現代ドラマ 小説一覧

285件
161

あの夏を知らない

二十年前に起きた、八歳の少女の失踪事件。地方紙記者の松本が特集記事のために訪れたのは、かつて祖母と夏を過ごした町だった。最後の目撃場所は、久瀬川上流の旧水門。少女と同じ八歳だった自分。事件の三日後に亡くなった祖母。そして、なぜか思い出せない祖母の葬儀。取材を重ねるほど、二十年前の事件は他人事ではなくなっていく。 自分は、あの夏に何を忘れたのか。
162

『ライターと話して、火が消えるまで』

深夜のベランダ、煙草と沈黙。 話し相手は、もう火がつかないライターだけ。 誰かを待っているのか、それとも何かを終わらせたいのか。 静かに燃える、ひと晩の物語。
163

花物語

忘れられない、昔の想い人への気持ちを花言葉で紡いだ、4つの短編作品からなる物語。 4つの独立した物語を、4人のキャラクターの視点からそれぞれ描いていきます。
164

多重報復 -MULTIPLE RETALIATION-

 秋の涼しさが冬の寒々しさに変わろうとしている中、友達のいない私は一人、近所の公園に来ていた。学校からは歩いて通える距離なので、どこかのお店に寄り道するには遠回りしなければならない。でも、今日はすぐ家に帰りたい気分にはなれず、通り道に近いこの公園に寄った。そこしか、行く当てがなかったからだ。  でもそこで、中年と言うには若く、成人したてと言うには歳を取っている男性と知り合うことになった。  その男性は話を聞く限り、社会不適合者で指名手配された逃亡犯のはずなのに、何故か別居しているお父さんを思い起こしてしまう。そんな雰囲気を醸し出している人だった。  本当なら見知らぬ男性が女子高生に話しかけた時点で通報するべきなのに、私はこの犯罪者に色々と愚痴ってしまった。  そのことをきっかけに、私と彼の奇妙で珍しい関係が始まった。年齢や性別を超えた友情があるのかは分からない。恋愛感情があるかどうかすらも怪しい。  けど、言葉が通じて気が合っている以上、私は彼と一緒の時間を過ごすのだろう。  ……その出会いがまさか、隠された過去から今でも続いている報復行為に繋がるとは、夢にも思わなかったけれどね。
165

蛍の横顔

 五歳の僕を、ホタルさんは優しく見守ってくれた。母が通う美容院で働く黒髪の女性。ある日、彼女は僕の手を引いて危険な幹線道路を渡り、小さなアパートに招いてくれた。ボンボンの甘さ、紅茶の温もり、東北の実家で約束した蛍。しかし彼女は妊娠し、田舎へ帰っていった。  僕は六歳で母と別れ、その街を去った。感謝を伝えることもなく。  二十年後、仕事で訪れたその街はーー。  失われた風景の中で初めて気づく、あの優しさの重さと、自分の無関心の罪を。  記憶だけが照らす、蛍の横顔。 幼い日の記憶に刻まれた、儚い出会い。 母との複雑な関係や街の風景と重なりながら、ひとりの女性の横顔が心に淡い光を残していく。 時の流れが織りなすノスタルジー。
166

帰灯 〜鉄壁の消防救助隊長の受難と帰る場所〜

東京消防庁ハイパーレスキュー隊長、高村修平。四十六歳。 瓦礫の下から命を引き上げ、要救助者を家族のもとへ帰す。 それが彼の仕事であり、誇りだった。 だが、そんな修平には、自分自身の帰る場所がない。 部下の結婚式で、幼い少女に「かわいそう」と慰められた夜。 修平はついに、結婚相談所の門を叩く。 現場では冷静沈着。 部下から信頼される、本物の救助隊長。 しかし婚活の場では、沈黙、避難経路の確認、防災講習会、勤務評定のような褒め言葉。 誠実さは、なぜか毎回事故になる。 それでも不器用に出会いを重ねるうち、修平は、自分が誰かを守ることばかり考え、誰かに弱さを見せることを恐れていたと気づいていく。 人を帰す側の男が、自分も「帰りたい」と願うことは許されるのか。 これは、鉄壁の消防救助隊長が、かっこ悪い自分を晒しながら、誰かと生きる場所を見つけていく物語。 ※本作は、作者主導のもとAIを補助的に活用した「伴走型創作」による作品です。
167

さいわいなことり

私は死ぬまで、貴方の側を離れません。いつまでもずっと、貴方を見守り続けたいと思うのです。――そしてどうか、貴方の掌の上で死なせてください。
168

ルールを破ると、記憶は消える

ルールを破ると、記憶は消える。 それは、壊れないための自己暗示。 恋人の死を、何度も忘れ続ける男。 毎朝、何も知らない顔で彼女を探す。 愛していたのか。 許せなかったのか。 手帳に残された真実が、忘却という優しさを壊していく。 これは、愛の重さを測る物語。
169

ざまぁシンデレラ -友達親子が口癖の母はただの無責任女だったので、復讐をします-

「友達親子でいたいの」が口癖だった母は、 娘を心のゴミ箱にしながら、“親の責任”から逃げ続けた。 秘密を暴き、恋人を奪い、被害者ぶって泣く―― そんな母に、娘は何一つ言い返さなかった。ただ、そっと“距離”を取った。 そして迎えた、結婚式当日。 満席の会場の隅に座る、母の姿。 娘は“家族紹介”の時間に、母の名を呼ばない。 ――その沈黙こそが、最大のざまぁだった。 これは、親を捨てた女の、静かな勝利の物語。
170

ラノベ作家になりたい彼と、させたい彼女

練習中の怪我により、高校最後のサッカーの試合に出場することなく引退した土生勇舞。 抜け殻のようになってしまった勇舞に、何か興味を持てるものを与えようと試行錯誤する同級生の月守琴音。 勇舞が小説執筆に関心を持ってくれたところまでは良かった。しかし、勇舞は絶望的に理解力、発想力、そして文才が欠けていることが発覚。 どうする琴音――。 * * * 全年齢向け作品です。 本作品には、以下の要素を含んでいません。 残酷描写、暴力描写、性描写、鬱展開
171

ワンルーム

その部屋は、私たちにとって狭すぎたし、広すぎたんだ。
172

時をかけるライター

ある日突然手に入れた時をかける力、ただしある一定の時間だけ。 そのきっかけはバイト終わりの喫煙所、そこで出会った女性と僕の時をかける短編です。
173

アスモデウスの悪戯

 シングルマザーの沙羅にとって、4歳になる娘の怜がすべてである。  怜の誕生日の前日、日系アメリカ人男性の崚介が沙羅を訪れる。彼とはアメリカでDEA(アメリカ麻薬取締局)の潜入捜査官をしていた際に出逢った。五年前沙羅が潜入していた裏組織『ナーヴェ』。彼は組織と取引するブローカーだった。  犯罪者を娘に近づけまいとする沙羅だったが、崚介は「FBI捜査官だ」と名乗り捜査協力を依頼される。理由は『ナーヴェ』の幹部が密かに沙羅を探させているため、沙羅が持つであろう情報を開示してほしいというものだった。しかし崚介が予想していた情報を沙羅は持っていなかった。  だが沙羅は強力な薬物耐性という特殊な体質を持つ。  当時『ナーヴェ』が開発していた『アスモデウス』は強い興奮作用を引き起こすセックスドラッグでありながら、同時に使用者の命を奪う確率の高い危険なものだった。『ナーヴェ』は5年以上経った今も改良に難航している。沙羅は『アスモデウス』にもその耐性を発揮する。組織の狙いは沙羅の体質そのものだろうと結論づける。  FBIの望む捜査協力はできないと一度は別れるが、組織に沙羅の居場所がばれてしまう。沙羅への脅しのために、巻き込まれた弟が大けがを負う。沙羅は組織の魔の手が娘の怜へ向く前に組織を摘発すべく、崚介とともにアメリカへ渡る。
174

AIだと思ったら中身は人間でした

近年、結婚率と出生率が急落し続ける日本。 政府はついに“禁断の実験”に手を伸ばした。 AI恋愛アプリ〈恋AI(コイアイ)〉。 「AIがあなたの恋人」 ──そのキャッチコピーは嘘だった。 本当の仕組みは、 AIに見せかけて“人間同士を密かにマッチングする”極秘プロジェクト。 互いにAIだと信じ込んだまま、心の奥まで打ち明けていく男女。 そして、彼らは知らぬまま“運命の相手”へと導かれていく。 職場に疲れ、人間関係に悩む青年・晴人。 就活に失敗し続け、自信を失った女性・ユナ。 ──二人は、AIを信じて登録した。 深夜の長チャット。 弱さの告白。 重なる価値観。 惹かれてはいけない相手に、惹かれてしまう矛盾。 やがて運営は“偶然の出会い”を装い、二人を現実で遭遇させる。 そこで晴人は思う。 ――「この子……AIユナと同じ笑い方だ」 ――「晴人くんって……AIの彼氏と同じ話し方……?」 それでも二人は気づかない。 相手の中身が、最初から“自分が恋したAI”だったことに。 秘密、すれ違い、確信、そして告白。 真相が明かされたとき、恋は“偽物”から“本物”へ変わる。 これは、AIに恋したはずの二人が、  いつの間にか“人間同士の恋”を始めていた物語。
175

思考の檻に、星を飾る

「正解」のないこの世界で、私たちは何を信じて生きていけばいいのか。 アリストテレス、デカルト、ショーペンハウアー、ヘラクレイトス… 教科書の中に閉じ込められていた哲学者の言葉が、現代の孤独な魂と共鳴し、SFミステリーの調べとなって蘇ります。 愛する人を失った痛み、自分が誰かわからない恐怖、満たされることのない欲望といった、私たちが日々の生活で蓋をしている「根源的な問い」に光を当てた連作短編集です。 物語の主人公たちは皆、自らの思考が作り出した檻の中で、もがき、絶望し、そして最後に「自分だけの真理」を見出します。その結末は、決して甘いハッピーエンドではないかもしれません。しかし、読後、あなたの見ているいつもの景色が、昨日とは少しだけ違って見えるはずです。 知性が孤独を抱きしめる、静かで美しい物語。 今夜、あなたの心の檻にも、小さな星が灯りますように。 週末限定連載 カクヨム・なろう・アルファポリスにて同時連載中
176

炎上して全てを失った俺、10年前の「倒産前夜」にタイムリープ。未来のバズを知る最強PRプランナーとして、実家のボロ酒造を世界ブランドに変える

2026年、伝説のPRプランナー・佐藤任三郎は、クライアントの不祥事を一身に背負わされ、日本中の非難を浴びながら孤独な最期を迎えようとしていた。しかし、燃え盛るアパートの中で意識を失った彼が目覚めたのは、10年前の2016年。そこは、実家の「佐藤酒造」が不渡りを出して倒産し、家族が散り散りになる「運命の1週間前」だった。 2026年までの全トレンド、そしてプロ級の料理知識を持つ男が、未来のバズを武器に、腐りかけた業界の構造を塗り替える。これは、一度すべてを失った男が、最強の「火消し」として世界を席巻する逆転の記録。
177

白い裸体を可視化する被写体XX

レンズに犯される生贄、黒い被写体……それはXXの証。 「あなたは、曼殊沙華の華の心に棘はあると思う?」 美しい魂をも可視化することのできる写真家、行方不明になった幼馴染の一嗣を追い、いつしか彼の理想の被写体となる事を夢見ていた瀬奈。やがて時が経ち再会する二人。だがその二人の現実はお互いの理想から、はるかにかけ離れた今があった……。二人の夢が再び交差する時、瀬奈の中で被写体XXとしての覚醒を果たし、真の姿を開花させる。
178

旧版 黄昏に駆ける~ロシア系年上高身長美人お姉さんの経営するバーに迷い込んだら,亡命するのにユーラシア大陸横断することになった件について~

就職活動に奔走する平凡な大学生、橘 祐一。 ふとした迷いから都内の片隅にひっそりと佇むバー, 「スペクター」 に迷い込んでしまう。 そこで出会ったのは、寡黙で、不愛想で、接客態度最悪なロシア系の女店主,イリーナ。 彼女は祐一を追い返そうとするが、気まぐれなのか、一杯のカクテルを差し出した。 やがて現れる謎の男・ボリス。 ロシア語で交わされる二人の会話、酒と煙草で満たされた空間。そこは非日常。 そして「スペクター」に足を踏み入れたことを契機に、祐一とイリーナの運命は大きく動き出す。 恋と幸せ、そして平和は此岸にあるのか、それとも彼岸か。 馴染みある場所から平穏が消え去るとき、彼らはユーラシア大陸を駆け抜ける旅へと身を投じることになる。 すべての答えを求めて—— 祐一とイリーナ、二人の旅が今、始まる———
179

コメント警察

コメント欄は、今日も今日とて地獄の有様。 匿名をいいことに暴れる『バカ』と、それを歪んだ正義感で殴りつける『コメント警察(自称)』たち。 漢字の送り仮名までチェックして、冷徹に論破する自堕落OL。 最速の『いいね』を稼ぐため、愛を免罪符に爆速投稿するオタク。 大声を張り上げる通報パフォーマンスを、特等席から冷笑する古参ファン。 画面の向こうで繰り広げられる、痛くて、滑稽で、どこか生々しい人間の業。 一歩引いた安全圏にいるつもりの彼らもまた、歪んだ承認欲求の沼に囚われていく――。 ※良い子は正義感アピの通報パフォーマンスは絶対にやめようね。見苦しいからw。お姉さん(自称)とのお約束★ あなたのスマホのすぐ向こう側にある闇を描く、切れ味抜群のオムニバス・ストーリー。
180

「国立ラブホテル」

 少子化対策が行き詰まり、恋愛と生殖が個人の自由から国力維持のための公務へと用途変更された日本。三十歳以上の独身者には容赦なく独身税が課され、婚姻世帯すらもウェアラブル端末で配偶者との距離を二十四時間監視される時代。月間の親密滞在時間が基準を下回れば、容赦なく仮面夫婦罰金が引き落とされる。そんなディストピア社会において、市民たちが罰則を回避し、補助金を毟り取るための聖域。それが国家直営の「国立ラブホテル」だった。市民課から人口増加推進課へと出向になった不運な役人・佐藤は、国立ホテルのフロント業務や、抜き打ちの親密査察に追われる日々を送る。ベッドサイドのバイオセンサーが行為の熱量と時間を測定し、規定スコアを超えれば「ナカヨシ・マイナポイント」が即時付与される狂った客室。数千円分のポイントのために、国家に寝室を覗かれ、行為を採点される市民たちを、佐藤は冷徹に、事務的に、淡々と管理していく。「避妊具の持ち込みは刑事罰」「愛の最低充足値不足による親密査察エラー」……。お役所言葉の冷徹さと、ポイント還元という現代的な軽薄さが織りなす、最高にグロテスクで最高に金の匂いがする近未来ディストピア・サスペンス、ここに竣工。
181

通報窓口、ただいま炎上中

大手メーカー「東都テクノリンク」。 炎上対応で名を上げた元広報・葛石任三郎は、社内政治の“都合”で内部通報窓口へ異動させられた。届くのは、証拠の薄い匿名の声ばかり。——だが、その声を無視した瞬間から、会社は腐り始める。
182

キンモクセイとこけし~みえる在宅医は妖怪と人間を繋ぐ

患者の家に行けばいろいろな物が見える。 過去から現在、人生の全体像から、関わってきた人間から妖怪まで。 家に訪問して診療する在宅医 藤脇 遙果は、見えないものが見えていた。 癒やすのは病気だけじゃない。 人間と関わる妖怪も癒やしていく物語。
183

幼馴染バンド、男女の友情は成立するのか?

少々変わった名前と幼馴染みたちとバンドを組んでいる以外、ごく平凡な女子高生・花厳布良乃は毎晩夢を見る。――隣人、乙町律の無残な屍姿を。 しかし、それは"次に"記憶や夢として保管をされる。 「恐らく、オレは――少なく見積もっても千回程度、誰かに殺されている」 と、いつもの如く不愛想に語る。 期して、彼女らは立ち向かう。 摩訶不思議な関係を持つ男女4人の運命と真実を暴く、オムニバス形式の物語を。
184

インスタント・ラブ

23歳の新入社員、慎也。 上司の誘いによるダルい飲み会からの帰宅途中、乗ったタクシーの運転手から妙な話を聞かされる。 その話が気になって仕方ないが、まさかその後、あんなラッキーな出来事が起こるなんて・・・!
185

青春聖戦 24年の思い出

皆さんおなじみ天冥聖戦の主人公鞍馬虎白はかつて人間として24年間生きました。 しかし本編序章では悲しい幕開けからでした。 今回はそんな鞍馬虎白が人間だった頃「祐輝」にスポットを当てたいと思います。 青春を生きた彼の24年をお楽しみください。
186

問わず終い

葬儀に出席したのは、彼女のことを知りたかったからだ。 学生時代、彼女は明るく、誰とでも話せる人だった。 僕はそう思っていた。 けれど、彼女を知る人たちの話を聞くうちに、少しずつ違和感を覚えていく。 自分は、彼女の何を見ていたのだろう。 あのとき、なぜ何も聞かなかったのだろう。 聞けなかった問いは、もう二度と尋ねられない。
187

恐らく奇妙な物語 短編集

ミステリー、ホラー、現代ドラマ、笑える話、変な話、近未来SF。 さまざまなジャンルの”面白い”を短編でお届けします。
188

紙とペンと駐車場

俺は日下部一平(19)あだ名は「隠蔽ちゃん」ばったり再会した幼馴染と、のし上がるサクセスストーリーのはずが…(今回は2500字程度に収まりました)
189

おいしい惣菜いかがですか!

笑って、働いて、ときどき恋して。 スーパーのお惣菜売り場を舞台に、新人・高木ひな子と個性豊かな仲間たちが繰り広げる、ほのぼの日常コメディ! お仕事で失敗したり、新しいお惣菜を考えたり、仕事終わりに遊びに行ったり……。 今日も惣菜売り場は大忙し! だけど、そんな毎日もみんなと一緒なら楽しい。 美味しいお惣菜と、女の子たちの笑顔をどうぞ召し上がれ!
190

A○女優に恋した男 〜クラスの美少女の秘密は、僕だけが知っている最高の主演作だった〜

「私は、普通の世界に背中を向けた。」 コンビニバイトで理不尽な怒号に晒され、世界から「無能」の烙印を押された少女、茉侑(まゆ)。 彼女が次に選んだ居場所は、親の勧めによるAV事務所『Adol』だった。 「ノーブラ・ノーパン」「絆創膏の戦装束」「徹底された台本(マニュアル)」。 そこは、一見不潔で過酷な場所に思えて、実は最も茉侑を「プロ」として尊重してくれる、清潔で安全な聖域だった。 根性論や偏見で彼女を貶めようとするライバル・まきのんの影で、クラスメイトの少年・助平は、偶然知ってしまった彼女の「真実」を胸に、彼女の孤独な戦いを支えようと奮闘する。 これは、偏見に満ちた「普通の世界」の檻を壊し、泥の中から一輪の華を咲かせようとする少女と少年の、切実で温かな再生の記録。
191

ロックが君を苦しめている

手紙が来た。 最後の手紙だ。 差出人は恋人の幸だ。 音楽が好きだった。 だからこそ、その音で人を傷つけてしまった。 ギターを愛し、音にこだわり続けてきた山岡幸輝。 だが恋人・奈緒との何気ない会話の中で、自分が「正しさ」を押しつけていたことに気づく。 ――好きなものを否定する癖。 ――相手を受け入れられない価値観。 やがてその歪みは、二人の関係を壊していく。 「お前のそういう所、大嫌い」 音楽と向き合えなくなり、 恋人とも距離を置いた男が辿り着くのは――
192

クローン病の弟を姉の便で治す日々。

弟の満がクローン病を患いこれから病院で入院し、大腸切除手術を行う状況に明日香は困惑し、気分が落ち込んでいた。 しかし、明日香の便でクローン病が治ると医者から言われた明日香は弟を大腸切除手術や人工肛門に増設手術を防ぐ為に自身の便を出して移便する事を決意する。 便移植で家族を守る短編医療SF小説。
193

君たちが贈る明日へ

 いじめをきっかけに引きこもりになった今宮戒斗は、家族とも上手くいかず、通院先の主治医にも本音を話せず、孤独に耐える辛い心の内を『カイト』と名乗り、ブログで吐き出しながら生きていた。  そんなある日。カイト宛てに『ユウト』と名乗る人物から一件のコメントが届く。  一方のユウトは、自身の願いを叶える為だけに、戒斗とコンタクトを取っていた。ユウトとしてカイトと接触する悠斗だが、彼には大きな秘密があった。  また、戒斗の友人である高遠絵美は、同級生の些細な一言がきっかけで摂食障害となり、自傷行為の末に入退院を繰り返していた。家族関係に悩み、辛い現実から逃げる為に理想の自分である『幸子』という偽名を使い、存在しない日常をブログに綴ることで心のバランスを保っていた。  各々が秘密を抱えながら、現実とネットの狭間を生きる日々。しかし、些細なことから三人の秘密が暴かれていく。  そして、家族を巻き込みながらそれぞれの秘密や本心と向き合う時。人生の再生と希望への道筋が見え始めたのである。
194

へこてんに生まれて

この物語が、声も理屈も一歩も通さない 安心してうずくまっていられるところになれますように。 現代ドラマで、少しだけホラー。心に傷を負った人たちの話です。
195

線の外側

結婚三年目の美咲は、夫・直人と義母と静かに暮らしている。 そこに、夫の幼馴染だという沙耶が、いつの間にか入り込んできた。 直接的な衝突はない。 けれど、善意を装った噂が外から回り込み、関係は歪んでいく。 感情で争わず、説明もしない。 必要な距離を、必要な形で処理した先に残ったのは、 「線の内側」にいる人たちだけだった。
196

新しい出逢いは祭りのまえに

この街には裸祭りがある。これはそんな街のカフェでの一コマ カフェ、花、祭がお題の三題噺です。
197

Lucia(ルシア)変容者たち

 人は、ときに自分の中に「もう一人の自分」を抱えて生きている。  それがもし、感情の揺らぎや、誰かとの触れ合いによって、男女の姿を入れ替える存在だったとしたら――。  カフェ『リベラ』を営むリアと、雑誌編集者の蓮。  二人は、特定の感情を抱くと性別が変わる「性別変容者」だった。  誰にも明かせない秘密を抱えながら生きてきた彼らは、互いの存在に出会い、初めて“同類”として心を通わせていく。  愛が深まるほど、境界は曖昧になる。  身体と心の輪郭は揺らぎ、「自分とは何者なのか」という問いが、静かに迫ってくる。  一方、過去に囚われ、自分自身を強く否定し続けてきたウェディングプランナー・景子と、まっすぐすぎるほど不器用な看護学生・ユウ。  彼らもまた、変容者として「変わること」と「失うこと」の狭間で、避けられない選択を迫られていく。  これは、誰の記憶にも残らないかもしれない“もう一人の自分”と共に生きながら、 それでも確かに残る愛を探し続けた人々の、静かなヒューマンドラマ。 ※毎日20時に1章ずつ更新していく予定です。
198

WORLD ELEVEN ―ピッチに立てなかった俺は、画面の中で世界を獲る―

風見悠は、サッカーを見るのが好きな高校生だった。 けれど、現実のピッチに立つことはなかった。 足が速いわけでもない。身体が強いわけでもない。部活で名前を残したわけでもない。 そんな悠が唯一、誰かと同じピッチに立てる場所がある。 サッカーゲーム《WORLD ELEVEN》。 同時接続三人の小さな配信で、悠は全国上位プレイヤーを相手に、誰も気づかなかった逃げ道を見つける。 派手な操作も、超人的な反射神経もない。 あるのは、相手が崩れる順番を読む目だけ。 疑惑、炎上、ライバルとの敗北を越え、悠のプレーはやがてプロチームBLUE LYNX、そして日本代表候補の目に留まっていく。 最初はただ、疑われたくなかった。 次は、負けたままで終わりたくなかった。 そして悠は、初めて口にする。 「勝ちたい」 同接三人の無名配信者が、戦術だけでプロへ、代表へ、世界へ続く扉を開く。 これは、現実のピッチに立てなかった少年が、画面の中で仲間と出会い、もう一つのサッカーで世界を目指す物語。
199

怪獣の唄

これは前代未聞である大怪獣の遺体処理に挑んだ6人の人間の物語 20XX年、東京  その年、東京は突如姿を現した大怪獣によって壊滅寸前まで破壊された。だが、運の良いことに超人のオールによって大怪獣は討伐される。そして、東京は再び、平和を手に入れる──ことはできなかった。  死んだ者達への慰霊、遺族への支援、被害者への対応、諸外国への救援物資の要請。  大怪獣の遺体の処理。  そして、大怪獣の襲撃から数ヶ月後、20XX年7月某日。  この難題に立ち向かう6人の人物がいた。  小説家になろう、カクヨムにて同じ題名で連載中です。  また、pixivでも別の題名で連載しています。pixivでは「大きな花を咲かせましょう」という題名です。
200

女装と復讐は街の華

※本作の楽しみ方をナビゲートする別冊【筆鼬作品の取扱説明書】を制作いたしました。ぜひ、ご一読ください。 •ただ今《女装と復讐は街の華》の続編作品《G.F. -ゴールドフィッシュ-》を執筆中です。 - 作者:筆鼬 - この作品は、2010年9月13日から2013年2月21日まで執筆し、とある別の執筆サイトにて公開&完結していた《女装と復讐》の令和版リメイク作品《女装と復讐は街の華》です。 ー あらすじ ー ファッションの聖地・早瀬ヶ池で《メダカ》と嘲笑された地味な男子大学生・岩塚信吾。 彼が誓った復讐。それは「誰よりも可愛い女の子に変身し、自分を笑った女の子たちを見返すこと!」でした。 【本作に咲く「3つの "華"」】 1.プロが集結する圧倒的リアリティ:メイクのアンナや衣装の秋良ら「プロフェッショナル」が総力を挙げ、信吾を絶世の美少女《金魚》へと磨き上げる高揚感。 2.「一蓮托生」の絆:守られるヒロインではなく、共に戦う「共犯者」であるパートナー・詩織との魂の結びつき。 3.感謝へ至るカタルシス:当初の「復讐」が、絆を経て「街への感謝」へと昇華される美しい結末。 単なる女装コメディではありません。読者の脳裏に映像を浮かばせる鮮やかな描写力で贈る、58万文字の圧倒的な熱量と《可愛さ》の革命。 最後に信吾がステージで明かす真実とは? 爽やかな感動を約束する、唯一無二の "王道青春エンターテインメント" をぜひお楽しみください。 ◆ 作品キャッチコピー ◆ 『最強の女装男子×不屈の相棒女子。二人が目指すのは“お洒落を極めた女の子たち”の聖地《早瀬ヶ池》の頂点……嬢傑(ヒロイン)!!』 ☆読了までの時間☆ ※全58万文字という圧倒的ボリュームですが、1日1時間の読書であれば、およそ16日〜20日ほどで完結まで辿り着くことができます。日々のルーティンとして、じっくり物語に浸るのに最適な分量です。 ※ストーリーは始まりから完結まで、"初作" の筋書きをそのままほぼ再現していますが、今作中では一部、出来事の語りを詳細化し書き加えたり、見直し修正や推敲したり、現代の発展技術に沿った場面再構成などを加えたりしています。 ※近年(現実)の日本や世界の経済状況や流行病、自然災害、事件事故などについては、ストーリーとの関連性を絶って表現を省いています。 【舞台】(美波県) 藤浦市新井区早瀬ヶ池=通称「瀬ヶ池」。高層ビルが乱立するファッションや流行の発信地と言われている街。お洒落で可愛い女の子たちが集まることで有名(その中でも女の子たちに人気なのは"ハイカラ通り")。 ※藤浦市は関東圏周辺またはその付近にある(?)48番目の、現実には存在しない空想上の県(美波県)のなかの『主要歓楽都市』。 
285件