感動小説一覧

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◆あらすじ
中谷(主人公)が、学生時代につき合っていた三千子の事を思い出す度に、周囲の人間が次々と惨事に遭った。
場所はファミレス、オフィス、工場やショッピングモール・・その全てが惨事の舞台となる。
まず、ファミレスでは友人の顔が卵の裁断機のように潰され、工場ではセクハラ上司が、パワーショベルにより頭と体を潰されてしまう。他にもショッピングモールでは、娘を虐めていた少女三人が悲劇に見舞われることになる。
そのどれもが非現実的な長い指によるものだった。
更に、それはインターネットの世界にも現れ、掲示板を見た者に悲劇が訪れる。
その原因は何か?
学生時代、中谷は三千子という女性と交際していたが、資産家の令嬢との結婚話が持ち上がると、三千子を煩わしく思い、洞窟の底に突き落としていたのだ。
三千子が死霊となって周囲の人を襲っているのではないか?
そう思いはしたものの、三千子を突き落とした張本人の中谷には何も起きることはなかった。まるで三千子の死霊に守られているようだった。
惨劇が進む中、中谷の夭折した姉が一連の惨事に関わっていると思うようになった。
亡くなった姉には不思議な力があった。姉が弟を守るために、三千子を適任者として自分の能力を授けたのではないのか。
このままでは死者が増え続けるばかりだ。
三千子が生きていることを知った中谷は、入院先の病院に出向くが、そこで最悪の惨劇が起きる。そこには三千子の復讐の相手の義母がいたからだ。
中谷が自分の財産を狙いに来たと思い込んだ義母が中谷を罵ると、義母は二人の女性看護師に拘束され、毒の入った注射を刺される。
◆主な惨劇
ファミレスにて・・男の顔が卵裁断機のように破壊される。
病院にて・・モップの剣先が男の父親の首に刺さる。
工場にて・・セクハラ課長が、パワーショベルのハサミ機で全身を潰される。
ショッピングモールで、中谷の娘を虐めていた三人の女子生徒に転落死等の惨劇が訪れる。
ネット空間で、中谷の娘を誹謗する生徒たちに惨劇が訪れる。
またスポーツクラブでは、高利貸しの男たちが、バーベルやレッグエクステンション等を使った被害を受ける。
*どれもかなりグロいです。
中谷幸一・・主人公
中谷美智子・・主人公の妻
中谷裕美・・主人公の娘
市村三千子・・主人公が過去に付き合っていた女性
市村小枝子・・三千子の母親
近藤・・中谷の友人
文字数 308,785
最終更新日 2025.05.30
登録日 2019.10.19
【第8回ライト文芸大賞参加作品】
中学生の井村剣心は、悪友たちと夏の思い出作りに深夜の学校で肝試しをやった。そこで本物の幽霊、加藤美織に出会う。美織との話で、彼女は不慮の事故で亡くなった先輩であることが分かる。
好きな人へ告白しようと決めた美織の無念を晴らそうと、剣心は過去を調べはじめる。
クラスメイトである高橋花音の助けも借りて、剣心は見えざる運命の糸で美織と繋がっていたことを知るようになる。
美織の死に隠された真相とは。そして、剣心を彼女へ繋げた26年前の事件とは。すべてを知った時、あなたは誰かを愛さずにはいられない。
――26年間言えなかった、スキを伝える物語。
文字数 117,021
最終更新日 2025.05.29
登録日 2025.04.02
都会の喧騒に疲れ果て、夢も希望も見失った青年・蓮。彼が流れ着いたのは、幼い頃に一度だけ訪れたきりだった、遠い田舎の祖父の家だった。頑固で口数の少ない祖父・清太郎は、かつて名高い木工職人だったというが、今はひっそりと隠居生活を送っている。
土壁に囲まれた古い家、どこか不器用な祖父との暮らし。最初は反発し、戸惑う蓮だったが、共に過ごす時間の中で、祖父の意外な一面や、閉ざされた工房に眠る過去の欠片に触れていく。祖父が胸に秘めた、諦めきれなかった夢。そして、祖父の過去の挫折と、今の自分の姿が重なったとき、蓮の心に小さな光が灯る。
これは、一度立ち止まってしまった二つの魂が、互いに支え合い、過去と向き合い、新たな一歩を踏み出すまでの物語。温かい田舎の風景、不器用ながらも確かな絆、そして受け継がれる夢の輝きが、きっとあなたの心を震わせる、感動のヒューマンドラマ。
文字数 7,483
最終更新日 2025.05.29
登録日 2025.05.24
巨大書店チェーンを率いる名家の令嬢、ミレイユ・ヴァレンシュタイン。その冷徹な経営手腕から「氷の悪役令嬢」と揶揄される彼女に下されたのは、亡き母が遺した小さな古書店「栞の森」の再建だった。条件は三ヶ月後の単月黒字化。達成できなければ、後継者の座は異母弟のものとなる。
「売れない」「古い」「価値がない」――誰もが匙を投げる寂れた古書店。赤字経営、埃をかぶった在庫の山、そして客のいない静寂。大手チェーンの効率至上主義に染まっていたミレイユは、初めて触れるアナログな経営と、母が愛した“物語の価値”に戸惑い、打ちのめされる。
しかし、母の想いが詰まったその場所で、彼女は気づく。データでは測れない、一冊の本が持つ温もりと、人と人とを繋ぐ物語の力を。
これは、悪役令嬢と呼ばれた少女が、本と人との出会いを通して本当の豊かさを見つけ、寂れた古書店を唯一無二の場所へと変えていく、愛と再生の物語。
文字数 15,514
最終更新日 2025.05.29
登録日 2025.05.24
公爵令嬢クラリッサは、完璧な令嬢として育てられた。
王子との婚約、宮廷での未来──それは誰もが望む「理想」だった。
けれど、彼女の心はそっとささやいた。
「もう少し、自分らしく生きてみたい」と。
ある日クラリッサは、すべてを置いて森の奥へ。
ひっそりと、けれど心地よく、癒しのカフェ《cafe fuu》を開く。
焼きたてパンと紅茶、もふもふの神獣たちと笑顔あふれる日々──
そんな中、彼女を探していた家族が、ついに姿を現す。
泣いて、笑って、あたたかくなれる。
これは、“居場所”を見つけたひとりの令嬢と、
そっと彼女を見守り続けた家族の、再会の物語。
文字数 59,139
最終更新日 2025.05.29
登録日 2025.04.10
「電子機器に触れると壊してしまう」という奇妙な症状「パウリ病」を抱えた高校生・富田湊良(とみた・そら)は、進路に悩んでいた。コンピューターが好きなのに触れず、2年前に火星探査で亡くなった母の死も受け入れられないまま。
そんな彼の前に現れたのは、28歳にして国立宇宙生命研究所の准教授・網野日向(あみの・ひな)。銀色の長髪に黒いハイネック、時に中二病じみた言動をする彼女は、「隕石ハンター・ヒナ」として秘密裏に活動していた。
「パウリ病は呪いじゃなく才能よ。あなたの症状は宇宙からの『パウリ因子』との共鳴なの」
14歳で大学を卒業し、「天才少女」という孤独な肩書きを背負ってきた網野は、湊良を助手に任命。江戸時代の「幻の隕石」調査から始まった共同研究は、やがて火星探査隊の事故の真相と、母の残した最後のメッセージへと繋がっていく。
網野の研究室には湊良の幼馴染も加わり、三人は天才研究者の個性的な指導の下、「生命の起源」という壮大な謎に挑む。謎めいた科学者・結城環との対立、カプセル回収作戦、そして宇宙からの最後の贈り物。科学の探求は、やがて彼らそれぞれの「なくしたもの」を探す旅となる。
網野にとっての「居場所」、湊良にとっての「母との絆」、そして「パウリ病」と思われていた能力の真の意味——。星屑のように美しく、儚い記憶の欠片を紡ぎながら、彼らは新たな夜明けへと進んでいく。
文字数 100,923
最終更新日 2025.05.29
登録日 2025.04.29
かつて、神々は人の傍にいた。
剣を手に、雷鳴と共に戦うオーディンの民。彼らは血を流し、命を燃やし、死してなお“戦いの殿堂・ヴァルハラ”に向かうことを誇りとした。
だが、ある時より神は語らなくなった。
鉄と火を制するローマの神、十字架の神が北風の国にやってきたとき、人々の信仰は試される。愛と赦しの言葉は、剣と復讐の掟に打ち勝てるのか。
本作は三部にわたり、信仰の交代劇を描く。
第一部「神々と剣」では、ヴァイキングの戦士が己の誇りと神々の運命に揺れながら戦場に散る。
第二部「十字架と影」では、古き神々と新しき信仰の狭間で揺れる宣教師とその家族が、心の葛藤と共同体の運命に挑む。
第三部「沈黙と再誕」では、現代の北欧に生きる青年が、歴史の忘却と向き合いながら、神なき世界における“信仰”と“意味”を問い直す。
神は死んだのか。それとも、ただ沈黙しているだけなのか。
千年の時を超えて紡がれる、宗教・記憶・人間の精神の旅。
これは、“信じる”という行為そのものに挑む、壮大な人間賛歌である。
文字数 14,534
最終更新日 2025.05.28
登録日 2025.05.28
【あらすじ】
現代日本の天才AIエンジニア、タクミは、ある日、助手AIガイストの実験失敗により、異世界「アルテリア」へと次元転移してしまう。そこは2000年前に魔脈と呼ばれる神秘のエネルギーを操った古代文明が栄え、今は貴族の圧政と魔術が支配する5つの大陸が広がる世界。緑の大陸の森に流れ着いたタクミは、技術者としての知識と情熱を武器に、運命を切り開く壮大な冒険へと踏み出す。この物語は、タクミが仲間と共に絆を深め、技術と希望で新時代を築くまでの波乱万丈な旅路を描く、魔法×メカ×感動の壮大なファンタジー冒険物語。
文字数 431,660
最終更新日 2025.05.25
登録日 2025.03.28
寛永年間、活気あふれる大坂の町。老舗塩問屋「海津屋」の若旦那・宗右衛門は、類まれな商才を持ちながらも、情に厚く心優しい男だった。しかし、その穏やかな日々は、塩の利権独占を目論む強欲な「浜屋」によって打ち砕かれる。浜屋の主・六兵衛は、宗右衛門の許嫁お鈴を人質に取り、海津屋の命とも言える塩蔵の明け渡しを迫る非情な手段に出た。愛する者を守るため、そして商人としての誇りを守るため、宗右衛門は苦悩の末、驚くべき決断を下す。「この塩は、民のものだ――」。蔵の塩を貧しい人々に分け与え始めたのだ。裏切りか、それとも正義か。怒り狂う六兵衛、絶体絶命のお鈴、そして、宗右衛門の信念に心を動かされた町衆の運命は如何に? 涙と感動、手に汗握る展開が織りなす、愛と正義の時代絵巻!
文字数 14,497
最終更新日 2025.05.24
登録日 2025.05.18
「人嫌いの僕は、通販で買った等身大AIフィギュアドールと、年上の女性に恋をした」 主人公の井村実は通販で等身大AIフィギュアドールを買った。 フィギュアドール作成時、自分の理想の思念を伝達する際、 もう一人の別の人間の思念がフィギュアドールに紛れ込んでしまう。 そして、フィギュアドールには二つの思念が混在してしまい、切ないストーリーが始まります。
主な登場人物
井村実(みのる)・・・30歳、サラリーマン
島本由美子 ・ ・・41歳 独身
フィギュアドール・・・イズミ
植村コウイチ ・・・主人公の友人
植村ルミ子・・・・ 母親ドール
サツキ ・・・・ ・ 国産B型ドール
エレナ・・・・・・ 国産A型ドール
ローズ ・・・・・ ・国産A型ドール
如月カオリ ・・・・ 新型A型ドール
文字数 409,486
最終更新日 2025.05.24
登録日 2019.04.17
影の薄い僕と、7人の個性的、異能力な美少女たちとの間に繰り広げられる恋物語。
影の薄い僕はある日透明化した。
それは勉強中や授業中だったり、またデート中だったり、いつも突然だった。
原因が何なのか・・透明化できるのは僕だけなのか?
そして、僕の姿が見える人間と、見えない人間がいることを知る。その中間・・僕の姿が半透明に見える人間も・・その理由は?
もう一人の透明化できる人間の悲しく、切ない秘密を知った時、僕は・・
文芸サークルに入部した僕は、三角関係・・七角関係へと・・恋物語の渦中に入っていく。
時々、透明化する少女。
時々、人の思念が見える少女。
時々、人格乖離する少女。
ラブコメ的要素もありますが、
回想シーン等では暗く、挫折、鬱屈した青春に、
圧倒的な初恋、重い愛が描かれます。
(登場人物)
鈴木道雄・・主人公の男子高校生(2年2組)
鈴木ナミ・・妹(中学2年生)
水沢純子・・教室の窓際に座る初恋の女の子
加藤ゆかり・・左横に座るスポーツ万能女子
速水沙織・・後ろの席に座る眼鏡の文学女子 文芸サークル部長
小清水沙希・・最後尾に座る女の子 文芸サークル部員
青山灯里・・文芸サークル部員、孤高の高校3年生
石上純子・・中学3年の時の女子生徒
池永かおり・・文芸サークルの顧問、マドンナ先生
「本山中学」
文字数 683,398
最終更新日 2025.05.24
登録日 2019.04.17
「完璧な悪役令嬢」と謳われたセシリア・ローズマリー。その美貌、才気、そして毒舌は、社交界で畏敬の念を集めていた。まるで造られたかのように冷たい仮面の下で、彼女はずっと孤独に苛まれていた。ある雨の夜、心無い言葉を浴びせたはずの少女から返された、思いがけない一言。「貴女こそ、本当の悪女ね」――その棘に貫かれた彼女は、忽然と姿を消す。王都の片隅、貧しい孤児院に現れたのは、「薔薇のマスク」と名乗る匿名の寄付者。それは、かつて全てを嘲笑った令嬢が、痛みを知り、真の優しさを見出すまでの、秘密の贖罪の物語。棘の檻に閉ざされた心が、静かに花開き、やがて世界を温め始める――。
文字数 15,292
最終更新日 2025.05.22
登録日 2025.05.18
文字数 10,989
最終更新日 2025.05.22
登録日 2025.05.16
女神エリュシオンの加護の下、人と亜人が暮らすホワイトランド。
主人公ジークは、旅の途中で自分の名前と少しの事を除き、
記憶の大半をなくしてしまう。
ある人の紹介で傭兵団に入る事にしたジークは、
個性豊かな仲間や不思議な少女フィアと出会い、世界を巡る戦いに巻き込まれてしまう。
人間性と喪失、希望のコメディ&ダークファンタジー!
物語の進行上、鬱要素がありますが、それをもぶっ飛ばす希望のコメディが得意です!
刺さる人にはきっと刺さるはず!
暴力・薬物・残虐表現がある為、R15にしています。
※キャラクターピックアップの短編集もありますので、もしよろしければそちらもどうぞ!
文字数 311,288
最終更新日 2025.05.20
登録日 2024.10.02
午後五時に現われる紫色のバス。そのバスに乗車すると過去に出会った者との再会を果たす。
バスは客を再会場所まで運び、元の場所、元の時間に戻すだけ。再会を終えた客達は、心が大きく揺さぶられ、バスを降りていく。
奇跡の再会を終えた者達が些細な変化が起きても起きなくとも、構わずに紫バスはまた次の客人を乗せ、再会の停車場へと送り届ける。
文字数 91,773
最終更新日 2025.05.13
登録日 2025.04.30
就活失敗。社会にも出られず、バイト漬けの日々を送る俺・和泉澄人。
そんな俺がある日、気づけば小学五年生の女の子――“縋野泉”になっていた!?
見た目はJS、中身は就活浪人。
経済もマーケもガチで学んできた知識と、人生経験(やや浅め)をフル活用して、まずは寮の空き部屋で駄菓子屋を開業。立地分析、ターゲティング、価格戦略――ビジネス理論を駆使しながら、小学生の姿で商店街に経済革命を巻き起こしていく!
やがて商店街の重鎮や玩具メーカー、PTA、日本屈指の財閥までも巻き込み、
少女の体で無双する“異常な起業家人生”が始まる――!
これは、「社畜にもなれなかった男」が“最年少経営者”として成り上がる、
新感覚・小学生転生×ビジネス成功譚!
完結済・全話無料公開中!
文字数 140,455
最終更新日 2025.05.12
登録日 2025.05.12
平凡な僕が出会ったのは、世界の危機と不思議な数式を語るクラスメイト・浅野ユキ 。
彼女の「セカイ系」な言動は、迫りくるタイムリミット「初雪」を知らせるものだった。
なぜ彼女は「セカイ系」なのか――その理由が物語を通して見えてくる。
共に過ごすうちに互いに惹かれ合うが、彼女が「自らの記憶や存在を刻む「最終定理」と「記憶結晶」の完成を急いでいることを知る。
初雪の日、僕は彼女の願いを受け入れ、運命を変えるかもしれない定理が実行される瞬間を、丘の上でただ一人見届けることを決意する。
これは切ない恋とセカイの輝きを描く物語。
文字数 37,855
最終更新日 2025.05.07
登録日 2025.04.27
ある日、僕は幽霊の少女と出会った。
少女は、魔女に体を奪われてしまったそうで、僕らは少女の体を取り戻すために魔女の住んでいた森を目指して旅に出ることに。
道中、ノリが軽すぎる男も仲間に加え、魔女の森を目指す。
果たして僕らは森までたどり着けるのだろうか。
そして、旅の果てに待つものとは……?
心優しい少年と幽霊の少女の出会いから始まる、王道ボーイミーツガール!!!
※ほかのサイトにも投稿しています
文字数 132,332
最終更新日 2025.05.02
登録日 2025.03.29
高校二年生の6月25日。
私の目の前にクラスメイトの丹野 珀人(たんの はくと)が立っていた。その衝撃は声も出ないほどだった。
教室でクラスメイトが自分の前に立っているだけで、何故ここまで驚くのか。
それは丹野 珀人は教室の一番左側、後ろから二番目の席で今も普通に授業を受けているから。
にもかかわらず、一番前の席に座っている私の前にいるのだ。きっと意味が分からないと思う。私だって意味が分からない。
今、この教室に丹野 珀人が二人いる。
「あー! 伶菜は俺のことが見える感じ!?」
声も出ない私を見ても、目の前の丹野 珀人は気にせず続ける。
「伶菜は今から半年後の12月25日に俺と付き合います! そして、今から1年後の6月25日に自殺する。そして、それを止めようとした俺も巻き込まれて死にます!」
「だからさ、お互いのためにも付き合わない方が良いと思うんだよね。なので、俺は今から伶菜の彼氏作りを手伝います! 勿論、俺以外で!」
目の前の丹野 珀人は元気よくそう言い放った。
文字数 26,314
最終更新日 2025.05.01
登録日 2025.04.28
奏空(かなでそら)高校のマーチングバンドには、部員が三人しかいない。
唯一の男子部員である川上は、いつも通り合奏練習をする為に、音楽室の代わりにしている空き教室のドアを開けた。
そこで待っていたのは、元気いっぱいな様子でビッグニュースを持ってきた女子部員・山本。
何とそれは、三人だけで県大会に出場しようという大それた提案だった。
しかし、出場には指揮をしてくれる先生が必要だ。
そんな中、職員室前に並ぶ優勝トロフィーの前で、国語科の教師・海(うみ)先生に出会う。
先生は、かつて全国に名を馳せていた頃のマーチング部を率いた熱血な指導者だった。
早速指導を願い出た三人だったが、練習は想像していた以上にハードで、ねを上げる寸前に。
それでも必死に食らいつき、待ち焦がれた県大会の先で三人が掴んだ想いとは——。
これは誰の代わりもいない特別な部員たちが、それぞれの音色を響かせて、県大会やその先を目標に努力する青春物語である。
※この物語に出てくる大会の規約は、現実のものと大きく異なります。リアリティを追求したい方はご注意をお願いいたします。
文字数 7,812
最終更新日 2025.04.27
登録日 2025.04.27
ある日突然、前世の記憶を思い出した少年は、前世の自分と出会う。彼の未来を知る少年は、後悔を遡って彼を幸せに導こうとする。
二年後に死ぬことになる彼と共に過ごすが、第三者として彼を眺めながら生きる少年は、その愚かさに気づきながら「今」を見つめる。
今までの自分を知りながら彼と過ごす短い時間は、少年をどのように変えていくのだろうか。
未来を知った少年が前世の自分を救う恋と決断の物語。
駿(しゅん) 前世の記憶を持つ少年
涼太(りょうた) 少年の前世。駿の時代では駿の二つ下の20歳
陽菜(ひな) 涼太の恋人
結衣(ゆい) 陽菜の親友
桜(さくら) 駿の恋人
秀太(しゅうた) 駿の親友であり涼太の先輩
祐介(ゆうすけ) 涼太の親友
秀夫(ひでお) 駿の叔父
※投稿頻度 1~2日に1話程度
文字数 11,705
最終更新日 2025.04.23
登録日 2025.04.12
「どうしても、同じ味にならないんです」
高校生の遥は、亡き祖母が作ってくれた「豆腐のそぼろ煮」の味が忘れられず、何度も再現に挑戦していた。しかし、見た目も材料もそっくりなのに、どこかが決定的に違う。味覚だけでは届かない“何か”を求め、遥は祖母の家に残されたレシピ帳や台所を手がかりに、ひとり探し続けていた。
そんなある日、古びたノートに書かれていたのは、レシピではなく“想いの記録”。そこには、祖母が誰かを思いながら料理をしていた時間と、食卓に込めた小さな愛情が綴られていた。
料理はただの手順じゃない。誰かを想う心の温度が、味になる。
祖母の台所で過ごした記憶。母とのすれ違いと、少しずつ縮まっていく距離。湯気の向こうに浮かび上がってくるのは、味ではなく、人とのつながりだった。
これは、“再現”の物語ではなく、“継承”の物語。
料理を通して、遥は何を受け取り、どんな未来を紡ごうとしているのか――。
静かな日常のなかで、読後にじんわりと心が温かくなる、家族と記憶とごはんの物語。
きっと誰もが、自分だけの“あの味”を思い出したくなる一作です。
文字数 15,999
最終更新日 2025.04.20
登録日 2025.04.14
空を跳ぶのが好きだった。ただ、それだけだった。
高校三年、進路も夢も見えないまま、元体操少年・ハルは、偶然見た一本のダンス動画に心を撃ち抜かれる。
その踊り手の名は——Ren。
“夜踊”と呼ばれるFlipBeatの深夜投稿文化。その闇夜に光るような静かな踊りに、ハルは初めて「心で跳ぶ」感覚を知った。独学で練習を始め、ふと飛び込んだダンスの世界で出会ったのは、Ren、そして、まだ名前のない3人の“踊り手”たち。
踊る理由も、スタイルも、抱えたものも違う。でも、「表現したい」という衝動だけは、みんな同じだった。
バラバラだった5人が、ある夜、決意する。
——このままじゃ終われない。踊りで、ちゃんと光になりたい。
目指すのは、動画アプリの頂点《Stella Nova》。
心で跳べ。まだ名前のない星になるために——
『跳ねろ、心臓』
夢に遅れて気づいた僕らの、未完成で最高の“青春ダンス”物語、始まる。
文字数 56,367
最終更新日 2025.04.19
登録日 2025.04.10