲撃され、村人や家族を皆殺しにされた上に、自らも両足を失ったお京。だが彼女は血の滲むような努力の末、超人的な腕力と神域ともいえる釣り独楽(つりごま)の技を身につけた。盲目だが杖術の使い手であるお花や、蘭方医学を学んだお七と共に旅に出る。外道猟姫(げどうりょうき)の殺し旅、とくと御覧あれ。
※差別的用語が登場します。苦手な方は注意してください。また、釣り独楽とは現代のヨーヨーに近いものです。
文字数 110,987
最終更新日 2023.06.29
登録日 2022.03.06
払暁に生まれた女児は鎌倉を滅ぼす……鶴岡八幡宮で神託を受けた二代将軍源頼家は産み落とされた女児を御家人のひとりである三浦義村の娘とし、彼の息子を自分の子だと偽り、育てることにした。
ふたりは乳兄妹として、幼いころから秘密を共有していた。
ときは建保六年。
十八歳になった三浦家の姫君、唯子は神託のせいで周囲からはいきおくれの忌み姫と呼ばれてはいるものの、穏やかに暮らしている。ひとなみに恋もしているが、相手は三代将軍源実朝、血の繋がりを持つ叔父で、けして結ばれてはならないひとである。
また、元服して三浦義唯という名を持ちながらも公暁として生きる少年は、御台所の祖母政子の命によって鎌倉へ戻り、鶴岡八幡宮の別当となった。だが、未だに剃髪しない彼を周囲は不審に思い、還俗して唯子を妻に迎えるのではないか、将軍位を狙っているのではないかと憶測を絶やさない。
噂を聞いた唯子は真相を確かめに公暁を訪ねるも、逆に求婚されて……
鎌倉を滅ぼすと予言された少女を巡り、義理の父子が火花を散らす。
顔に牡丹の緋色の花を持つときの将軍に叶わぬ恋をした唯子が選んだ未来とは?
文字数 35,234
最終更新日 2023.06.18
登録日 2023.05.11
愛宮とは幼名らしく、成長してからは『○子』と成人名が有ったのであろうが、成人名は不明だ。
皇族でもないのに幼名に『宮』を付けたのは、生母が雅子内親王であったからだろう。
高明と愛宮の間に出来た明子(めいし)は、後に藤原道長の妻となった。
藤原道長の正室・倫子の長女・彰子(一条天皇の中宮)の家庭教師として道長の舘に勤めたのが紫式部であり、『源氏物語』の執筆の後援者となっていたのが、他ならぬ道長である。
光源氏のモデルとして、源融や道長自身と合わせて源高明の名も上げられる。
藤原氏の氏の長者である道長が何故『源氏』を主人公にした物語を後援したのか謎であるし、一旦失脚したが復権する光源氏に、失脚し隠棲した高明の復権を願った誰かの想いが反映されていると考えられないこともない。
文字数 6,663
最終更新日 2023.06.05
登録日 2023.06.05
遠い昔。とある地方で、毎年、桜が散る頃になると発生する、謎の疫病が蔓延していた。悪くすると死に至る災厄で、村人が大勢亡くなった。
村外れの桜の大木に宿るという、万能の守り神。彼に厄を祓ってもらう引き換えに、心身共に清き若い娘を花嫁に差し出すという儀式の大役を、生まれながらに背負った巫女の家柄の少女。
十五の春。いよいよ迎えた “その” 日に、幼い頃から慕い、信じてきた桜の守神への想いを語る。
「本当は、わかっておりました。だけど、信じたかった。最後の最期まで、信じていたかったのです」
※史実(人身御供)資料を元にしたフィクションです
※PG12程の残酷表現あり。一人称
※表紙は許諾を頂いたAI作成画です
文字数 4,006
最終更新日 2023.05.21
登録日 2023.05.20
【第一部】
願ったのは共に生きる未来。――ただそれだけだった。
戦乱の世が終わって数十年。大平の世の片隅の小藩で、本領と飛び地領との間の壮絶な跡目争いが繰り広げられていた。
生家が困窮し飛び地領に売られた隠密・樋口雅勝と、滅びゆく忍び里の娘・るいは惹かれ合い、共に生きたいと願うようになる。
しかし二人のささやかな願いもまた、お家をめぐる争いの中に飲み込まれて行く運命だった。
二十歳まで生きられない定めを負った隠密と、滅びゆく忍び里の娘のかなわなかった夢と恋の物語。
【第二部】
誰も幸せになれなかった藩主交代劇から三年。
清水忠雅は元許嫁・菊松尼との絆だけを支えに、友を死なせてしまった苦悩と悔恨の日々を生きていた。
そんな忠雅の前にある日、死んだはずの友とよく似た刺客があらわれる。
――この世の仕組みが間違っているのなら、仕組みそのものを変えてやる。
敵方として現れた男は、かつて同じ夢を見た友と同一人物なのか。
雅勝とるい、忠雅と菊乃の恋の行末は。そして長きに渡る藩の権力争いは終わるのか。
文字数 313,611
最終更新日 2023.03.10
登録日 2022.05.11
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