ライト文芸 恋愛小説一覧
両親を亡くした主人公 星空(ほしぞら) 拓真(たくま)は、親戚筋の叔父に引き取られたが、その叔父の娘とは折り合いが悪かった事もあり全寮制に近い様々な公的援助を受けられる公立勝浦漁業高等学校に入学し、高校入学と同時に親戚の家から出たのであった。
一人暮らしのアパート生活を始めた星空は、入学当初に一人の銀髪赤眼の美少女、エトワール・赤原・ステラと出会うのであった。
ステラは、母親である赤原(あかはら)美香(みか)と、宇宙物理学では世界的な権威であった星空(ほしぞら)彼方(かなた)との約束を果たすために日本に来たのであった。
それは、幼少期に顔合わせをした経験があり婚約者である星空拓真に嫁ぐためのことであったが、肝心の星空拓真は、そのことをまったく覚えていないのであった。
アルファポリス専用新作小説【期間限定公開5月31日まで】
文字数 37,831
最終更新日 2024.05.06
登録日 2024.04.17
結晶化する愛について。
その病を持つ者が誰かからの愛情に応えた時。
罹患者の愛は相手の体内で結晶化する。
愛した宿主はやがて死に、あとには結晶だけが遺る。まるで汚れたガラス片が波に磨かれて、いつか浜辺の宝石に生まれ変わるように。
その夏。人殺しの僕が彼女と出会ったのに、運命的なものは何一つなかった。
出会って、時々話すようになって、恋をする。そうしてまた殺すまでには三ヶ月あれば十分だ。
彼女を殺すのは難しいことじゃない。
朝起きてから顔を洗って、遊びに連れていって。そしていつか「愛してる」と伝えるだけでいい。
これは人殺しの僕が、優しさを信じた歪な少女──氷雨を殺すまでの、雨音混じりの夏の物語だ。
文字数 138,305
最終更新日 2024.04.30
登録日 2024.04.20
火の輪をくぐるライオンのように、強く勇敢であれたらーー。
アヴリルは、どこにでもいる普通の女の子だった。少し違うところがあるとしたら、ボーイフレンドが絶えないこと。好きでもない相手と付き合ってばかりで、心から愛する人には出会えない。
シドニーで暮らしていた彼女は両親の離婚により、南米アルゼンチンのブエノスアイレスに引っ越す。だがそこで待っていたのは、一人の女からの嫉妬による陰湿ないじめだった。
そんなある日、彼女はある理由からネロという青年に化けて、引きこもりの伯父ケニーとともにアルゼンチン最大のスラムであるバラックエリアに足を踏み入れ、銃撃戦に巻き込まれる。
命からがら逃げた二人が乗り込んだのは、イギリスから来たサーカス団『ミルキーウェイ・トレインサーカス』が移動に使うためのサーカス列車だった。
サーカスの最終公演地が大切な友人であるオーロラが引っ越したロンドンと聞き、アヴリルはネロの姿のままで旅に同行することに決める。
動物の世話や雑用をするという条件でロンドンまで乗せてもらうことになるものの、クラウンを演じることになり、冷酷で非道な団長の下練習が始まる。
喜びや痛みを分かち合える仲間たちと出会い友情を育む中で、アヴリルの中にこれまでとは違う感情が生まれ始める。
※作中に出てくるパフォーマンスは宮沢賢治作『銀河鉄道の夜』プリシオン海岸のクルミ発掘の場面をモチーフにしていますが、実際の内容とはかけ離れた寸劇になっていることをご了承ください。
※参考文献は最終ページに記載しています。
※この物語はフィクションです。実在の人物、団体などとは一切関係ありません。
文字数 163,722
最終更新日 2024.04.15
登録日 2024.04.08
ストーカーに刺殺され、最愛の彼女である相場夏南(あいばかなん)を失った春野律(はるのりつ)は、彼女の死を境に、他人の感情が顔の周りに色となって見える病、色視症(しきししょう)を患ってしまう。
時が経ち、夏南の一周忌を二ヶ月後に控えた4月がやって来た。高校三年生に進級した春野の元に、一年生である市川麻友(いちかわまゆ)が訪ねてきた。色視症により、他人の顔が見えないことを悩んでいた春野は、市川の顔が見えることに衝撃を受ける。
どうして? どうして彼女だけ見えるんだ?
狼狽する春野に畳み掛けるように、市川がストーカーの被害に遭っていることを告げる。
春野は、夏南を守れなかったという罪の意識と、市川の顔が見える理由を知りたいという思いから、彼女と関わることを決意する。
やがて、ストーカーの顔色が黒へと至った時、全ての真実が顔を覗かせる。
※表紙画像と第二十四話の挿絵、最終話に『SKIMA』を通して知(@itsushirosato )様に作って頂いたイラストを掲載しています。
※第5回ライト文芸大賞 青春賞を受賞し、書籍化進行中です。
※5月中旬頃刊行予定です。発売日と同時に連載分が引き下げとなり、レンタル販売が開始されますので、ご注意下さい。
文字数 181,433
最終更新日 2022.06.10
登録日 2022.04.22
文字数 47,246
最終更新日 2024.05.06
登録日 2024.04.26
文字数 15,469
最終更新日 2023.04.03
登録日 2021.02.16
3日戻したその先で、私の知らない12月が来る
レンタル有り 三日間だけ時間を巻き戻す不思議な能力「リワインド」を使うことのできる、女子高生の煮雪侑。
侑には、リワインドではどうすることもできない幼少期の苦い思い出があった。
告白できないまま離れ離れになった初恋の人、描きかけのスケッチブック、救えなかった子猫――。
そんな侑の前に、初恋の人によく似た転校生、長谷川拓実が現れる。明るい拓実に惹かれた侑は、過去の後悔を乗り越えてから、想いを伝えることにした。
告白を決意して迎えた十二月、友人のために行ったリワインドのせいで、取返しのつかない事態が起きてしまい――!?
「第5回ライト文芸大賞」大賞受賞作。
※作品下部に、「みつなつの本棚様に作成して頂いた、作品紹介動画」と「青葉かなん様に作成して頂いた、作品PV」へのリンクがあります。ぜひご覧ください。
文字数 162,803
最終更新日 2023.08.18
登録日 2021.07.16
高校生になる前の春休み。自分の16歳の誕生日に、幼馴染の悠斗に告白しようと決めていた心春。会う約束の前に、悠斗が事故で亡くなってしまいます。叶わなかった告白。ずっとそばにいた大切な存在を失って、あとを追いたいとも思うほど。
でもそんなことをしたら悠斗に叱られると思うと、できない。泣いて暮らす日々が続きます。
ふと、事故の時に悠斗が何をしに駅の方に向かったのか気になった心春は、悠斗の目的を、探し始めます。
心春が何をどう考えて、周りの人と関わりながら、前を見つめていくか。
霊など、ファンタジー要素を含みます。
安達 心春 悠斗の事が出会った時から好き
相沢 悠斗 心春の幼馴染
上宮 伊織 神社の息子
テーマは、「切ない別れ」からの「未来」です。
最後までお読み頂けたら、嬉しいです(*'ω'*)
文字数 75,163
最終更新日 2022.05.31
登録日 2022.04.30
イケメン店主の店で美味しい肴とお酒とおしゃべりを(息抜きの不定期連載)
イケメン店主の店で美味しい肴🍲とお酒🍷とおしゃべりを……。
「このお店には、5人が座れるカウンターとふたりがやっとの立ち呑みテーブルがふたつ。
……ウッドデッキのテラス席もありますが。
小さなバルで、私は癒やしの時間を過ごします。
イケメン店主と常連客の一人と仲良くなりました」
久住なるみは、恋愛ベタな女の子。
両親は相次いで病気で亡くなってしまい高卒で働きはじめ、二十歳になりました。
男運のないなるみは、彼氏と長続きしません。
今回は初めての社内恋愛で、二股されて捨てられてしまいました。
気丈に振る舞い、仕事をますます頑張りますが……。
なるみは、ふと、寂しさにかられて海沿いを散歩したら、ひっそりと佇む扉にかかるランプの灯りの綺麗なお店をみつけました。
そこは素敵な、優しい笑顔にキュンとする美形な店主がいる居心地のいいお店でした。
文字数 1,916
最終更新日 2023.10.05
登録日 2023.10.05
お嬢様は納得できない!の番外編のまとめと、IFルートが出来たので投稿していく予定です
文字数 14,627
最終更新日 2024.05.06
登録日 2024.04.28
切ない愛の物語です。
「私・・・死ぬんだって」
告げられた残りの命。
『サヨナラしましょう』の代わりに出てきた言葉。
「・・・知ってる」
彼の予想外の反応に戸惑いを隠せない彼女は、最後の最後で彼の言葉の意味を理解した。
女子学生×男子学生の青春とは程遠い物語。
※長編ではないのでそこまで長くならないです。
よろしくお願いします。
文字数 7,433
最終更新日 2024.05.01
登録日 2024.04.12
第6回ライト文芸大賞 青春賞をいただきました。応援下さった皆様、ありがとうございます。
北海道函館市に住む、成瀬 理都(なるせ りつ)高2の春。
いつの頃からか自分の感情を表に出せなくなってしまったリツ。
人当たりはいいが何を考えているのかよくわからない子と家族をはじめ、周りにはそう思われている。
抱えた問題の重さと孤独に耐え切れなくなったある日、リツが出逢ったのは
倉田 朝陽(くらた あさひ)という東京から引っ越ししてきた同い年の男の子。
リツの抑えてきた想いに気づき、踏み入ってくることに戸惑い最初は拒絶するも、
たった一人だけ自分の本当の感情に気づいてくれた朝陽と友達になる。
朝陽は同い年で従弟の牧野 奏太(まきの かなた)の家に居候。
奏太の幼馴染でありリツの親友、水谷 星(みずたに あかり)も加わり、
家族の確執、友情と恋が複雑に絡み合う中で朝陽自身も悩みを抱えていることをリツは知る。
表紙イラストは叶咲花火様 最終頁のイラストは佐々森りろ様よりいただきました
文字数 119,974
最終更新日 2023.05.09
登録日 2023.04.15
ちょっとダークだけど、切ないヒューマンドラマ。
人並みで裕福な家庭。平林家に現れた一人の青年は、平林家にとって、ダークヒーローでしかないのか......?
恋人関係になろうとしていた水野汐莉と、芥生奏太。けれど彼は汐莉の前から忽然と姿を消してしまい、途方にくれる毎日を慰めてくれたのが、平林秀俊だった。
二人はやがて結婚し、一児を儲ける。
それから月日はたち、子どもは小4となり、順風満帆を送っていた汐莉の前に、一人の青年が現れた。
その青年が現れたことにより、
平林家は彼の言動、行動によって弄ばれるが......。
けれどそれは、彼の悲しい思いが、その言動と行動に詰まっていた......。
文字数 12,607
最終更新日 2024.05.06
登録日 2024.04.21
弱くて優しい少年が、恋に、運命にもがく、ちょっと不思議な成長物語
『あなたとはもう無理なの。ごめんなさい』
付き合って間もない恋人に振られた大和。別れの手紙をもらい、何がいけなかったのかを冷静に分析するも、それを彼女に伝えようとはしなかった。
そんな現状を双子の妹、栞奈に厳しく叱咤された翌日、彼に思わぬ試練が訪れて――!?
初めての絶望。交錯する想い。最初で最後の決断。
自分の気持ちを押し隠してしまう彼は、平穏で、ときに大きく変化する日常の中で、何を見つけだすのか――
伝えたいけど伝わらない。
苦くて甘い、たくさんの「想い」が詰まった青春物語。
※他サイトにも掲載中。
文字数 106,567
最終更新日 2024.05.03
登録日 2024.04.10
僕はエロ漫画家を描くことを趣味としてたしなむ健全な男子高校生だった。
ネーム程度のものだ。本格的には描いたことはなかった。
そう「だった」のだーー
あえて、僕は過去形で語らなければならない。
保健室の魔女ーー そのように呼ばれる保健室の先生。
あまりの美貌と神秘性に近寄りがたい魅力を発揮している養護教諭・工口雫先生。
工口(くぐち)先生に僕の漫画ネームノートが拾われてしまった。
そして僕の運命は大きく動き出した。
「ふふ、春川君は、こういうのがすきなのね」
「え゛…… まあ、あの……」
「アナタは本気かしら?」
「本気?」
「そう、本気でエロ漫画家を目指すーー その気があるかということね。ふふ」
先生は妖艶な目で僕を見つめる。
「卒業するまでに、デビューできたら」
「できたら?」
「ふふ、先生を好きにしていいわ、春川君」
「やります!!」
僕は本気で、今まで以上に本気のガチでエロ漫画家を目指すのだった。
先生のおっぱいが大きく、柔らかそうだったからというのが理由ではないのだった。
プロデビューを目指す!!
僕と先生のエロ漫画研究会が始まったのだった。
文字数 7,092
最終更新日 2018.04.04
登録日 2018.03.31
※2年前の作品そのまま再掲です。5月中に改稿予定※
「わたしね、実は映画の中だけじゃなくて、本当に病気なんだ」
中学三年の四月。僕――白鷺新汰(しらさぎ あらた)の通う学校に、ひとりの美少女が転校してきた。
彼女の名前はサクラノハナミ。一昨年に公開された大ヒット恋愛映画で主演を務めた有名女優だ。
映画やドラマを見ると吐き気やめまいを催す謎の症状から、彼女のファンになれなかった僕。
彼女と同じクラス委員になったことから、僕らの関係は動き出す。
「本当にね、余命宣告、されたんだ」
元気そうに見える姿からは信じられない、彼女の一度目の告白。嘘か冗談だと思った。
意味ありげな態度に、他のクラスメイトの前では気丈に振る舞う姿。僕は何を信じていいのかわからない。
修学旅行の日の夜。彼女は僕に二度目の告白をする。ようやく過去の闘病生活について教えてくれたことで、彼女の嘘は終わったはずだった。
数々の行事で青春を謳歌して、距離を近づけていく僕たち。
卒業式の日。別れる前にと彼女への恋心を明かす僕に、彼女は三度目の告白を――「本当の病状と余命」の告白をする。
僕が映像作品を見られなくなった理由とは。
彼女が最後まで隠し続けたある症状とは。
これは、死の瞬間まで「女優」として生きた彼女と、彼女との思い出を綴って生きる小説家志望の「僕」の話。
文字数 289,508
最終更新日 2022.06.01
登録日 2022.04.28
あるところに「本当の」お姫様を妃に迎えたいと考えている王子様がおりました。はたして王子様の目にかなうお姫様はいるのでしょうか?
アンデルセン童話「えんどう豆の上に寝たお姫様」をもとに書きました。
原作をざっくり説明すると、「ふかふかのベッドで寝ている本物のお姫様ならば、何枚も重ねた布団の下のえんどう豆にも気がつくほど繊細に違いない」というようなお話です。
……ってそんなわけあるかい!と突っこみたくなったので、こんなお話を書いてみました。
文字数 6,604
最終更新日 2024.05.04
登録日 2024.04.27
文字数 10,542
最終更新日 2022.05.05
登録日 2022.04.30
大学一年の春、“僕”と桜は出逢った。少しずつステップを上がって、やがて結ばれる、それは運命だと思っていたが、親や親戚からは結婚を強く反対されてしまう。やむを得ず、駆け落ちのような形を取ったが、後悔はなかった。そうして暮らしが安定してきた頃、自分達の子供がほしいとの思いが高まり、僕らはお医者さんを訪ねた。そうする必要があった。
文字数 10,323
最終更新日 2022.05.25
登録日 2022.04.30
寝坊、迷子、自然災害、ありえない街、多元世界、時空移動……。
クラスメイトの方違くるりさんはちょっと内気で小柄な、ごく普通の女子高校生。だけどなぜか、月曜日には目的地にたどりつけない。そしてそんな方違さんと出会ってしまった、クラスメイトの「僕」、苗村まもる。二人は月曜日のトラブルをいっしょに乗り越えるうちに、だんだん互いに特別な存在になってゆく。日本のどこかの山間の田舎町を舞台にした、一年十二か月の物語。
【各話一覧】
プロローグ「乗換駅の女の子」
第ゼロ話「月曜日の方違さんは、入学式に間に合わない」
第一話「月曜日の方違さんは、起きられない」
第二話「月(祝)の方違さんは、たどりつけない?」
第三話「月曜日の方違さんは、雨の朝」
第四話「月曜日の方違さんは、祭りのあと」
第五話「月曜日の方違さんは、浜辺の女の子」
第六話「月曜日の方違さんは、とくべつな一日」
第七話「月曜日の方違さんは、トリック・オア・トリート」
第八話「月曜日の方違さんは、鏡の国のくるり」
第九話「月曜日の方違さんは、ウインター・ワンダー・ランド」
第十話「月曜日の方違さんは、神様の約束」
第十一話「月曜日の方違さんは、一生許さない」
第十二話「月曜日の方違さんは、またここに来た」
エピローグ「楽しそうに、軽やかに」
【主な登場人物】
・苗村まもる 語り手の「僕」。高校一年生。
・方違くるり 月曜日にはなぜか目的地にたどりつけない少女。高校一年生。
・後藤リュウジ 苗村の友人。中2まで地元で一緒だった。
・佐伯トーコ 後藤の彼女。長身のスポーツ少女。
・苗村まりな まもるの姉。首都圏に住む大学生。まもるをからかうのが好き。
・方違ちこり くるりの妹。ピンクが好きな小学生。お姉ちゃん大好きだが、時々ナチュラルに口が悪い。
文字数 93,539
最終更新日 2024.04.30
登録日 2024.04.15
文字数 32,493
最終更新日 2021.05.01
登録日 2019.03.31
息子の恋人との顔会わせをする段になった時「あんな~~~な女なんて
絶対家になんて上げないわよ!どこか他所の場所で充分でしょ!!」と言い放つ鬼畜母。
そんな親を持ってしまった息子に幸せは訪れるでしょうか?
最後のほうでほんのちょこっとですが、わたしの好きな仔猫や小さな子が出て来ます。
2つの小さな幸せを描いています。❀.(*´◡`*)❀.
追記:
一生懸命生きてる二人の女性が寂しさや悲しみを
抱えながらも、運命の男性との出会いで幸せに
なってゆく・・物語です。
人の振れ合いや暖かさみたいなものを
感じていただければ幸いです。
注意 年の差婚、再婚されてる方、不快に思われる台詞が
ありますのでご注意ください。(ごめんなさい)
ちな、私も、こんな非道な発言をするような姑は
嫌いどす。
・(旧) Puzzleの加筆修正版になります。(2016年4月上旬~掲載)
『Happiness 幸福というもの』
💛 画像はAI画像
文字数 37,275
最終更新日 2021.12.22
登録日 2021.09.19
文字数 4,503
最終更新日 2024.05.06
登録日 2024.04.22
本堂唯香は鏡の中に奇妙なものを見た。自分の左胸についた「傷」である。しかし、実際の左胸には何もない。不気味なその傷は何なのかと考える内に、彼女は自分自身にさえも「秘密」にしようとしていた、ある想いと向き合うことになる。
文字数 7,701
最終更新日 2024.05.02
登録日 2024.04.30
七瀬晴海。高校三年生になったばかりの春、M美術館の芝生広場で眼下に広がるS灘と果てしなく大きな青空を見つめながら、「魂が青い海を渡って、空へと溶けてくみたいだ」と呟いた。ふっと気がつくとすぐ近くで、全く同じ言葉を発している一つ年下の星野蒼子がいた。自分と同じ思いを持つ二人。人間は天にいる時には男女一対で背中にくっついているが、地上に降りる時に切り離される。背中についていた「魂の片割れ(ツインレイ)」を探し求めて人は愛するのだと蒼子に教えられた。蒼子はがんに侵されていていた。積極的治療を受けず、緩和ケアを選んでいた。晴海はがん患者の壮絶な戦いの様子を聞きながらも、蒼子の「魂の片割れ」として最期まで蒼子に寄り添うことを決心した。
文字数 33,156
最終更新日 2024.04.22
登録日 2024.04.06