ヒューマンドラマ 小説一覧
81
家族になる予定なんてなかった ~元ヤクザと私と迷子の五歳児~
五年前、最愛の娘を事故で亡くした白石美咲は、それ以来ひとりで生きてきた。
ある雨の日。 仕事帰りに立ち寄った公園で、迷子の五歳児・悠真を見つける。
同じ頃、悠真を保護しようとしていたのは、強面で近寄りがたい元ヤクザの黒崎蓮。
警察に届けても保護者は見つからず、事情から二人は一時的に悠真の面倒を見ることになってしまう。
子供との関わりを避けてきた美咲。 子供を幸せにする資格はないと思い込んでいる黒崎。
正反対の二人だったが、無邪気な悠真に振り回されるうちに、少しずつ距離を縮めていく。
しかしその裏で――。
悠真の母・彩乃は事故によって記憶を失い、過去を奪われたまま暮らしていた。 そして彼女のそばには、その状況を利用し、夫を名乗る一人の男がいて……。
失った家族。 守れなかった約束。 そして、もう一度見つける居場所。
これは、家族になる予定なんてなかった三人が、本当の家族の形を見つけるまでの物語。
笑って、泣いて、心が温かくなる家族再生ストーリー。
82
階段から落ちたフリのはずだった〜自作自演の結末〜
学園に入学して自分が乙女ゲームのヒロインだったことに気付いたルムラ。
当然のように攻略対象者を攻略する為に動き出した。
落とすのは候爵家嫡男のファルグ! この乙女ゲームは悪役令嬢のヘイト管理も大変だけどなんだかファルグ専用の悪役令嬢である婚約者のラヴィーリア伯爵令嬢の動きがおかしい。
嫉妬してない? 虐めてこない?
なら自作自演だ!
乙女ゲームの虐めイベントを完璧に自作自演したルムラは最後の『階段から突き落とされる』シーンに挑んだ。
これが終われば後は悪役令嬢を断罪してハッピーエンド☆
ルムラは彼との幸せの為に階段に向かう。
悪役令嬢ラヴィーリアが転生者じゃないと信じ込んで……──
!!※この話の主人公は悪役令嬢ラヴィーリアです(°∀°)!!
◇テンプレ乙女ゲームモノ。
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾もあるかも。
◇なろうにも上げる予定です。
83
匿名掲示板の向こう側
深夜、匿名掲示板に立てられるひとつのスレッド。
そこには、誰にも言えない悩みや、胸の奥にしまい込んだ出来事が、ぽつりと書き込まれる。
「余命宣告された彼女がいるんだが」
「ブラック上司を論破した話」
「コンビニで出会ったおばあちゃんのこと」
「幼なじみの結婚式で泣いた」
スレ主──通称「イッチ」と、顔も名前も知らない「スレ民」たち。
ただの匿名のやり取りのはずなのに、そこには不思議と温かい言葉が集まっていく。
誰かの怒りがスカッとする結末を迎える夜もあれば、
画面の向こうで、静かに涙がこぼれる夜もある。
ふざけ合い、励まし合い、ときには本気で誰かを救う言葉が飛び交うスレッド。
それは、名も知らぬ人々が紡ぐ、ほんの少し優しい物語。
これは──
匿名掲示板の向こう側で生まれた、小さな奇跡の記録。
84
「一人でも大丈夫」と家族にも婚約者にも捨てられた私を、無口な辺境伯だけが見つけてくれました
「君は一人でも大丈夫だから」
その言葉で、家族にも婚約者にも見放された令嬢エルディナ。
嫁ぎ先は雪深い辺境。
歓迎も愛情も期待していなかった。
それでも無口な辺境伯ラウレンは、誰よりも先に彼女の疲れや我慢へ気づく。
「ここに居ていい」
その一言から始まった新しい暮らし。
白湯を沸かし、小さな異変へ気づき、人を支え続けるエルディナ。
そんな彼女を今度は支えたいと願う辺境伯。
傷ついた二人が少しずつ心を通わせていく、優しく温かな辺境スローライフ恋愛。
85
渚の家
――また会える。そう願っていた。
母親との確執。生き別れた双子の姉の死。そして『姉の子』である少年との出会い。
姉が生きた町で、彼女が生きた軌跡を追いながら、海は姉・渚との想いを重ねていく。
86
懐かしのクラスメイトたち
ピアニスト茉莉、印章彫刻師謙一、ラガーマン達也、造園師後藤、庭師美香、バーテンダー嶋木。
高校の同級生六人の、卒業後の波乱に満ち満ちた人生における挫折と苦闘、改軌と再生の物語!
87
楓は、忘れずに色を変える
祖母の死をきっかけに、十二年ぶりに故郷へ戻った柊谷緋乃。家を整理する中で見つけたのは、祖母が毎年書き続けながら、一度も送ることのなかった「かえで帳」だった。
「帰ってきてほしい。でも、あなたを縛りたくない」
遠慮から届けられなかった言葉と、十二年分の楓の葉。祖母の想いを知った緋乃は、失われた時間と向き合い、古い家に新しい命を与えることを決める。
「大切な思い出」「美しい変化」「遠慮」。
秋に鮮やかに色づき、春にはひっそり小さな花を咲かせる楓が教えてくれるのは、変わることは忘れることではないということ。
祖母と孫、故郷、そして受け継がれる記憶を描いた、静かな再生の物語。
88
君が笑うから僕も笑う
神様に選ばれた善人だけが、死んだ命日から四年後、四日だけこの世に帰ってくる。
それは友人や家族、恋人、大切な人に会いに様々な想いを抱えて。
これはそんなお話が詰まった五作の短編集。
亡くなった人たちが残された人達に語りかける言葉とは?
89
井の頭第三貯水池のラッコ
井の頭第三貯水池にはラッコが住んでいた。彼は貝や魚を食べ、そして小説を書いて過ごしていた。
そんな彼の周りで人間たちは様々な日常を送っていた。
ラッコと人間の交流を描く三編のオムニバスライト文芸作品。
90
古都鎌倉おもひで雑貨店
記憶を失くし鎌倉の街を彷徨っていたエイトは、夜の闇に浮かび上がる奇妙な店に辿り着いた。
古道具や小物を扱う雑貨店『おもひで堂』の店主・南雲は美貌の持ち主で、さらには行くあてもないエイトを雇ってくれるという。思いがけず、おいしいごはんとゆったりとした時間に癒やされる共同生活がはじまることに。
ところが、エイトが店番をする雑貨店には、「恋人からもらうはずだった指輪と同じものが欲しい」など、困った客ばかりがやってくる。そして南雲は、そんな客たちの欲しいモノを次々と見つけ出してしまうから驚きだ。
そんななかエイトは、『おもひで堂』に訪れる客たちのある秘密に気付いてしまった。それらは、失った記憶ともどうやら関係があるようで……?
夏の匂いがする鎌倉での、ささやかな謎と切なくも優しい奇蹟の物語。
91
「みえない僕と、きこえない君と」
“少しずつ視野が狭くなってゆく”という病を
高校生の時に発症した純一は、多少の生きづらさ
を感じながらも、普通の人と同じように日々を
過ごしていた。
ある日の仕事帰り、自転車でのんびりと住宅街
を走っていた時に、ふとした油断から通行人の女性
にぶつかってしまう。慌てて自転車から降り、転ば
せてしまった女性の顔を覗き込めば、乱れた髪の
隙間から“補聴器”が見えた。幸い、彼女は軽く膝を
擦りむいただけだったが、責任を感じた純一は名刺
を渡し、彼女を自宅まで送り届ける。
----もう、会うこともないだろう。
別れ際にそう思った純一の胸は、チクリと痛みを
覚えていたのだけれど……。
見えていた世界を少しずつ失ってゆく苦しみと、
生まれつき音のない世界を生きている苦しみ。
異なる障がいを持つ二人が恋を見つけてゆく、
ハートフルラブストーリー。
※第4回ほっこり、じんわり大賞
~涙じんわり賞受賞作品~
☆温かなご感想や応援、ありがとうございました!
心から感謝いたします。
※この物語はフィクションです。作中に登場する
人物や団体は実在しません。
※表紙の画像は友人M.H様から頂いたものを、
本人の許可を得て使用しています。
※作中の画像は、フリー画像のフォトACから選んだ
ものを使用しています。
《参考文献・資料》
・こころの耳---伝えたい。だからあきらめない。
=早瀬 久美:講談社
・与えられたこの道で---聴覚障害者として私が
生きた日々=若林静子:吉備人出版
・難病情報センター https://www.nanbyou.or.jp/entry/196
・https://koikeganka.com/news/oshirase/sick/4425
92
レンズには写せない恋【オメガバBL】
突然オメガになった翼と、帝王と呼ばれるハイスペックアルファのテオが、数々の困難を乗り越え、愛を築いていく────
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命の針が止まるまで
家庭環境により声を失っていた高校二年生の文月コウタ。ある日、クラスの中心人物である花咲ユウに、“文化祭で弾き語りをしたいから練習を側で聞いていてほしい“と頼まれる。なぜ声が出ない自分を誘うのかとコウタは疑問に思いながらも、天真爛漫なユウの性格に惹かれていく。
文化祭準備期間を通じて二人は距離を縮めていくも、次第にユウが自分と同じ深い悩みを抱えていることにコウタは気付く。何か力になれることはないかと探っているうちにコウタは自分の声を取り戻し、ユウの弾き語りが最高の瞬間となるように協力したことで、ユウの悩みは解決できたと話を結んだ。
しかし文化祭後の休み明けにユウが突然転校してしまう。残された手紙にはこれまでの感謝の気持ちと三年後に再会しようと約束が結ばれていた。三年後、コウタはユウと再会する。そこには声を失っていた別人のようなユウがいて……。
他人の理想と期待を演じ続けた二人が、本当の自分を探して強く生きた物語――。
94
【完結】甘やかされて育った第三王子は、婚約者を失って初めて自分の未熟さを知る
フェイス侯爵家令嬢ユーアは、第三王子ボートン・ハミルトンの婚約者として、長年彼を支え続けていた。
貴族達への根回し。問題が起きる前の調整。王族として未熟だった彼を、優秀な彼女は陰から守り続けていた。
だが、ボートンはその価値に気付かない。
さらに、すべてを肯定してくれる新興貴族の令嬢へ惹かれた彼は、感情的に婚約破棄を告げてしまう。
その瞬間から、少しずつ全てが崩れ始めた。
会議はまとまらず、派閥関係は悪化。
それまで当たり前に回っていたものは、全てユーアが支えていたのだ。
だが、王太子ロジャーに導かれ、過ちに気づき自らの未熟さと向き合うことで…。
これは、失ってから初めて支えられていたことに気付いた王子が、再び隣に立てるようになるまでの成長物語。
95
「好き」と一度も言わなかった君を、僕は13年間愛し続けた。妻に知られ、引き裂かれても、君の本当の気持ちだけは最後まで分からなかった。
これは、実際の体験をもとに描いた恋愛小説です。
登場人物や設定、時系列などは、個人が特定されないよう一部変更しています。
妻に不倫が知られ、私は一枚の誓約書に名前を書いた。
これで終わるはずだった。
でも、この恋は十三年間続いていたわけじゃない。
一度は別れた。
忘れようとした。
心が壊れ、仕事を休み、もう二度と会わないと決めた。
それでも、一本の電話が止まっていた時間を動かした。
誘うのは、いつも僕だった。
彼女は一度も「好き」と言わなかった。
それでも、僕が誘えば断られることはなかった。
あれは愛だったのか。
情だったのか。
それとも、ただ断れなかっただけなのか。
十三年が過ぎた今も、その答えだけは分からない。
これは、不倫を美化する物語ではない。
一人の女性を忘れられなかった男と、最後まで本当の気持ちを知ることができなかった一人の女性の、答えの出ない恋の記録。
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チェックイン・カウンター ~時間が止まる施設で、人間は『数字』へと変換する~
フロリダ州のうだるような熱気と湿度を、分厚いコンクリートと鋼鉄の扉が完全に遮断する空間。
フラグメント郡に位置するその施設は、保安官から皮肉を込めて「グリーン・ルーフ・イン(緑の屋根の宿)」と呼ばれている。
そこは、北の歴史的な街並みと南の喧騒なビーチリゾートの中間に位置する奇妙な空白地帯だ。
一歩足を踏み入れた瞬間、外の世界の肩書きや人生の証明はすべて無意味となり、誰もが等しく厳格な手続きの波に飲み込まれていく。
「黄色い線の内側に立て」「壁を向いて、足を広げろ」
24時間、絶え間なく響き渡る無機質な命令の声。
靴紐を抜かれ、ベルトを外され、所持品を透明なプラスチックバッグに没収される。その過程で、かつての個性は削ぎ落とされ、やがて鮮やかなオレンジ色の統一規格の服へと着替えさせられる。
そこでは人間は「名」ではなく、ただの「番号」へと成り下がるのだ。
泥水の中を進むように重く遅い、外の世界とは切り離された時間の流れ。容赦なく効いたエアコンの冷気と、深夜3時を回っても消えることのない蛍光灯の光。
語り手である「私」は、静かに書類を整え、次々と運び込まれる「宿泊客」たちを迎え入れ続ける。
終わることのない、無機質なルーチン。窓のない息の詰まるような空間で、今夜もまた、この「宿」の静かな業務が続いていく。
97
カナリアが輝くとき
四年前に都内で発生した一家殺傷事件。
裁判も終わり、被告は刑期を終えたというのに、何者かがその情報を閲覧していることが判明する。
裏社会の情報屋のレイが作った人工知能システムレイを一時的に乗っ取ったクラッカー「カナリア」は、四年前の事件の被害者であり、ある重要な秘密を握っていた。
追憶のquietの続編になりますが、単独で読めます。
・創作BLversion(セルフ二次)は個人サイト(外部URL参照)あり。事件内容は同じですが、諸々異なります。
98
天界アイドル~ギリシャ神話の美少年達が天界でアイドルになったら~
全話挿絵付き!ギリシャ神話モチーフのSFファンタジー・青春ブロマンス(BL要素あり)小説です。
現代から約1万3千年前、古代アトランティス大陸は水没した。
古代アトランティス時代に人類を助けていた宇宙の地球外生命体「神」であるヒュアキントスとアドニスは、1万3千年の時を経て宇宙(天界)の惑星シリウスで目を覚ますが、彼らは神格を失っていた。
そんな彼らが神格を取り戻す条件とは、他の美少年達ガニュメデスとナルキッソスとの4人グループで、天界に地球由来のアイドル文化を誕生させることだったーー⁉
美少年同士の絆や友情、ブロマンス、また男神との同性愛など交えながら、少年達が神として成長してく姿を描いてます。
99
鳳月眠人のシナリオ台本
胸を打つあたたかな話から、ハイファンタジー、ホラーギャグ、センシティブまで。SS短編集としてもお楽しみいただけます。新しく更新したお話のタイトルに🆕を付けています。
【ご利用にあたって】
OK:
・声劇、演劇、朗読会での上演(投げ銭配信、商用利用含む)。配信場所は問いません。
・YouTubeなどへのアップロード時に、軽微なアドリブを含むセリフの文字起こし。
・上演許可取りや報告は不要。感想コメント等で教えて下されば喜びます。
・挿絵の表紙をダウンロードしてフライヤーや配信背景への使用可。
禁止:
・転載、無断転載
・ストーリー改変、小説実況、誹謗中傷。
・自作発言、改変しての自作発言、ストーリーや進行の流れを丸パクリして別の作品を作ること(盗作)
以上
あなたとリスナーのひとときに、心刺さるものがありますように。
設定から縦書き表示に変えられますので、台本として読む時ご活用ください。
100
恋する鳥刺し ーその愛は彼を幸せにするー
フリーランスの歌手・三喜雄(みきお)は、小中学校で音楽を教えながら舞台に立つ「しょぼいバリトン」。歌い手として物足りなさはあるものの、安定している現状に満足していた。
半ば冷やかしで送った三喜雄のデモ音源が、全国チェーンのドーナツショップ・ドーナツマスターのCMオーディションに合格する。新商品は、ドイツのチョコレートメーカー・フォーゲルベッカー社とのコラボレーション商品で、三喜雄は録音時に、フォーゲルベッカー日本法人の最高執行責任者(COO)のノア・カレンバウアーと再会する。カレンバウアーはかつて、三喜雄のドイツでのオペラデビューを祝福してくれたが、彼は三喜雄のことを覚えていない様子だった。
カレンバウアーは三喜雄がプロとして活躍できるよう、あれこれ世話を焼き始める。そのことに三喜雄が戸惑うさなか、暮らしているマンションが火事になり……。
イラスト/N さま @N_naoco0130
『彼はオタサーの姫』の12年後の物語。未読でもお楽しみいただけますが、三喜雄を取り巻く音楽家たちも元気に登場しますので、読了後だとより楽しいかと思います。
あるバリトン歌手の生涯的な物語なので、恋愛要素にあまり重きを置いていません。ラブシーンもたぶん薄めです。エンタメ性は高めかもです。
101
無自覚の怪物(ヒーロー)―8人のナイン
入部した野球部は、部員わずか8人の廃部寸前。しかし、野生児の少年の奇跡的な身体能力と新入部員の力で、冷めきっていたチームの闘志に火をつける。だが、彼の才能はグラウンドだけに留まらなかった。 ふとしたきっかけで出場した陸上競技で、1年生にして100mの高校日本新記録を樹立。野球と陸上の二刀流がはじまる。
102
レイナは今日も、生活をほどく
金髪、ネイル、軽い口調。
一ノ瀬レイナは、訪問リハに来るには少し派手すぎる作業療法士だった。
けれど彼女は、利用者の歩き方だけを見ない。
玄関の段差、椅子の位置、家族の声色、湯呑みを握る指先、言葉になる前の沈黙。
生活の中に隠れた違和感を、笑顔のまま拾い上げる。
転倒後の廃用と筋力低下で訪問リハを受けることになった高瀬義明。
その妻・澄江は、誰が見ても献身的で完璧な介護者だった。
薬も水も杖も、夫の手が届く場所に整えられている。
家は転ばないように整えられていた。
同時に、夫が動かなくても済むようにも整えられていた。
レイナは気づく。
この家で本当に止まっているのは、義明の足ではない。
廊下の奥にある、開けてはいけない部屋。
玄関に残された古い「絵画教室」の木札。
澄江の爪に残る青い絵の具。
そして額縁の裏に隠されていた、一通の入選通知。
かつて義明は、澄江が絵を描く人生を奪った。
才能がなかったからではない。
才能があったから、怖かったのだ。
レイナは作業療法の名目で、夫婦の過去をほどいていく。
手指の運動として筆を持たせ、歩行練習として玄関へ向かわせ、生活行為の再開として封じられた記憶に触れる。
そのやり方は優しい支援なのか、それとも追い込みなのか。
レイナにも忘れられない過去がある。
退院間近だった文房具屋の店主・岸本春夫。
歩けるようになり、家に帰れるようになった。
けれど彼が本当に望んでいた「もう一度だけ店に立つこと」を、レイナは見落とした。
今度こそ、見落とさない。
そう思うほど、レイナの介入は危うくなっていく。
これは、サイコパス気質のギャル作業療法士が、老夫婦の生活に隠された支配と後悔を暴いていく心理サスペンス。
そして、誰かの生活をほどきながら、自分自身の結び目にはまだ触れられない女の物語。
103
夜明けの夢想者
高校生・白瀬陽波は、母から贈られたペンダントを手に眠りにつくと、不思議な「夢の世界」に迷い込んでしまう体質を持っていた。
ある日、入院中の母を見舞った病院で、思いがけず夢の世界に囚われた陽波は、「カヅキ」と名乗る謎めいた少女と出会う。微笑みの奥に影を漂わせる彼女に導かれ、陽波は夢の病院をめぐる旅へと踏み出す。
そこに潜んでいたのは、心を蝕む狂気の悪夢――そして、自らの弱さや過去と向き合わざるを得ない試練だった。夢と現実の狭間で出会った二人の少女は、闇を彷徨いながらも、自立と再生の光を探し求めていく。
希望と絶望が交錯する、サイコロジカル青春ホラー。
104
帰ってこない人を、猫は待ち続けた
妻に先立たれ、一人暮らしを続ける七十八歳の老人・源三は、散歩の途中の土手で一匹の野良猫と出会う。
これは、一人の老人と一匹の猫が紡いだ、言葉のない絆の物語。
105
【完結】天使のスプライン
少女モネは自分が何者かは知らない。だが時間を超越して、どの年代のどの時刻にも出入り可能だ。
様々な人々の一生を、部屋にあるファイルから把握できる。
モネの使命は、不遇な人生を終えた人物の元へ出向き運命を変えることだ。モネの武器である、スプライン(運命曲線)によって。相棒はオウム姿のカノン。口は悪いが、モネを叱咤する指南役でもある。
モネは持ち前のコミュ力、行動力でより良い未来へと引っ張ろうと頑張る。
そしてなぜ、自分はこんなことをしているのか?
モネが会いに行く人々には、隠れたある共通点があった。
106
ノッカー・アップ――朝を運ぶ少年
「おはよーございまーす」
とある国の、小さな町。
そこには毎日、早朝から長い棒を肩にかけて歩く少年――フィンがいる。
彼の仕事は『ノッカー・アップ』。
人々の家の窓を叩き、朝を届ける仕事だ。
朝が苦手な人にも
朝を迎えられるかわからない人にも
朝を迎えたくない人にも
元気な笑顔と声で「朝」を運ぶ。
温かくて少し切ない、「おはよう」が繋ぐ物語。
107
妹尾写真館 帰らぬ人との最後の一枚、お撮りします
あなたの「もう一度会いたい人」は誰ですか? ――
祖父の死により、生まれ育った海辺の町へ戻ってきたつむぎ。祖父がひとりで営んでいたはずの写真館には、天海という見知らぬ従業員の男がいた。天海はつむぎに、この写真館で一度だけ、亡くなった人と会うことができると言う。半信半疑だったつむぎを真夜中のスタジオで待っていたのは、すれ違ったままもう会えないと思っていた祖父だった――
父親と喧嘩別れしてしまった野球少年。幼なじみに想いを伝えられなかった女性。大好きなママにもう一度会いたい女の子。帰らぬ人との最後の一枚を撮るために、妹尾写真館には悩みを抱えた人々が今日もやってくる。
108
【短編】おかしな男は今日も絶好調~それに喧嘩を売ったクレーマーと、店長の悲劇~
商店街の一角にある大型の店で、昔から愛されている通称「マシロスーパー」。半年前に入ってきた社員はおかしな男で、胃がキリキリさせられている店長、そして数名の社員も心配する中、彼は本日ちょっとの間だけ留守番を任せられることになったのだが――サクッと読める約1万字の短編です。お楽しみいただけましたら幸いです!
※他サイトにも掲載
109
義理の娘がバスルームから私に懇願した。「お義父さん、入ってきて。もう我慢できないんでしょ?」
深夜二時、尿意で目が覚めた俺は、廊下の奥にある浴室へ向かった。
ところが浴室の前まで来た瞬間、足が止まった。湯気のこもった浴室の中、浴槽に身を沈めている美羽の姿が、浴室カーテン越しにぼんやり浮かんでいた。
すぐに引き返すべきだった。
なのに、足が床に張りついたように動かなかった。ようやく我に返り、自分の部屋へ逃げ戻ろうとしたとき、スマホが震えた。
画面には、美羽からのメッセージが表示されていた。
「お義父さん、入ってきてください。もう我慢できないんでしょう?」
スマホを握る手のひらに、汗がにじんだ。
五十年以上生きてきて、俺はずっと自分をまともな人間だと思っていた。妻を亡くしてからは、女遊びひとつせず、息子だけを育ててきた。だが俺を深いところへ引きずり込んだのは、見知らぬ女ではなかった。
息子の嫁だった。
110
神さまのレシピ
交通事故に遭い両親は亡くなり、颯は奇跡的に一命を取り留めるが、脊椎に損傷を負い、両足を動かすのが難しい状態になる。
入院中、担当してくれたのは男性看護師の湖城だった。
111
ママは私を見なかったよね。
【あらすじ】
ある夜、母はベランダで首を吊ろうとしていた。
事件を目撃した私は、それまで自分でも気付かなかった、母への本当の気持ちを見つけてしまう。
112
あなたが脱いだあとで。夜のゴルゴンゾーラ
木下綾乃。わりと綺麗だ、と言われている、自称おばさん。31歳。
なぜ彼女ばかり盗まれるのか。
113
妹はわたくしの物を何でも欲しがる。何でも、わたくしの全てを……そうして妹の元に残るモノはさて、なんでしょう?
姉と下に2歳離れた妹が居る侯爵家。
両親は可愛く生まれた妹だけを愛し、可愛い妹の為に何でもした。
妹が嫌がることを排除し、妹の好きなものだけを周りに置いた。
その為に『お城のような別邸』を作り、妹はその中でお姫様となった。
姉はそのお城には入れない。
本邸で使用人たちに育てられた姉は『次期侯爵家当主』として恥ずかしくないように育った。
しかしそれをお城の窓から妹は見ていて不満を抱く。
妹は騒いだ。
「お姉さまズルい!!」
そう言って姉の着ていたドレスや宝石を奪う。
しかし…………
末娘のお願いがこのままでは叶えられないと気付いた母親はやっと重い腰を上げた。愛する末娘の為に母親は無い頭を振り絞って素晴らしい方法を見つけた。
それは『悪魔召喚』
悪魔に願い、
妹は『姉の全てを手に入れる』……──
※作中は[姉視点]です。
※一話が短くブツブツ進みます
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾もあるかも。
◇なろうにも上げました。
114
妹がナルコレプシーを拗らせまして
レイには4歳下の大嫌いな妹がいる。そのユイがある日突然ナルコレプシーを発症した。
母と妹にはできるだけ関りを持たずに生活してきたレイだがそうもいかなくなった。
恋人の圭ちゃんとの仲も妹の病気も拗れて、切ないです。
フィクションです。
115
アレックス・マーベルと優しい世界
市場からの帰り道、4歳の娘が言った。
「おかーさん、あそこに誰かいるー」
怖くなった私は娘を説得しその場を離れたが、どうしても娘の言葉がひっかかり夫に確認してもらう事に。
そして夫は衰弱した少年を抱いて帰ってきたーー。
そこから始まる、優しい世界の物語。
116
しょうもなおじさん、ダンジョンに行く
佐古歳三47歳。
しょうもないおっさんだ。
だが歳三はしょうもなくないおっさんになりたかった。
ダンジョンでならそれが叶う。
そう信じて25年目。
歳三のココロはやっぱりしょうもないままで、しかしカラダは滅茶苦茶な事になっていた。
117
アパシー・ケージ《無感覚の檻》
三年前、世界は一変した。
人間の感情や意志が、不可思議な現象――《異能》として顕現するようになったのだ。
怒りは激しい炎となり、守り抜きたいという願いは固い障壁へと形を変える。
強い自我を持つ者ほど強い力を得る。それが、新たな世界の常識だった。
だが、誰にも破れない「絶対の防御」を手にしたのは、強い意志を持つ者たちではなかった。
夢も怒りも、「こうありたい」という願いさえ手放し、何も望まなくなった人々。
彼らの周囲では、炎も、衝撃波も、精神へ干渉する力も、あらゆる異能が効力を失う。
その現象は、《アパシー・ケージ――無感覚の檻》と呼ばれた。
十九歳の蒼井湊人は、かつて「神童」と呼ばれたヴァイオリニストだった。
しかし三年前、国際コンクールの決勝で突然演奏できなくなり、それ以来、人前で一音も弾けずにいる。
それでも、ヴァイオリンを捨てることだけはできなかった。
そんな湊人が持つ異能《痛覚接続》は、人々が心の奥へ押し込めた痛みや、諦めた願いに触れる力だった。
ある日、湊人のもとに、一人の女性から「夫が何を考えているのか分からなくなった」という相談が持ち込まれる。
夫の二宮誠一は、かつて画家を志していた会社員だった。しかし夢を諦めて二十年以上が経ち、今では何を望んでいたのかさえ語ろうとしない。
二宮もまた、《アパシー・ケージ》を纏う一人だった。
そんな彼に目をつけたのが、《アパシー・ケージ》によって異能の届かない「誰も傷つかない街」を作ろうとする《楽園機構》。
やがて二宮は、自ら楽園機構のもとへ向かってしまう。
彼を連れ戻すことが、本当に正しいのか。
迷いながらも、湊人は幼馴染のひなたとともに楽園機構へ向かう。
118
スルドの声(嚶鳴2) terceira homenagem
何かを諦めて。
代わりに得たもの。
色部誉にとってそれは、『サンバ』という音楽で使用する打楽器、『スルド』だった。
大学進学を機に入ったサンバチーム『ソール・エ・エストレーラ』で、入会早々に大きな企画を成功させた誉。
かつて、心血を注ぎ、寝食を忘れて取り組んでいたバレエの世界では、一度たりとも届くことのなかった栄光。
どれだけの人に支えられていても。
コンクールの舞台上ではひとり。
ひとりで戦い、他者を押し退け、限られた席に座る。
そのような世界には適性のなかった誉は、サンバの世界で知ることになる。
誉は多くの人に支えられていることを。
多くの人が、誉のやろうとしている企画を助けに来てくれた。
成功を収めた企画の発起人という栄誉を手に入れた誉。
誉の周りには、新たに人が集まってくる。
それは、誉の世界を広げるはずだ。
広がる世界が、良いか悪いかはともかくとして。
119
彗星と遭う
【✨青春カテゴリ最高4位✨】
中学野球世界大会で〝世界一〟という称号を手にした。
その時、投手だった空野彗は中学生ながら152キロを記録し、怪物と呼ばれた。
その時、捕手だった武山一星は全試合でマスクを被ってリードを、打っては四番とマルチの才能を発揮し、天才と呼ばれた。
突出した実力を持っていながら世界一という実績をも手に入れた二人は、瞬く間にお茶の間を賑わせる存在となった。
もちろん、新しいスターを常に欲している強豪校がその卵たる二人を放っておく訳もなく。
二人の元には、多数の高校からオファーが届いた――しかし二人が選んだのは、地元埼玉の県立高校、彩星高校だった。
部員数は70名弱だが、その実は三年連続一回戦負けの弱小校一歩手前な崖っぷち中堅高校。
怪物は、ある困難を乗り越えるためにその高校へ。
天才は、ある理由で野球を諦めるためにその高校へ入学した。
各々の別の意思を持って選んだ高校で、本来会うはずのなかった運命が交差する。
衝突もしながら協力もし、共に高校野球の頂へ挑む二人。
圧倒的な実績と衝撃的な結果で、二人は〝彗星バッテリー〟と呼ばれるようになり、高校野球だけではなく野球界を賑わせることとなる。
彗星――怪しげな尾と共に現れるそれは、ある人には願いを叶える吉兆となり、ある人には夢を奪う凶兆となる。
この物語は、そんな彗星と呼ばれた二人の少年と、人を惑わす光と遭ってしまった人達の物語。
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第一部表紙絵制作者様→紫苑*Shion様《https://pixiv.net/users/43889070》
第二部表紙絵制作者様→和輝こころ様《https://twitter.com/honeybanana1》
第三部表紙絵制作者様→NYAZU様《https://skima.jp/profile?id=156412》
登場人物集です→https://jiechuandazhu.webnode.jp/%e5%bd%97%e6%98%9f%e3%81%a8%e9%81%ad%e3%81%86%e3%80%90%e7%99%bb%e5%a0%b4%e4%ba%ba%e7%89%a9%e3%80%91/
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【完結】あなたが笑ってくれるから
第9回ライト文芸大賞 奨励賞受賞しました。
胃癌を宣告された栞(しおり)を支えるのは、やっぱり家族だった。
「栞には生きてて欲しいんだ」
そう願う夫の言葉を胸に、栞は闘病の日々を生きていく。
病気をきっかけに、家族は、これまで当たり前だった日常や人生を見つめ直していく。
病気によって少しずつ変化していく日常。
その中で、家族は互いを支え、互いを思いやります。
描くのは、病気そのものではなく、愛する家族と過ごすかけがえのない毎日です。
栞たち家族を、温かく見守っていただけたら嬉しいです。
栞:私、専業主婦
大輔:夫、会社員
琥太郎:息子