現代文学 ヒューマンドラマ小説一覧
電車に揺られて約7時間。私と母は法事のため、祖母の家に行く。3年ぶりに訪れたその場所は、懐かしい空気であふれていた。おばあちゃんは昔と変わらないようで、とっても変わっていて。
おばあちゃんに会いに行きたくなる、そんな一作です。
文字数 5,821
最終更新日 2022.06.15
登録日 2022.05.18
あの日、僕は山にいた。
大好きだったお婆ちゃんが、行方不明になった日に。
高校を卒業して、家を継ぐことになった木下ユウスケ。
彼は学生時代に、いじめられた過去を持っていた。
人と馴染めない日々。
バラバラになった家族。
そんな彼の元に、1通の手紙が届く。
遠方に住んでいる祖母からだった。
『もし貴方が良ければ、いつでも遊びに来なさい』
住む場所も、行くあてもなく、祖母の家に足を運んだ彼は、それから10年間、彼女の家に住むことになった。
生きるとはどういうことか、夢を持つとはどういうことか、祖母は教えてくれた。
いつか、家族と、——みんなと笑い合える日々を取り戻したい。
彼女はいつも願っていた。
山の麓にある海の店。
かつて家族と共に過ごしていた小さな店に、海で溺れた娘がいたこと。
あの日の出来事を変えることができないとしても、前を向こう。
あの子の分まで笑っていよう。
——そう、口ずさんで。
文字数 484
最終更新日 2023.12.09
登録日 2023.12.09
「助手は要りませんか?」
「家政婦の真似事なら他を当たってくれ」
断られるのは無理もない。無資格の学生の身分で一流技術者の門を叩いているのだから。そんな女子学生、冴島一希が目指すのは、内戦の遺物である不発弾の処理業者。命がけの職業であり、女性の前例がない世界だ。
「お前をただ働きの使いっ走りに任命する。感謝しろ」
最悪の第一印象をくつがえし、無愛想な男のもとで住み込み修業を始める一希。厳しくも親身な指導に必死に応えながら、性別や血筋に対する自身の偏見に気付き、自分一人で頑張ろうとする癖をも克服していく。
二年の時を経て、師弟の関係はより親密なものへと育ちつつあったが、二人には別れの時がやってくる。
ついに処理士となった一希は、特別危険な任務の最中に、思いがけず師匠と再会。重傷で意識が遠のく中、師匠の出生の秘密と本心を知ってしまい……。
二つの血をめぐる人間ドラマ。師弟の絆と淡い恋。そして、苦い嘘。
【ハッピーエンドです。】
【リアリティ、心理描写、没入感に定評あり。】
【小説家になろう、カクヨム、ステキブンゲイにも掲載しています(改稿版含む)。】
【あさぎ かな様より、表紙画像を頂戴しました。ありがとうございます!】
文字数 188,420
最終更新日 2020.02.17
登録日 2019.03.30
春の子燕駅は、ツバメのヒナの鳴き声でにぎやかだ。
電車が好きな優を連れてツバメ列車に乗った愛美だが、はしゃぐ優に対して、乗客たちの視線は冷たい。
そんな中「大丈夫よ。あなただけじゃないわ」と温かな声をかけてくれたのは、上品な感じのマダムだった。
ツバメ列車に揺られながら、マダムと束の間の会話を楽しむ愛美。
同じ電車に乗り合わせた二人。
明かされた二人の共通点とは……。
ローカル電車で紡がれる、ちょっぴり不思議で、切なくて、優しい物語。
文字数 15,092
最終更新日 2023.06.28
登録日 2023.06.05
自殺志願者は最後まで「生きたい」と「死にたい」の葛藤を続けると思います。よく自殺を踏みとどまるのは「心ある他者」の「温かい励まし」だと思われがちですが、究極のところ自身の「生きたい」すなわち「生存欲(生存本能)」が勝てば、自殺を踏みとどまれるものだと私は思います。ましてや、他者を信じられなくなった自殺志願者にいつも「心ある他者」が都合よく表れて慰めてくれるほどこの世は甘くありません。
Aが自殺を踏みとどまる理由を当初入力した際、あまりにもシビアすぎないかと一旦保留にしました。しかし、以上のことを考えるようになり、敢えてこのまま採用と決めました。性描写はありませんが、内容が自殺と言うテーマなので、R15指定させていただきました。
作中に出ている写真家および、写真集は実在します。実はこの作品を作った当時、リニューアルした「日本旅1961-2010」という写真集が発売され、迷わず買いました。あらゆる年代の日本各地の風景、人々を撮っています。興味のある方は見てみてください。
文字数 2,138
最終更新日 2023.12.01
登録日 2023.12.01
文字数 70,897
最終更新日 2021.11.15
登録日 2021.11.15
私は、父と母の愛を知らない。けれど悲しいと思ったことはなかった。大好きなおじさんが傍にいてくれたから──。
父の双子の兄である青葉おじさんに育てられた私は、幸せに暮らしていた。実の父である水樹が突然海外から帰国するまでは。
「私を捨てて海外に行ってしまったくせに……」
今更「お父さん」なんて呼びたくない。
私と父の和解を望む青葉おじさんの気持ちを考え、どうにか父親を受け入れようとした。
けれど父の水樹は衝撃の告白をする。
「俺は朱里を殺そうとした。おまえは俺を、一生許してはいけない」
私がいらない子だから、父は私を捨てたの?
おじさんの言葉も信じられなくなった私は家を飛び出し、同級生の少年海斗に救いを求める。
ぶっきらぼうだけど優しい海斗に支えられながら、私はおじさんと父に向き合うことを決めた。
「全部話すよ。朱里の母親のことも、僕たち兄弟のことも」
父とおじさんは語る。 それぞれに青春と出会い、切ない別れがあったことを。
そして私は、生まれてきた意味と生きていく尊さを知る──。
不可思議な絆で結ばれた双子の兄弟、
その娘の朱里と、今は亡き母の桃子。
これはとある家族の、絆と再生の物語。
章ごとに視点が変わっていきます。
第一章は主人公の朱里
第二章は朱里のおじさんである青葉
第三章は朱里の実父である水樹
第四章で視点は再び朱里に戻り、完結へと進みます。
※エブリスタと小説家になろうにも掲載していますが、こちらは改稿版となります。
文字数 163,370
最終更新日 2022.04.28
登録日 2022.03.26
文字数 5,346
最終更新日 2023.05.01
登録日 2023.05.01
普通ってなに?
多様性ってなに?
都内に勤めるOLのさくらは、たまたま入った店で自身の母に再会する。思わぬかたちで母に再会した母は、自身の過去を思い出す。さくらは小学生にあがる前、母方の祖母のもとで育ち、なぜ「普通にできないのか」と言われ、肩身の狭い思いをしたことがあった。そのときに感じた「普通」とは何か、という疑問を抱えながら大人になったさくらは、上京し、「薫ちゃん」と出逢う。
薫ちゃんは世間一般的に見れば、普通ではなく、家から勘当された身だった。
薫ちゃんの生き方が、「普通じゃなくても良い」を体現したものだと思ったさくらは、特に何の目的もないまま同居している。
ふたりでぬるま湯につかるような感覚に浸りながら、日常を送り続けるのかしれない。
文字数 9,675
最終更新日 2024.04.30
登録日 2024.04.30
スター、それは世代を彩る象徴。偶像として名声を浴びる彼らの力は、努力は凡人に知ることはできない。この名声を手にしたのは一握りの人物だけ。誰もがその輝きを背負うことができるわけではない。しかし星は煌々と光を放つ。この物語はスターという存在に振り回された者たちが巡る、決断の物語。
初の長編です。毎週金曜に更新予定。(最新話まで毎日更新)
文字数 29,503
最終更新日 2021.12.17
登録日 2021.12.01
2代目社長の苦難を描いたヒューマンドラマです。
アパレルメーカーフクプクの2代目社長、篠崎二郎。彼は、各メーカーが新作の冬物を展示するフェアに自信作のマフラーを出展することにしました。しかし、そのフェアの中で社長としての自信を失ってしまいます。失意の彼に救いの手は現れるのでしょうか?
※この作品は、ノベルアップ+様の冬の5題小説マラソン第1週(お題:マフラー)の参加作品です。同サイト様にも掲載しております。
※アパレル業界のことをあまり知らない作者が書いておりますので、業界に関することがらについては実際のものと異なるところがあります。
文字数 4,997
最終更新日 2023.01.07
登録日 2023.01.07
男は女に呼び出され、放課後の教室へ向かう。
そこで突如として女に投げかけられる妙な質問から、案の定男は妙な展開へ巻き込まれていく……
文字数 3,513
最終更新日 2022.01.17
登録日 2022.01.17
【第9回ネット小説大賞2次選考進出作品】
金魚が空中でも泳ぐことができる不思議な透海(とうみ)町。
そんな町で起きたちょっとした奇跡のようなお話。
少女は大切な人のことを忘れていた。
何故、少女は大切な人のことを忘れていたのか。
大切な人と一体何があったのか。
忘れていた記憶を少しずつ少女は思い出してゆく……。
あの頃あたし達は大人びていて、そして幼かった。
不定期更新ですが、更新する時は必ず月曜日の21時にします。
文字数 81,085
最終更新日 2022.08.23
登録日 2022.08.23
文字数 1,473
最終更新日 2024.03.10
登録日 2024.03.10
ここは山奥の村。
ある少年は勉強をしないから母親から怒られてばかり。
ある日、いっそ遠くに逃げてしまおうと、山をさらに登ったら、知らない婆ちゃんに捕まった。
そしてこんなところに一軒の家。
ハートフルストーリー
文字数 5,232
最終更新日 2022.11.16
登録日 2022.11.16
社会の波に揉まれながら週5日の就労に勤しむ眉村。現在の世界情勢は揺れている。疲弊した心を背負いながら、生きている。そんな彼に不思議な「ゆめ」が降り注ぐ。ゆめの中でさまざまは社会問題に直面してゆく。
文字数 515
最終更新日 2024.01.31
登録日 2024.01.31
大学院を卒業し、誰もが羨む大手航空会社への就職を勝ち取った宗方晋哉。しかし入社早々出向を命じられ配属されたのは、成田空港のターミナルにある華やかな旅客部門ではなく、空港敷地の端にある貨物部門子会社の輸出課。飛行機には乗客とスーツケースしか乗っていないと思っていた宗方を待っていたのは、物言わぬ客を海外に送り出すプロが集まる、サバイバル職場だった。
師匠と仰ぐ三歳下の少年のような先輩、水瀬をはじめとして、感情の起伏が激しすぎる泣き虫女子桃井、まじめな大食漢の丸本の同期二人、さらに誰からも愛されるギャルの先輩、山近や、艶々な黒髪をなびかせるメガネ女子の浜島、元レディースでクールな祖父江、飄々と事務所内を行き来する社内初の女性課長代理の佐原に囲まれて社会人生活を送っている。間もなく後輩として入ってきた、内気だが優秀で心優しい女子の藤嶋や、天才肌で不愛想な青年、森村とともに、日々降りかかってくるトラブルを解決していく。
文字数 101,958
最終更新日 2021.08.30
登録日 2021.08.21
内容はタイトルの通りです。幼いころに母に殺されかけて自己肯定感を失った男がある女と出会い家庭を持ち一人の父親になってゆく姿を描きます。以前某文芸誌新人賞に応募した作品で、なろうさんに先行して投稿したものを再度手を入れてUPします。
文字数 176,616
最終更新日 2022.02.06
登録日 2022.01.20
生き苦しさと葛藤。
何かを成し遂げたい、努力はしたくない。
自分の非凡さを知っているが、夢は捨てきれない。
そんな人にこそ読んで頂ければ幸いです。
*現代文学ランキング2位ありがとうございます!!
文字数 8,106
最終更新日 2021.05.26
登録日 2021.05.03
女性がストッキングを脱ぐところを見るのが好きだった。
夜な夜な女性のストッキングの脚を物色し誘いをかける男。
果たして、用があったのはそのものか、あるいはその中身なのか。それが問題だ。
※2021/08/31 最終2話にR18シーンを追加しました。
文字数 11,629
最終更新日 2021.08.31
登録日 2021.06.21
文字数 1,124
最終更新日 2023.05.18
登録日 2023.05.18
⚠️最近の日々を舞台に描いています。直接的な描写は避けるようにしていますが、ご了承ください。
未知のウイルスによって日常が変わってしまった現代日本。当時大学2年生の櫻井杏奈は両親からの命令によって1度も家から出ずに過ごしている。全く外に出ない彼女は部屋という世界だけで生きていく。そんな彼女の大学2年生の始まりから卒業式に出席するために外に出るまでの3年間の日常を描く。
文字数 11,891
最終更新日 2022.03.25
登録日 2022.02.15
文字数 7,785
最終更新日 2023.02.23
登録日 2023.02.20
文字数 7,978
最終更新日 2021.05.07
登録日 2021.05.01
ウィルスなどによる不況で客足の遠退いたペットショップ。
店内のペット達の顔触れは、1年近く変化無い。
このままでは、ペットもろとも店員も共倒れ。
そこで、思い付いたのが、オンラインを利用して、飼い主になってもらうという取り組みだった。
文字数 1,396
最終更新日 2021.07.17
登録日 2021.07.17
~幼き日に抱かれて眠った酒とタバコの匂いをまとう母の胸。あの胸が恋しい…~
《あらすじ》
恋人にこっぴどく振られたオレは吉岡の経営するバーに行った。そこで記憶を無くして目覚めると、オレは吉岡のベッドで寝ていた。
母親に捨てられてもなお母の面影を求めてしまう。そんなオレに優しく寄り添ってくれる二人の男の物語。
*表紙はPicrew 「斜め後ろメーカー」で作りました。
***
沈丁花サイドストーリー。
「ママはバケモノ」の綾野健くんが大人になった、ある日々の出来事です。
「ママはバケモノ」の草壁直也、「沈丁花」の笹原亮一、吉岡七瀬が登場します。
「沈丁花」サイドストーリーですが、「沈丁花」とは全く別のお話です。
文字数 12,052
最終更新日 2020.11.26
登録日 2020.11.22
同級生殺害の罪でツチダ シンイチは流刑判決を受ける。やがて流刑(島流し)が執行され、島へと連れて行かれる。
島で待ち受けるシンイチが体験する出来事とは・・・。
文字数 70,544
最終更新日 2021.10.01
登録日 2021.10.01
時は平成の初め頃。
牧雄の前から突然姿を消した幼馴染の少女・彰子。
小さい頃から病弱だった彰子は牧雄にとっては愛おしくて守るべき存在だったのに。
【ご注意】第2章以降はDV、虐待、モラハラ等を想起させる場面が含まれます。元々は第1章だけで完結していた作品なので、ストレス耐性の弱い方は第1章までで止めていただいても結構です。
文字数 69,242
最終更新日 2024.05.02
登録日 2024.03.03
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