現代文学 ヒューマンドラマ小説一覧
大学生となった誉。
慣れないひとり暮らしは想像以上に大変で。
想像もできなかったこともあったりして。
周囲に助けられながら、どうにか新生活が軌道に乗り始めて。
誉は受験以降休んでいたスルドを再開したいと思った。
スルド。
それはサンバで使用する打楽器のひとつ。
嘗て。
何も。その手には何も無いと思い知った時。
何もかもを諦め。
無為な日々を送っていた誉は、ある日偶然サンバパレードを目にした。
唯一でも随一でなくても。
主役なんかでなくても。
多数の中の一人に過ぎなかったとしても。
それでも、パレードの演者ひとりひとりが欠かせない存在に見えた。
気づけば誉は、サンバ隊の一員としてスルドという大太鼓を演奏していた。
スルドを再開しようと決めた誉は、近隣でスルドを演奏できる場を探していた。そこで、ひとりのスルド奏者の存在を知る。
配信動画の中でスルドを演奏していた彼女は、打楽器隊の中にあっては多数のパーツの中のひとつであるスルド奏者でありながら、脇役や添え物などとは思えない輝きを放っていた。
過去、身を置いていた世界にて、将来を嘱望されるトップランナーでありながら、終ぞ栄光を掴むことのなかった誉。
自分には必要ないと思っていた。
それは。届かないという現実をもう見たくないがための言い訳だったのかもしれない。
誉という名を持ちながら、縁のなかった栄光や栄誉。
もう一度。
今度はこの世界でもう一度。
誉はもう一度、栄光を追求する道に足を踏み入れる決意をする。
果てなく終わりのないスルドの道は、誉に何をもたらすのだろうか。
文字数 40,577
最終更新日 2024.04.29
登録日 2024.03.01
テーマは「本当のこと」
数年ぶりに再会した過去の恋人同士。お互いもういい大人になっている。
「昔、会社が倒産しそうだと言ったのを覚えているか? あれ、嘘だったんだよ」
そう過去の真実を告白した男に対して、女は静かに唇を開いた。
「知ってたわ。その上で別れを受け入れることに決めたの――」
何を思って男は女にその言葉を告げたのか。
そして女はどうしてその言葉の嘘を暴かなかったのか。
その裏にあったこととはなんだろうか。
過去の恋人たち二人のやりとりを、第三者視点綴っています。
2023/3/27 現代文学部門1位ありがとうございました<(_ _)>
2023/3/31 加筆修正いたしました。
文字数 11,410
最終更新日 2023.03.31
登録日 2023.03.26
時は平成の初め頃。
牧雄の前から突然姿を消した幼馴染の少女・彰子。
小さい頃から病弱だった彰子は牧雄にとっては愛おしくて守るべき存在だったのに。
【ご注意】第2章以降はDV、虐待、モラハラ等を想起させる場面が含まれます。元々は第1章だけで完結していた作品なので、ストレス耐性の弱い方は第1章までで止めていただいても結構です。
文字数 62,843
最終更新日 2024.04.29
登録日 2024.03.03
統合失調症。
それは、百人に一人の割合で発症する病気。
世界中の人間の、百人に一人は、統合失調症患者だ。それは、けっして少ない数ではない。
おそらく世間一般には、
統合失調症は「幻覚、妄想を起こす病気」というイメージがあるのではないか。
しかし、この病気の本質は《自我の障害》だ。
自我とは、
《私》と《他人》を隔てる《殻》のようなものだ。
統合失調症患者は、その殻がもろくなる。そして、自分と他人の境目があいまいになっていく。
それによって、さまざまな症状が出現する。
高校生の私(夏音)は、統合失調症の素因をもっており、ストレスに対して脆弱性を抱えていた。
そんな私は、家庭環境や受験によるストレスから、徐々に精神に異常をきたしはじめる。
私の精神状態に大きな変化が起こりそうな予兆がある中、
先に精神に異常をきたしたのは兄だった。
高校三年生の夏、私の兄は、
統合失調症の診断で、
精神科病院に入院した。
兄に初恋に似た感情を抱いていた私は、兄の発病に心を乱されながらも、
精神科病院に通い、兄を見舞う日々を送る。
そんな頃、私にはもう一人、重要な人物が現れる。
兄の入院する精神科病院はとある丘に建っていた。丘には団地もあり、その団地には私と同じ高校に通う少年が住んでいた。私は、その夏、兄の見舞いの行き帰りに頻々と少年と出会う。そして、私と少年は少しずつ心の距離をつめていくこととなる。
私、兄、少年との、三人の人間模様と統合失調症という病を描いた物語。
文字数 42,151
最終更新日 2024.04.08
登録日 2024.03.14
胸を打つあたたかな話から、ハイファンタジー、ホラーギャグ、センシティブまで。
あなたとリスナーのひとときに、心刺さるものがありますように。
基本的に短編~中編 台本。SS短編集としてもお楽しみいただけます。縦書き表示推奨です。
【ご利用にあたって】
OK:
・声劇、演劇、朗読会での上演(投げ銭配信、商用利用含む)。
・YouTubeなどへのアップロード時に、軽微なアドリブを含むセリフの文字起こし。
・上演許可取りや報告は不要。感想コメント等で教えて下されば喜びます。
・挿絵の表紙をダウンロードしてフライヤーや配信背景への使用可。ただし、書かれてある文字を消す・見えなくする加工は✕
禁止:
・転載、ストーリー改変、自作発言、改変しての自作発言、小説実況、無断転載、誹謗中傷。
文字数 81,517
最終更新日 2023.11.17
登録日 2020.10.17
いじめをきっかけに引きこもりになった今宮戒斗は、家族とも上手くいかず、通院先の主治医にも本音を話せず、孤独に耐える辛い心の内を『カイト』と名乗り、ブログで吐き出しながら生きていた。
そんなある日。カイト宛てに『ユウト』と名乗る人物から一件のコメントが届く。
一方のユウトは、自身の願いを叶える為だけに、戒斗とコンタクトを取っていた。ユウトとしてカイトと接触する悠斗だが、彼には大きな秘密があった。
また、戒斗の友人である高遠絵美は、同級生の些細な一言がきっかけで摂食障害となり、自傷行為の末に入退院を繰り返していた。家族関係に悩み、辛い現実から逃げる為に理想の自分である『幸子』という偽名を使い、存在しない日常をブログに綴ることで心のバランスを保っていた。
各々が秘密を抱えながら、現実とネットの狭間を生きる日々。しかし、些細なことから三人の秘密が暴かれていく。
そして、家族を巻き込みながらそれぞれの秘密や本心と向き合う時。人生の再生と希望への道筋が見え始めたのである。
文字数 107,820
最終更新日 2024.04.26
登録日 2024.04.22
私は、父と母の愛を知らない。けれど悲しいと思ったことはなかった。大好きなおじさんが傍にいてくれたから──。
父の双子の兄である青葉おじさんに育てられた私は、幸せに暮らしていた。実の父である水樹が突然海外から帰国するまでは。
「私を捨てて海外に行ってしまったくせに……」
今更「お父さん」なんて呼びたくない。
私と父の和解を望む青葉おじさんの気持ちを考え、どうにか父親を受け入れようとした。
けれど父の水樹は衝撃の告白をする。
「俺は朱里を殺そうとした。おまえは俺を、一生許してはいけない」
私がいらない子だから、父は私を捨てたの?
おじさんの言葉も信じられなくなった私は家を飛び出し、同級生の少年海斗に救いを求める。
ぶっきらぼうだけど優しい海斗に支えられながら、私はおじさんと父に向き合うことを決めた。
「全部話すよ。朱里の母親のことも、僕たち兄弟のことも」
父とおじさんは語る。 それぞれに青春と出会い、切ない別れがあったことを。
そして私は、生まれてきた意味と生きていく尊さを知る──。
不可思議な絆で結ばれた双子の兄弟、
その娘の朱里と、今は亡き母の桃子。
これはとある家族の、絆と再生の物語。
章ごとに視点が変わっていきます。
第一章は主人公の朱里
第二章は朱里のおじさんである青葉
第三章は朱里の実父である水樹
第四章で視点は再び朱里に戻り、完結へと進みます。
※エブリスタと小説家になろうにも掲載していますが、こちらは改稿版となります。
文字数 163,370
最終更新日 2022.04.28
登録日 2022.03.26
気難しく思考的・心的な融通のきかない彼は、ある時「恋」に興味を抱いて考えだす。しかしながら、その思考はどこかズレていて/優秀な彼(ただし「変」「かたい」「柔軟さに欠ける」)は、優秀な医者(しかし言葉や表情などが足りない場合がある)に唯一話しつつ、恋を真剣に考え続けるが――、その結末は。
※「小説家になろう」「カクヨム」等にも掲載しています。
文字数 17,349
最終更新日 2023.11.05
登録日 2023.11.05
一人暮らしは偉い。
実家暮らしは怠けている。
他人に生活の詳細なんて、普通は話しません。
※後味が悪いため、苦手な方はご注意ください。
文字数 7,845
最終更新日 2023.12.03
登録日 2023.12.03
「毒親は捨てていい」
「友達も恋人も必要ない」
「結婚しなくてもいい」
「学校は行かなくていい」
「仕事は辞めていい」
「嫌なことからは逃げていい」
「自分のことだけ考えていい」
それ、本当にあなたに向けられたメッセージですか。
文字数 11,547
最終更新日 2023.07.19
登録日 2023.07.19
町の片隅にある小さな料理店に、それぞれ悩みを抱えた人がやって来る。
美味しそうな料理と、店主の感情にも注目です!
文字数 7,899
最終更新日 2023.04.07
登録日 2023.04.01
僕、河合伸二は医者から心臓に欠陥があると言われ激しい運動や走る事もダメと言われていた。当然外で友人と遊べず家で読書に明け暮れていた。父が読書家で僕にも童話や名作全集などを買い与えてくれた。ある日、父が膀胱癌で死亡したが母は医療過誤を疑っていた。一家は隣町に引っ越し母が働きに出た。僕はある日池で溺れて、元医者の男性に救われた。彼は僕の心臓に欠陥などないと言い精密検査を勧めてくれた。それが縁で彼から水泳を教わることになったが、それを知った母は激怒する。彼こそ父の医療過誤を犯した医者だと言うのだ。真実は彼では無く医院長のミスであったが、それが元で彼は病院を辞め僕の父親がわりになろうとしたのであった。しかし彼を神様だと思い込んでいる僕は父を生き返らせてくれと彼に訴えた。結局父に代わりになれないと悟った彼は、僕のために保険金を残そうと死を選ぶのであった。
文字数 41,026
最終更新日 2023.06.09
登録日 2023.06.09
始めてあったのは三十年前、
嫌気が差して離れたものの
縁あってまた再会。昔とちっとも変わっていない。むしろそれ以上に悪い。本人は真剣だが、ちょっと笑っちゃう子供おばさんの話。
文字数 1,423
最終更新日 2024.04.05
登録日 2024.04.05
俺だってできることなら
誰にも迷惑をかけずに
誰にも頼らずに
誰にも見下されずに
”普通に”生きたい。
※だいぶ鬱注意。
着地だけ「イイハナシカナー?」風味。
文字数 10,117
最終更新日 2024.04.13
登録日 2024.04.13
僕は本気だった。そのために付き合っていた彼女にも別れを告げた。
だけど僕が選んだ人は僕を選ばなかった。自分の意志で抱いた夏が僕の中でいつまでも灼けていた。
文字数 16,092
最終更新日 2024.04.13
登録日 2024.04.13
文字数 83,846
最終更新日 2024.04.15
登録日 2024.04.02
文字数 70,579
最終更新日 2023.09.05
登録日 2023.08.14
文字数 807
最終更新日 2023.05.15
登録日 2023.05.15
女性がストッキングを脱ぐところを見るのが好きだった。
夜な夜な女性のストッキングの脚を物色し誘いをかける男。
果たして、用があったのはそのものか、あるいはその中身なのか。それが問題だ。
※2021/08/31 最終2話にR18シーンを追加しました。
文字数 11,629
最終更新日 2021.08.31
登録日 2021.06.21
文字数 7,897
最終更新日 2021.04.26
登録日 2021.04.20
体が弱くて気が強い「エマ」と、健康だが気弱な「カノン」は、子供の頃は仲がよかったが…。
5月14日の「母の日」を前に、母親なるものをいろんな形で書きたい!という気持ちだけが先走った妄想の産物です。
これ1本で終わるかもしれませんが、母妄想シリーズで何本か書ければおなぐさみです。
文字数 6,916
最終更新日 2023.05.09
登録日 2023.05.09
生まれつき二十歳で死ぬ運命にある私。二十歳の誕生日まで後三日。人生最期の三日間を後悔なく過ごしたい――
※小説家になろう、ノベルアッププラスにも掲載しています
文字数 5,588
最終更新日 2021.02.15
登録日 2021.02.15
我卦 利行(がけ としゆき)27歳。新卒で上場企業に就職したが、ワークシェアリングの波に飲み込まれ、将来に不安を抱えていた…… そして、虚ろな目で通勤電車を途中下車すると、街を彷徨い始める。そこで見たものは……
文字数 6,164
最終更新日 2022.02.09
登録日 2022.02.09
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